Nicotto Town



井の中の蛙、大海で溺れる

Imagine a frog with legs—but they’re no good for swimming across a huge lake.

カエルに泳ぐ脚はあっても大きな湖を泳いで渡ることはできないよね。
家を建てるにも道具が無いとか、いろいろ譬えられる。

あるところに小さなアマガエルがいました。
アマガエルはある時、古井戸の中にうっかり飛び込んでしまいました。
ところが、そこには豊富な餌があったので(衛生的にはかなりまずい)
しばらく過ごすことができました。
そこで快適に過ごしているうちにアマガエルは何だか自分が何者かになった
ような気がしてきました。
比べる相手もいないので、些細な事でも「自分はこんな事が出来るんだ」と
思うようになっていました。
そしてそんな「できる自分」をイメージしているうちに、本当に気が大きくなって
よっしゃーこんな井戸にいるような自分ではないと思うようになりました。
そして井戸を這い上り、ついに久しぶりに外界に出てきました。
まあ、古井戸から出ることも出来たし、高揚感と万能感でなんでもできるような
気分になっていました。

ところが、そこへ小鳥がやってきて、嘴でバシっとアマガエルを摘まもうと
しました。

アマガエルは必死に跳ねて逃げ、足を滑らしてまたドボンとどこかに落ちて
しまいました。
そして必死に泳いでるうちに波に押されて何とか小鳥からは逃げました。
ところがです。悲劇は続きがありました。
今度はなんと大きな湖だったのです。アマガエルには水かきがありますが
それはせいぜい井戸の中を泳げる程度、湖を泳いで岸にたどり着くような
ものではありません。
湖のさざ波に押されていつの間にか岸から離れたところにいたアマガエルは
思うのでした。
「井戸の中にも幸せはある」

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