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Dグレのキャラで物語つくってみた 06

コツ、と自分の足音だけが響いた。

月だけが明るく、私の味方のように思える。

ため息をつけば、後ろから声がした。


「今晩は…来てくれたんですね」


アレン・ウォーカー。

私は振り返らずに俯いた。


「何の用なの?」

と、奴に向かって1枚の紙切れを投げる。

その紙はウォーカーが私のポケットに入れ込んだ手紙だ。

私の問いに奴が笑った。


「何って何でもないですよ、君が僕を殺すと言うから」


随分意味の分からない事を言う。

確かに言っている意味は当たっているけれど。

私は眉をしかめ、彼と向き合った。流れるように銃を構える。

銀色の髪はやはり美しく、月の光りが綺麗に反射していた。

私は銃の撃鉄を起こし、頷いた。


「うん、貴方は私が殺すよ」


今ね、と呟きながら私は銃の銃爪を引いた。

耳をつんざくような銃声と、空薬莢の弾き出される音。

ウォーカーはひょい、とそれを避け、己が腰掛けていた民家の塀から飛び降りる



「危ないですね」


ひらひら、と私に手を振る。

どうやら奴にはそれなりの戦闘能力があるようだ。

私はその余裕の笑みにも発言にも腹が立った。

ここまで私をなめきって居る標的は初めてだったから。

彼は颯爽と私に近寄ると、またこの前のように後ろへ回ろうとした。

だけどそれは私の予想の範囲内。

この前は油断して耳に麻酔を刺され、窒息死されそうになったが今度はそう簡単
には行かせない。


「なめすぎだよ」


私は後ろへ回った彼の腕を掴み、自分の方へ引き寄せると、膝で蹴り込んだ。


「うあっ…」


ウォーカーのうめき声と、奴の唇から零れる一筋の血。

奴の身体は小枝さながらに細く、私に蹴られれば意とも簡単に吹き飛んだ。

が、私に腕を掴まれている為にそうも行かない。

ぐいん、と反動で再度私の方へ戻る。

そして拳を握り絞め、ふらつく彼の腹に思いきり打ち込んだ。

奴の嬌声が響く。

私は今度は腕を離し最後に一発蹴りをお見舞いする。

奴はぶざまにも転倒し、地を滑った。


「痛い」


小さな声で呟いている。

奴が銃を撃てないよう私の後ろへ回ったのなら、接近戦で戦うのみ。

ウォーカーは私が肉弾戦が出来ないと思ったのだろうか。銃やナイフだけでSの称
号は貰えない。

私は肉弾戦だって習得しているし、更に得意ともしている。

私はうずくまるウォーカーへ、再び銃を向けた。

これで終りなのだ。

奴を殺し、本部に連れて帰る。




「姫ちゃん、やりますね」


私は心臓に狙いを定めた。

こちらをにこやかに、でも挑戦的に見つめるウォーカー。

私は未だ笑い続ける奴に対し、急に殺気が萎えた。

銃を下ろし、奴に問う。


「貴方怖くないの?」


今から死ぬのに、と私は呟く。

すると奴はいきなり大声で笑い出した。


「あはははは、あははははっ!」


私は愕然とする。

その箍が外れたような笑い方に恐怖すら覚えた。

どうかしてる

私はそう心で呟き、再び銃を構え、銃爪に指を掛けた。

そして今まさに銃爪を引くその時。

私はぐい、と肩を掴まれ強制的に向きを変えられる。


「な…」


目の前に広がるのは黒。

見上げれば1人の男が私を見下ろして居た。

黒は彼の着ていた服だったのだ。

彼が私を見下ろしたまま、低い声で呟く。


「随分と派手にやってくれてるじゃねぇか」


アジアン系の顔立ちに長髪を一つに束ね、その手には剣。

否、刀と言った方が正しいだろうか。

まさか味方が居たとは。この前のラビといい、つくづく侮れない奴らである。

一時の沈黙。

私が言い返せなかったのには二つ理由があった。

一つは、背後から手袋を嵌めた手によって、口を押さえられて居たから。


「遅いですよ、神田」


それは紛れも無くウォーカーで、他の誰でも無い。

あれだけやられてまだ動けたなんてやはりただ者では無いと分かる。

認めるしかないが、ウォーカーは強いのだ。

私は嫌悪に顔をしかめながらも、ウォーカーの腕に手をかけた。

早く口から離して欲しい。

そして、言い返せなかったもう一つの理由。

それは、目の前のカンダと呼ばれたアジアン系の男が、目を見張るような美形だ
ったからだ。

カンダはウォーカーの言葉に舌打ちをして、顔を歪めた。


「チンタラしてんじゃねぇぞ、モヤシが」


顔に似合わず凄く言葉が悪い事が分かる。

モヤシとはどうやらウォーカーの事らしい。

後ろでウォーカーが憤慨している事でわかる。

私は力任せにウォーカーの腕を引き離すと後ろ脚で蹴りを入れ、大声で笑った。


「モヤシって貴方の事?笑いすぎてお腹が痛い。私は小枝だと思っていたけど」


そして私はそこで急な目眩に襲われた。

きっとウォーカーの手袋にクロロホルムでも染み込ませてあったのだと思う。

私はカンダの胸に倒れ込むように背を預けた。

そして薄れ行く意識の中で思う。

ごめんなさい千年公。私どうやらここまでのよう。

小枝に負けるなんてプライドが許さないけど、私美形の人にもたれて意識を失え
るなんて幸せ。

最後に見た物は、カンダの美しい顔と、ウォーカーの憤慨した顔。
私はそこで意識を失った。





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