Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


最期の夜月


第二十八章

…本当に帰って来てくれた…とても安心感のある時間だった。私は彼が風呂へと入っている間、とても煙草が美味しいと感じていた。…肇さんが来てくれてからずっと煙草美味しいな…と感じざるを得ない時間を過ごしている様にも感じる。…肇さんが優しいからだろうか…そんな風にも感じる日々だ。煙草に集中して深く深く呼吸をする。…やはり煙草が美味しいと感じる、そんな時間だった。ぼんやりと煙草を吸っていると既に20分は経過していた様だ。彼は風呂を出たらしく、…「美月さーん!お風呂ありがとう!上がったよー!」と風呂場から声が聞こえてくる。…「はーい、おかえりー髪の毛乾かしちゃってねー」と私も声を掛けた。…「はぁーい!ありがとう!美月さん!」と髪の毛をタオルドライしながら戻って来た彼はやはり「美しい」と言える程に見惚れてしまいそうな色気があった。…「それじゃあ、お言葉に甘えて髪の毛乾かしてくるー!」と寝室へと向かって行った。…「はぁーい、どうぞー」と彼へと伝え、私は深呼吸するかの様に煙を思いっ切り吸い込んだ。…さて、私もお風呂入っちゃおうかな…と考えを風呂へと向け、煙草を消した。私も寝室へと向かい、…「お邪魔するよー」と声を掛け、…「はーい」と返事を貰い、…「私もシャワー入っちゃおうかな」と彼へと伝えた。…「お?美月さんもお風呂行く?」と聞かれ、…「そうだね、パパっと入っちゃおっかな」と答えた。…「私がシャワー終わったらまた一緒にハヤシライス作ろうか…あ、でもバイトで疲れちゃったかな?」と問うと、…「わーい!美月さんと料理したーい!」と笑いながら軽やかに言ってくれる彼がいた。…「じゃあ、少し待っててね」と伝え、私はパジャマを選び始める事にした。…さてと、今日は何を着ようかな…と考えをパジャマへと集中させ選んでいく。…これとこれでいっか…私はオーバーサイズの白の長Tに黒のダボっとしたパンツを選んでいた。…「肇さん、それじゃあ私もシャワー入って来るね」と彼へと伝え、…「いってらっしゃい」と返事を貰い、寝室を後にした。…さて、シャワーでさっぱりしよう…そんな考えで風呂へと向かい、私は風呂場へと入って行った。30分程は入っていただろうか…私はシャワーでさっぱりとして風呂場を後にした。肇さんは、テーブルへと腰を下ろしており何処かしらぼんやりとしている気がした。…「あ、美月さんおかえりなさい!」とふと現実へと戻って来たかの様に言葉にしていた。…「ただいま」私はそう答え、…「髪の毛乾かして来ちゃうね」と彼へと伝え、…「肇さん?煙草吸ってても良いからね?」とその後言葉を紡ぎ、…「ありがとう、美月さん、それじゃあ1本だけ吸わせて貰うね」と彼は言っていた。…「はーい」と私は返事をし、寝室へと向かう。ドライヤーをしようと思い、ドレッサーへと座った私の目に入って来た物は、カッターだった。…ん?…カッター?…と思い、…私の…じゃない気がする…と嫌な予感と共に、何となく血の付いた形跡がある事に気付き、…もしかして…とドライヤーどころでは無くなり、寝室から出て…「肇さん?…もしかしてだけど…リスカしてる?」と尋ねた。彼は小さな声で…「…あぁ…はい」と答えていた。これから、長い時間を掛け、彼の心の痛みに向き合おうとした私だ。時刻は17時半を廻る頃だった。

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2025/06/01 15:44
美月さん 大人とは言え 本当に肇さんのことを心配されていたのですね
他人だし まあ仕方ないか とドライにならないところに
人としての魅力を感じます
肇さんも辛い中なのに明るくふるまって
でも本当に美月さんに癒されて明るくなってきているのかもしれませんね

リスカと向き合うのは 難しいと聞きます
ガス抜きなので止めてはいけない
でもする側も受け止める側も 体と心の傷を目で再認識してしまうのは辛いですね

美月さんも肇さんも良い方へ向かいますように



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