光と影
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/06/04 21:23:25
雨あがりの空の下
最後の桜の花びらが
物悲しげに舞い落ちる
去り際何か言いたそうな君の瞳が
少し潤んでいた
風が吹き抜ける雑踏でひとり
夕焼けが空を茜に染め始める
君と僕との間に
空と海の境目みたいな仕切りがある
霞んだ春景色は
物憂い気だるさに包まれていた
夜の帳(とばり)が降り
視覚を麻痺させるネオン
それは男と女を発情させるように
世界は光を崇拝するあまり
闇を嫌悪し過ぎている
しかし
暗い闇こそが全てを創る
星と漆黒の宇宙
光と影
僕らの闇は繋がっているのか