【小説】先生を好きになってもいいですか?(改)⑭
- カテゴリ:自作小説
- 2025/06/01 23:06:34
【告白2】
卒業式が終わった
そうじクラブに参加してくれていた後輩たちが来てくれた。
「井上先輩!」
「4月になったら、そうじクラブ、正式なクラブに申請します。水原先生が顧問になってくれるそうなんです。」
「そう、うれしい。」
「今だから言えるけど、あなた達が掃除してくれるのは、川崎君や山田君が居るからだと思ってた。」
後輩たちは、顔を見合わせて、
「はじめは、そうだったんですけど、先輩たちが一生懸命されているのを見て、がんばろうと思ったんです。」
「あっ、山田君、川崎君、聞いた?そうじクラブ正式なクラブになるんだって。」
「がんばって続けて良かったな。」
「これから、みんなで、ファミレス行くけど、井上も来るか?」
川崎君が声をかけてくれた。
「ありがとう。でも、私、約束があるから。」
社会科準備室----
コンコン!
「失礼します。」
水原先生が待っていてくれた。
「おっ、井上、卒業おめでとう。」
「先生のスーツ姿はじめて見ました。」
「馬子にも衣装ですね(笑)」
「そんなことを言うために来たのか?」
先生は、ちょっと不服そうだった。
しばらく沈黙が続いたけど、私は勇気をふりしぼって2回目の告白をした。
「先生が好きです。」
先生は真剣なまなざしで、
「俺も、井上のことが好きだ。」
期待もあった。
勝算もあった。
でも、実際に先生の口から、好きって聞いたら、うれしくって涙がでてきた。
好きでいてくれてるという、実感がわいてきた。
「はじめは、ちょっと気になる生徒だったけど、チョコのことで沢山話すようになって、井上の存在が俺の中で大きくなっていって、クラスのことやそうじクラブの事やらくがきのことで、井上の頑張っている姿を見て、一人の女性として、井上の事が好きになっていったんだ。」
「先生が相談にのってくれたり、はげましてくれたから、がんばれたんです。」
二人しかいない社会科準備室で先生は私のことを優しく抱きしめてくれた。
「今日は、井上の家でも卒業祝いとかするだろ?」
「たぶん...。」
「明日、一緒にチョコに会いに行かないか?」
「はい。」