【小説】先生を好きになってもいいですか?(改)⑧
- カテゴリ:自作小説
- 2025/05/28 23:20:37
【夏休み】
ひまだーーーーーーーーー!
水原先生に会いたいな...。
学校行ったら会えるかな...。
う~~~~~ん
そうだ!暑中見舞い出してみよう♡
『暑中お見舞い申し上げます。
暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?
チョコは、元気ですか?会いたいな♡』
これでよし!
上手くいけば、また、水原先生とチョコに会いにいけるぞ♡
お盆が終わったころ、先生から返信があった。
『今週の土曜日、実家に帰るから、一緒にくるか?』
メールアドレスが書かれてあった。
私は早速、
『行きます。』
と、メールした。
土曜日、先生は家まで迎えに来てくれた。
学校用じゃない私服姿、はじめて見た。
私の私服姿も先生、はじめて見るんだよね。
なんだか、デートに行く気分♡
「それでは、おかあさん、望さんをおかりしますね。」
チョコと水原先生の話はおかあさんによくしていたので、快く見送ってくれた。
「望、あんまり迷惑かけるんじゃないわよ。」
「はーい。いってきまーす。」
先生の車に乗るのは2度目だ。
「今日も、後部座席な。」
「はい、はい。」
車の中で、私は前のめりで、先生に話しかけた。
「先生は、夏休み中は学校に行かないんですか?」
「先生って言っても講師だからな。ほとんど行ってないよ。」
そうなんだ。暑中見舞い出したのは正解だったんだ。
先生の家ーーーーーー
先生のおかあさんはやさしい笑顔で出迎えてくれた。
ワンワン!
チョコも元気に出迎えてくれた。
「望ちゃん、今日は来てくれることわかってたから、お昼ご飯作ったのよ。よかったら、食べて行ってね。」
私は先生の方を向いて、
「いいんですか?」
って聞いた。
「おふくろは、女の子が欲しかったんだ。井上が来るって言ったら、はりきって、作ったんだと思うよ。食べてやってくれないか?」
私は先生のおかあさんの方を向いて、お礼を言った。
「あっ、これ、母からです。」
と言って、手土産を先生のお母さんに渡した。
「まあまあ、ありがとう。」
ワンワン!
私はチョコを抱きあげながら、
「チョコ、毛並みがきれいになってる。大切にしてもらってるんだね♡」
先生のおかあさんが、
「圭も家を出て一人暮らしをはじめて、私も一人で寂しかったから、チョコちゃんが来てくれて嬉しいのよ。」
「それに、こんなかわいい望ちゃんも連れて来てくれるようになって、本当に嬉しいわ。」
「だから、かあさん、井上は彼女じゃないって言ってるだろ!」
「私じゃ、彼女になれませんか?」
って、言ってみた。
先生は真っ赤になって、
「井上!先生をからかうもんじゃないぞ!」
って、怒った(笑)
私は、
「はーーい。」って返事をした。
この日は、五目ずしをごちそうになって帰った。