千夜一夜物語
- カテゴリ:アニメ
- 2025/09/13 22:47:03
※この記事は2025年10月21日に書いています。こちらの記事は毎度のことながら個人の感想ですが、YouTube・Wikipedia(以下ウィキ)を参考にしながら書いています。
この記事は連続テレビ小説『あんぱん』内で描かれた『千夜一夜物語』についての感想になります。
この作品は虫プロダクションによる、1969年6月14日に上映したアニメ作品とのこと。
これはテレビアニメの『サザエさん』の放送開始日(1969年10月5日)よりも古いアニメ映画でもあります。
2025年10月現在における、mice自身が視聴した最も古いアニメ作品になりますね……。
で、ここからはYouTubeで視聴した作品感想になります。今回は節スタイルで書きます。
・スタッフのテロップがほぼ冒頭
まず、スタッフのテロップが開始2分頃にあったのが驚きです。作品名を表示した後に「総指揮 手塚治虫」、次のカットで制作陣、その次で「美術 やなせたかし」と出ます。『あんぱん』作中でも、嵩がキャラクターデザインの仕事を行っているシーンがあります。
ただ、冒頭に紹介があるパターンだと、意識していても油断すると見逃したり、作品世界に没入すると意識しなくなったりするような配置だなーとは感じますねー。
・声の出演について(テロップ・キャスティング)
スタッフのテロップのうち、声の出演については終わる手前の紹介になっています。
主人公の声が青島幸男さん、ヒロインと主人公の娘が岸田今日子さん。悪役は芥川比呂志さん。
声の出演の3つ目右下に【現代演劇協会”雲”】(劇団雲)とあります。ウィキページで劇団雲を拝見すると、ほとんどの俳優がキャスティングされています。(もう一方の”梓”は引っかからず)
ウィキによると、主人公の娘の相手役を務めたのが橋爪功さんとのことですが、声の出演にはテロップがありません。ただ、橋爪さんのウィキページでは劇団雲に所属していたということになっているようですので、「当時は若手でノンクレジットだったのかなー」とも思えてきます。実際はわかりませんが。
また、その次の表示には友情出演として、五十音順に並べられていますが、大橋巨泉さん、小松左京さん、立川談志さん、筒井康隆さんなど、なかなかに豪華。独断と偏見込みの感覚で言うと、スタジオジブリ作品や細田守さんと新海誠さんの作品のキャスティングのようだと感じます。(声の出演が俳優メインの意味合いで)
1960年頃ではアニメではなく、テレビまんがと言われていた時代。また、「声優」という言葉がない時代でもあるので、俳優が声優をやっているような感覚だったのかなーとも思えてきます。
・作中のシーンについて(コマ)
今回視聴したのは2時間10分程のバージョン。前半1時間がアルディン目線の話、後半1時間程が15年後にアルディンが商人・シンドバッドになった時の話。
まず始めに思ったのが、開始5分程にヒロイン格のミリアムが巻いた布をはがすと裸になるシーンをはじめ、裸のシーンが割とあったこと。(※乳首あります)
加えて、作中登場する女性キャラ達の裸だけでなく、「いい鳴き声」というセリフがあるなど生々しさというか、性を感じるシーンなどもあるので一個人的には驚きの連続。
海のシーン・財宝・城などは実写、もしくは実写とアニメの組み合わせが散見されましたが、この辺りは工夫を感じて良いと思いました。(2025年現在の基準なら城と海のシーンは3Dアニメで表現されているかも)
・作中のシーンについて(文化など)
作中肉を食べる・ワインを飲むシーンがあります。作品の舞台がバグダッドで宗教はイスラム教。これらについては、頭の中では何となく知識としてはあって何気なく一通り観賞していました。後日手塚治虫オフィシャルの作品紹介のページを拝見して「はっ」と改めて気付いたほどです。
・キャラクターについて
【アルディン(シンドバッド)】
作中、屋敷や牢に閉じ込められたり、女護が島や無人島で襲われたりしているが、持ち前の強運で助かるシーンが多いなとは感じた。魅力的かどうかはおいておいて。
また、物語が進むにつれて「塔を造れ」「(娘とは知らない時点で)ジャリス、俺の物になれ(※意訳)」というように欲望に溺れていく印象も感じた。それでも処刑される前に塔が崩れて処刑はされていないうえに、最終的には改めて旅に出た様子で終わったので強運だと思うのは確か。
【バドリー】
終始悪役。作中何人かのキャラクターを利用・謀殺していた、王になりたい野心家。最終的にはマーディアと相討ち。
長官夫人のベッドシーンのくだりは色々と伏線回収っぽいシーンだなと感じた。(聞き出した割にはそこで終わった形だったけど)
【ミリアム・ジャリス】
作中のヒロイン。ミリアムはアルディンの相手役。ジャリスはミリアムとアルディンの娘。
ミリアムは主に前半の登場。心情についてあまり描かれていないのでその辺りはわからない。ジャリスを出産した後に亡くなるので、退場が割と早めなのは驚いた。ジャリスはアスラーン共々作中の出来事に翻弄されている印象。シーンとしては、塔が崩れる際にアスラーンがジャリスをかばって倒れている姿が最後なので、その後どうなったのかは気になる。
【マーディア】
作中の出来事でバドリーを憎み、アルディンに惚れているサブヒロイン。
女護が島ではアルディンに袖にされる、バドリーによって凌辱されたり結果的に実父のカマーキムを殺されたりと、まあまあ報われない。
mice自身が見ていた中では最も感情移入できたキャラクター。
【その他のキャラクター】
長官の息子(声は高め、ウィキには誰があてているのかが書かれていない)のくだりはキャラクター性もあってややコミカルに描かれていた気がしないでもないですね…。最後(=最期)まで。
女護が島の女達については、――色々な意味で「女は怖い」としか言えない。
ジンとジニーのくだりはアスラーンとの絡みを含めて、どことなくディズニーっぽく感じた。
※配信期間について、当初は9月17日までの予定だったので、9月14日に一度視聴しています。好評につき、2025年10月13日まで配信されたようです。