戦争に行けばきっと僕は死ぬのだ

臆病者は弾丸を吸い寄せると聞いたことがある

意気地なしから順に死んでいくのだから

もしも僕が徴兵されて軍隊に入ったら

反抗的な目をしているといって

いつも殴られるだろう

そして、僕の目はもっと暗く沈んでいくだろう

少し位の高い軍人になったら

意気地なしの僕は部下の兵隊たちを殴るだろう

息切れがするまで殴り、蹴り、みんなに嫌われるのだ

僕が臆病者でないことをただ示すためだけに殴るのだ

僕が戦争に行ったらとても横暴で

とても残忍な人間になるつもりだ！

戦争が好きな人間も

戦争が嫌いな人間も

とにかく誰からも憎まれるように

僕は戦争そのものになっていくのだ

憎悪そのものに、不正と猜疑心と卑劣さと

人が戦争によって描くすべての醜いものに

僕はなってやる

そして死ぬ　

誰よりも一番最初に死ぬ

死んでしまえば許されるものではないが

真っ先に、でも僕だけが死ぬ

殺されたことがみんなに分かるように派手に死ぬ

暗い眼をしておとなしかった僕が小さくなって死ぬ

 

僕は初めからいなかった

僕は戦争に染まっていく前

声を出したことない小さな叫び

何かに打ち勝つことのできなかった小さな良心

何かを見つけることができなかった小さな不安

それが僕だった