【小説】先生を好きになってもいいですか?(改)⑦
- カテゴリ:自作小説
- 2025/05/28 21:39:52
【水原先生の実家】
チョコが保健所に連れていかれて、何日か過ぎたある日。
「井上!俺、今日車で来たんだけど、帰り付き合ってくれへんか?」
水原先生が、なんかご機嫌で私を誘ってきた。
「水原先生、いち生徒と車でどっか行くっていうのは、まずいんじゃないですか?」
「まあ、そんな固いこと言わずに乗れよ。」
やっぱり、すごくご機嫌だ。
「あっ、助手席はダメだぞ!教師と生徒だからな。」
「先生、なんか、言ってることと行動が矛盾してますよ。」
「とにかく、乗れ。」
「絶対、井上の事、喜ばしてやるからな。」
車の中でもご機嫌な先生。
小一時間かけて、着いたのは、水原先生の実家だった。
「先生、ここは?」
「俺の実家。」
「ちょっと待ってろよ。」
先生がご機嫌で家に入っていったと思ったら、家の中から、
ワンワン!と仔犬が駆け寄ってきた。
「チョコ♡」
「俺のおかんが、里親になってくれたんだ。」
「そうなんだ。よかったね。チョコ♡」
家の中から、やさしそうな先生のおかあさんが出てこられた。
「あっ、こんにちは。チョコを引き取ってくださってありがとうございます。」
「よかったら、あがってチョコちゃんと少し遊んでいってあげてね。」
先生のおかあさんは笑顔で私をまねきいれてくれた。
「お茶でもどうぞ。」
「ありがとうございます。」
「おいしい♡」
「そうそう、よかったら、圭の小さい頃の写真見る?」
「かあさん、井上は俺の生徒で彼女じゃないんだから、迷惑だよ。」
「あっ、私、見たいな♡」
写真は赤ちゃんの頃から綺麗に貼られてあった。
「きゃはは、かわいい♡」
「何見てるんだよ!」
赤ちゃんの時のおちんちん丸出しの日光浴の写真を見て、私は、喜んでしまった。
先生は、真っ赤になっていた。
「遅くなったし、送っていくよ。」
私は、抱っこしていたチョコをおろして、先生と帰って行った。
帰りの車の中で、先生が心配そうに聞いてきた。
「井上、おまえ、クラスの女子の中でういてないか?」
「えーーー、そんなことないですよぉ。」
「そうか、それなら、いいんだが、井上は、へんに強がるからな...。」
「なんかあったら、何でも相談に来るんだぞ。」
「チョコが居た時のように毎日は会えないけど、いつでも、社会科準備室に来たらいいからな。」
「ありがとうございます。」