学生気分
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/06/17 21:46:54
声をかけられて顔をあげるまで
 本に読みふけっているのが学生時代の
 僕たちの待ち合わせの流儀だった
 
 
一つの本を閉じたら
 すぐに次の本に向かわずにはいられない
 そんなふうに時間は流れていた
 きっとお互いさえも新しい本のように思えていたのかもしれない
 
 
小説やちょっと小難しい本を読まなくなって久しい
 あんなに理屈っぽく喧々諤々と議論した学生時代
 年を取るって角が取れて丸くなるんだ
 中学生の頃習った
 まるで下流の石ころのように
 そんなんでいいのか、と自問自答
 いいわけないじゃん!
でも、悲しいかな・・・
 
 
君と待ち合わせ
 今日は漫画でも週刊誌でもスマホでもなく
 ちょっと学生気分で文庫本持ってきた


 
		






























