Nicotto Town



【小説】先生を好きになってもいいですか?(改)⑤



【恋心】

チョコの事があって、水原先生と過ごす時間が増えていった。
水原先生と一緒の時間を過ごすようになって、私にとって水原先生は、先生以上の存在になっていった。

恋ーーーーーー?

そうだ。出会ったときから私にとって水原先生は特別な存在だった。

先生の笑顔が私の心を癒してくれる。
先生の言葉が私を元気づけてくれる。

先生に「好きです。」って言ったら、先生はどんな反応をするかな。

先生にとって、私はいち生徒にすぎないんだろうな...
たまたま、チョコのことがあって、一緒に居ることが多いだけで...

「井上?」
先生が不思議そうに私を呼んだ。
あっ、今は先生とチョコにえさをあげていたんだ。
「めずらしく無口だけど、腹でも壊したか?(笑)」
「先生、それひどくありませんか?私だって考え事くらいするんです!」
「ははは、今日の晩ご飯のおかずのことでも考えていたのか?」
「もう!本当に怒りますよ!水原先生!」
「元気にしてるほうが井上らしいぞ。」
先生に笑顔でそう言われると、なにも言えなくなる。
私は疑問に思ってたことを聞いてみた。
「先生は、チョコを自宅で飼おうとは思わないんですか?」
「できたらそうしたいんだけど、ペット禁止の1DKで独り暮らしなんだ。」
「そっか...うちは弟がアレルギーもちで無理なんですよね。」
「俺は、ここで井上とチョコの世話してるの好きだぞ。」

不意打ちの一言だった。

ーーーーー好き

いやいや、チョコの世話をしているのが好きで、私の事、好きって言ってくれたわけじゃないんだ。

「ん?井上、顔が赤いぞ。どうした?」
先生がいたずらぽく聞いてきた。
「何でもないです!」
先生は立ち上がって、
「遅くなったし、そろそろ帰るか?」
「また、明日な。井上。」

水原先生とのこの時間は、私にとって宝物だった。
そして、この時間がずっと続くと思っていた。




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