【小説】先生を好きになってもいいですか?(改)④
- カテゴリ:自作小説
- 2025/05/26 22:15:57
【美緒の誕生日】
5月ーーーーー
美緒の誕生日がある。
美緒が希望したプレゼントは、タイガースグッツ。
仲良しのちあきと松永さんと北原さんの3人では金銭的にきついのか、みんなでお祝いしたかったのか、残りのクラスメートの女子にも、一緒に誕生日プレゼントしようって誘ってきた。
私と中立の小林さんは、お金を渡したけど、深沢さんと智子と米ちゃんは、お金を渡さなかったようだ。
そのことを放課後、チョコにえさをあげながら、水原先生に愚痴った。
先生は呆れた顔で、
「おまえらのクラスの女子が仲良くないことは教師の間でも、うわさになってるけど、大変そうだな。」
私の愚痴は止まらなかった。
「ことあるごとに、北原さんと松永さんとちあきと美緒の4人で決めて、それを押し付けてくる感じなんですよね。」
「井上は、どうしたいんだ?」
「もともとは漫画描く趣味が同じ美緒と友達になりたかったんですけど、ちあきがいつもべったりで無理だったんですよね。」
「深沢さんと智子と米ちゃんとは友達のつもりなんですけど、3人とも一匹オオカミタイプで、誰かとつるむ感じじゃないし、休み時間ごとに一緒に居てくれるわけでもないし...。」
「小林さんとはちょっと話が合わないし...。」
「松永さんと北原さんは、苦手だし...。」
「孤独だーーーーーー」
「でも、男子生徒とは、よくしゃべってるじゃないか(笑)」
「そんなことないですよ~」
ワン!
「あー、チョコ、ごめんね。ほったらかしにした訳じゃないんだよ。」
水原先生は、私の頭をポンと叩いて
「愚痴くらいなら、いつでも聞いてやるから、元気だせ。」
そして、美緒の誕生日当日。
ちあき達と私も一緒にプレゼントを渡した。
「ありがとう」
の言葉はあったけど、それだけだった。
これをきっかけに、少しは仲良くなれるかなって期待していた私は、バカだった。