Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


最期の夜月

第二十七章

一緒にアイスを選びながら、…「これから段々暑い日も増えるんだろうね」と私は彼へと話し掛けていた。…「そうだね、美月さんは暑い季節好き?」と問われ、…「うーん、私は冬が好きかなぁ」と答えていた。…「へぇ、そうなんだね」と柔らかい表情で笑う彼がいた。…「肇さんは?どの季節が好き?」と私も聞いてみる事にした。…「僕は少し肌寒くなってくる頃の秋が好きかも知れない」…「そっかぁ、秋も良いよね」と答えつつ、…「溶けちゃう前にアイス食べよっか、でも先に片付けちゃおうか」と彼へと声を掛けた。…「そうだね、アイスもこんなにあるし」と笑ってくれていた。スーパーの袋から色々と食材を取り出し、冷蔵庫へと仕舞っていく。肇さんにも場所を確認して貰う為にも、…「これはここで、こういうのはここ」と言いながら片付けて行く。彼も真剣に聞いてくれている様に…「うん!まだ慣れないかもしれないけど、覚えられる様に頑張る!」と言ってくれていた。片付けも終わり、二人お互いに選んだアイスを食べる事になった。既に時刻は15時45分辺りだった。…「肇さんは何か飲む?」と聞くと、…「僕お白湯が良い!」と私の出していた白湯が気に入った様だった。…「そう?それじゃあ私もお白湯にしようかな」とケトルへと水を入れ、温まるのを待った。あっという間にケトルのお湯も沸き、白湯を作ろうとした時に、彼は…「ねね、美月さんお白湯ってどう作るの?教えて?」と彼が言っていた。…「私の作るお白湯は時期によって違うけど、今はお湯を少しとお水を入れるんだよ」と言って、彼へと伝えていた。…「ほーう、こんな風にして作るんだね」と白湯の作り方に興味津々な様子の彼である。…「僕も練習させてね!」とにこやかに笑う彼に、…「うん、勿論」と私は答えた。…「さ、お白湯も出来た事だしテーブル座って」と彼を促し、「あ、うん!」と嬉しそうに笑う彼に惹かれてしまいそうになる私がいた。…「アイス、美味しそうだね!」と満面の笑みで言ってくれる彼に、…「そうだね」と私もにこやかになる。…「さ、頂こうか」と彼を誘う。…「うん!」そうして二人の時間がゆったりと流れていく時間だった。二人して手を合わせ、…「頂きます」と言い合い、アイスを頬張った。…「美味しいねぇ」とお互いに言い合い、アイスの甘さと会話の甘さが絡み合う時間。…心地良いなぁ…としみじみ感じながら食べるアイスは別格だった。15分程かけて二人でアイスを堪能しつつ、…「肇さん、お風呂先に入っちゃう?」と聞くと、…「え?良いの?」と返事が返って来た。…「全然良いよ」と私は言い、…「私はこれ、堪能しておくから」と煙草を持ってゆらゆらと彼へと見せた。…「ははは、美月さんらしいや」と笑いながら、…「それじゃあお先にお風呂頂いても良いかな?」と聞く彼に、…「行っておいで」と風呂へと行って貰う事にした。…「ありがとう、それじゃあお風呂頂いちゃいます!」と彼は言い、…「あ、今日はシャワーにするね」と彼は言っていた。…「はーい、分かったよー」と私も返事をし、彼は寝室へと向かっていた。私は煙草を取り出し、火を点け深く深く呼吸をした。…煙草美味しいなぁ…肇さんとこの先も一緒に居られたら良いのになぁ…と少しばかり「欲」が出て来ていた私がいた。彼は寝室から黒のジャージを持って出て来て…「それじゃあ美月さんゆっくり煙草楽しんでね!僕、シャワー頂いてきます!」と風呂場へと向かう彼に煙草をふかしつつ…「うん、行ってらっしゃい」と声を掛けた。

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2025/06/01 15:32
白湯とアイス 意外な組み合わせだと思ったのですが
アイスと珈琲よりもお洒落で健康を気遣う大人な気がしました
おやつのご褒美の後は お風呂かタバコ
これも大人の余裕でほんとすてきです
こんな贅沢が二人の辛さなどを溶かしてくれますように
と 願いつつ 読ませてもらっています(*・ω・)*_ _)ペコリ



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