緑の底で息をやめる
- カテゴリ:日記
- 2025/07/19 20:28:57
白い喉が、
 まるで刃物のように、夜の静けさを裂いていた。
その一瞬、時間は止まり、
 世界の中心がふたりの皮膚の接点へと、ぎゅっと縮んだ。
布の下で、汗ばむ肉がわずかに震える。
 それは羞恥ではなく、悦びでもなく、
 ただ、意識が肉体に屈服する音だった。
指先は、ふれるのではない。
 侵入するでも征服するでもない、
 ただ、解剖のように、
 沈黙の奥を確かめていく。
苦悶と甘美の混ざった吐息が、
 冷たい空気に溶けてゆき、
 ふたりの間に、言葉よりも濃い影を作った。
肉が燃え、魂が引かれる。
 理性の焼け跡の向こうに、
 刹那の光が閃く。
――まさに、死にたくなるほど生きていた瞬間だった。

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				- りり
 
- 2025/07/20 11:13
- 死んでもいいと思えるほどの何かを感じ取れたのでしょうね。
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