運命の糸の先
- カテゴリ:自作小説
- 2025/10/19 05:50:03
第六章
2週間後の深夜1時過ぎに久しぶりにレンからの連絡が来ていた。「アオネさん、すげー久しぶり、今日アオネさん家行っても良い?」「久しぶりだね、今日?明日になるかな?は休みだからいつでもおいでよ」と返した。「そんじゃ、今から行っても良い?」「勿論、大丈夫」「そんじゃこれから向かうね」「はーい」と軽く携帯でのやり取りを済ませ、レンが来るのをソワソワとしながら待っている私がいた。30分程で家のチャイムが鳴った。モニターにはレンが映っていた。…「はーい」と出ると「アオネさん?遅くなったー」とモニター越しに軽く会話をし、…「大丈夫よ、今出るね」と部屋の鍵を開けた。段々と暑くなって来た夜の風は気持ちが良かった。部屋の鍵を開けるとレンは少しばかり辛そうな顔をしていた様に感じた私は、…「レン?何かあったの?…兎に角入って」と彼へと伝えた。…「うん、お邪魔します」と何時もとは様子の違ったレンがそこには居た。…「何か飲む?」と私が尋ねると彼は…「コーヒー頂いちゃっても良い?」と返事が返って来た。…「今入れるね」とコーヒーの準備をし始めた私だ。…「ベランダ借りるね」とレンは煙草を吸いに行っていた。…「部屋でも良いよ?」と私が伝えると…「少し外の空気に触れたい…」と言っていた。…何かあったんだろうか…少しばかり彼の事が心配になりつつも、私はケトルでお湯を沸かし始めた。ケトルのお湯はあっという間に沸き、コーヒーを作り、レンへと声を掛けた。…「レン?コーヒー入ったよ」彼は、ベランダで煙草をふかしながら、…「うぃー」と返事をしていた。…「ここ置いて置くからね?」とテーブルへとコーヒーを置いた。…「ありがと、アオネさん」とまだまだ煙草と外の空気感を楽しみたそうな彼はそう呟いていた。彼なりに煙草と外の空気感を楽しんだのであろう彼は部屋へと入り、…「コーヒー頂きます」と手を合わせ、飲み始めていた。…「レン?どうしたの?何かあった?」といつもと雰囲気の違う彼へと聞いてみる事にした。…「アオネさん、俺ね?結婚することになった…」と悲し気な顔をして彼は答えていた。