更年期について②
- カテゴリ:日記
- 2025/12/13 22:55:18
<更年期以後に起こる様々な不調>
女性ホルモンの分泌量は更年期以降も激減します。
また、女性ホルモンだけでなく、年齢とともに様々なホルモン(「甲状腺ホルモン」「成長ホルモン」「メラトニン」「DHEA」)が減っていきます。※くわしくはホルモン補充療法をご覧ください
体全体を守ってくれるホルモンの分泌量がが減少することにより、様々な体の不調が起きやすくなります。
・物忘れ
エストロゲンの分泌量が減ると物忘れをしやすくなります。特に短期的記憶の低下がみられます。
最近の遺伝子研究で、エストロゲンには脳の神経細胞を守る働きがあり、アルツハイマー型認知症を抑えるという説が有力です。
認知症には生活習慣と心の持ちようも影響していますので、人とコミュニケーションをとり、積極的にいろいろなことにチャレンジしてみましょう。
・髪のトラブル(薄毛、白髪)
年齢とともに髪が細くボリュームがなくなり、髪のうねりが出て髪質も悪くなります。白髪も増えて髪のトラブルに悩む方が増えてきます。
薄毛の主な原因は、血流の低下や女性ホルモンの分泌量の減少などです。頭皮の毛根(毛母細胞)に栄養が行き渡らなくなり、髪質が変化します。女性に多い薄毛のタイプは、頭頂部とサイドを中心に全体的に薄くなる「びまん性脱毛」です。さらに、女性ホルモンの分泌量が減り、男性ホルモンが相対的に優位になることで、額からM字型に後退してトップが薄くなる「F-AGA」と呼ばれる女性における男性型脱毛が混ざる人もいます。
薄毛の対策として、紫外線ケア、保湿、正しい洗髪を行うことが基本です。シャンプー前に頭皮の血行を促進することも有効です。また、市販の医薬品や医師の処方が必要な医薬品(現在、発毛効果が認められているのは「ミノキシジル」)の使用も可能です。
・肌の老化
エストロゲンの分泌量低下により肌のコラーゲンやヒアルロン酸の生産量が落ち、皮膚の弾力やみずみずしさが失われていきます。ハリがなくなり、細かいシワが目立つようになります。また、この他のホルモン分泌の低下も影響し、色素沈着が起きやすくなり、シミや肝斑が目立ったり、唇が薄くなったりします。
有効な対策としては、食生活に気をつけて、運動習慣や質の良い睡眠で内側から改善がおすすめです。
・血管の老化(高血圧・動脈硬化)
エストロゲンには血管拡張作用があり、脂質代謝やインスリン分泌にも関わっており、脂質や血圧、血糖を適度にコントロールしています。閉経によるエストロゲン値の減少で、LDLコレステロールや中性脂肪が増えたり、血圧や血糖値の上昇を招きます。血管の自然な老化にこれらの負荷が加わると動脈硬化が加速します。動脈硬化により、血管が詰まりやすくなり、心臓の周りに起きると狭心症や心筋梗塞、脳の血管で起こると脳梗塞につながります。
「脂質異常症」「高血圧」「高血糖」の数値に注視し、食事、睡眠、運動の生活習慣の改善を図りましょう。
・骨粗しょう症
体の骨は、「破骨(はこつ)細胞」が骨を壊し、「骨芽(こつが)細胞」が骨を作るという過程を繰り返して、常に骨を作り変えています。女性ホルモンのエストロゲンが「破骨細胞」の働きを抑え、「骨芽細胞」を促進しています。更年期でエストロゲンの分泌が減ると「骨芽細胞」の働きが弱まり、「破骨細胞」が優位になるため、骨を作る作業が間に合わなくなります。そのため骨量が急速に減少し、骨がスカスカの状態になる骨粗しょう症になりやすくなります。
骨粗しょう症になると、骨折のリスクが大幅に増え、背骨が潰れる圧迫骨折を起こすこともあります。もっとも危険なのは大腿骨頸部(太ももの付け根)骨折です。
骨粗しょう症は自覚症状がありません。急激に骨量を上げることも難しく、骨密度の低下をできるだけ早期に食い止める事が大切です。定期的に骨密度の測定を行いましょう。(医療機関で測定可能。骨密度が成人平均値の80%以上なら正常、70~80%なら骨量減少、70%未満なら骨粗しょう症です)
日頃から骨の健康のため、1日15分ほど戸外で運動し、カルシウムやビタミンD,ビタミンKなどを補給しましょう。
・肥満傾向
年齢とともに基礎代謝量が下がり、今までと同じ食事量でも自然に体重は増えていきます。
さらに、エストロゲンをはじめとする各種ホルモン値の低下により、以前よりずっと脂肪がつきやすくなり、お尻や太ももには、プロゲステロン値の低下の影響でセルライト(脂肪と老廃物、水分等が混じり合ったもの。お尻皮膚の下のデコボコしている脂肪の塊)が溜まりやすくなります。
有酸素運動を心がけましょう。特に内臓脂肪の多いタイプの肥満の人は血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを上昇させ、動脈硬化を進める原因となるので、注意が必要です。
・だるさ、倦怠感
「だるい」「疲れやすい」更年期が終わっても、倦怠感や疲労感に悩まされる場合があります。
このような不調にも、各種のホルモンが関係している場合があります。甲状腺ホルモンや女性ホルモン、成長ホルモンの分泌の低下に伴い、免疫力が落ちて疲れが取れなくなったり、風邪をひきやすくなったりする等、慢性的な不調が起こりやすくなります。免疫力の低下により、ウイルスに感染しやすくなったり、重大な病気の心配も増えてきます。生活を見直して、免疫力を高める生活をしましょう。
























