Nicotto Town


あなたに会えてよかった♪


【イベント】ソロキャンイベント Vol.5

「どうですか?」

「…」
「ですからっ どうですか?」

後輩女子が、普段見せない真剣な表情になって俺を見てる。
「…」

3回目の書き直した企画書。
もう、事務所の時計は夜の10時を過ぎようとしていたんだ。

「ファミキャンとソロキャンの接点なんだけどな…」
ごくり、の表情になった彼女。

「いいんじゃね?」

確かにいいんだ。
ファミキャンにベテランでもあるソロキャンメンバーが、火を熾す方法や、テント設営についての注意事項を伝えるんだけど、これをソロメンバー有志全員でやる。そのかわりファミキャンは、ソロキャンメンバーにイベントでお返しをする。
そのイベントってのが…

『設営のお手伝い』

なんだよね。

ソロって、テントやら焚き火台やらの設営を一人でやるんだけど、それって案外時間がかかるんだ。
もちろん、それを楽しみにしてるキャンパーも多いんだけど、特に女性ソロキャンパーは、やや手間だって思ってる人も多い。テント設営なんて、複数でやらないと
(いや、かく言う俺も『めんどーだなあ…』って思ってるんだけどね)けっこ大変だったりするんだ。

もちろんソロキャンパーのリクエスト優先なんだけどね。これってかなりニーズが高いように思う。
しかもファミキャンは、子供たちが喜んでテント設営とか手伝いながら、ソロの連中からいろいろなコツなんかも実地で学べるし。

「あとは…時期だけど…」
「はい…」

「夏休みを外して、秋の連休に絞ったのがいいな」
後輩女子、ぱあぁぁぁぁっと雹用が一気に明るくなったんだよ。

「でしょ?夏場は暑いし、冷房効かないキャンプはさすがに厳しいですもんねっ!」

「あはは それもあるが…」
「はい…?」

「秋は、夏に比べて 夜が長いんだ」
後輩女子、がっくりきて

「当たり前じゃないですかっ!」

俺は慌てて手を振って
「夜が長いってことは、日が落ちるのが早いってことだ。てことは…?」

はっとした表情の後輩女子。
このへんの察しの良さが、彼女のいいとこなんだよな。

「夜にイベントができるってことですよね!」
「そうだよ。星空観賞やナイトコンサート、キャンプファイヤーなんかが早い時間でできるだろ。そのあとにファミキャンもソロキャンも、思い思いの時間が楽しめるってことさ」

めっちゃ笑ってるやんw
オマエ やっぱり分かりやすいなw

「先輩っ!ありがとうございます!この方向でキッチリ企画詰めていきますっ!」

まあ、まだまだ甘いんだけどね この企画。
でも、彼女の熱意に…負けちゃたのかな。

俺は、パソコンの画面を消して、立ち上がって

「じゃ、この企画はまた明日に…」
後輩女子は、頷いてこっちを見て

「わかりました!お疲れ様でした!」


「あの…先輩?」
デスクを片し、バッグを背負った俺の背後から声が飛んできた。

「なんだ?」

「…」

「だからぁ なんだって?」

「このあと、飲みに行きません?」



(オマエ、未成年だろうーが…)

(続く

#日記広場:自作小説

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2025/10/30 07:24
やっと企画書が出来上がりましたね。
社員さんの育て方がすごくお上手って思っちゃった。
いい関係ですね。
もちろん、呑みに行ったのよね?!




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