Nicotto Town



【小説】先生を好きになってもいいですか?(改)③



【チョコ】

4月――――

米ちゃん(米田乃愛)がテニス部だったから、私は覗きに行くことにした。
テニスコートは十字塔の裏にあった。

十字塔は名前の通り十字の形に教室が並んでいる校舎だ。
そこは、主に特別教室が入っているが、理数系のクラスは十字塔の一階に入っている。
普通の教室が入っている校舎に空き教室がなかったためだ。

テニスコートに行く途中で、十字塔の建物の空洞を見ながら何かをしてる水原先生を見かけた。

私は水原先生の後ろから声をかけた。
「水原先生。なにしてるんですか?」
先生はびっくりして振り向いた。
まるで、いたずらしてるのが、みつかった子供のように、
「ああ、井上か...。」
ワン!
「あーーー仔犬だ♡かわいい♡」
水原先生は仔犬にえさをあげていた。
「えさやってたこと、内緒にしてくれないか?」
「おこられるから。」
気まずそうな笑顔でお願いしてくる先生。
全然、教師らしくない(笑)
「だっこしてもいいですか?」
水原先生は、そっと、仔犬を抱かせてくれた。
仔犬は、私の顔をペロっと舐めた。
「かわいい♡」
水原先生はやさしい顔で見ていた。
「明日から、私もえさあげに来てもいいですか?」
「そうしたら、共犯ということで仔犬のことは内緒にしておきます。」
先生はちょっと困った顔で頭をかきながら、
「まあ、井上ならいいか。」
「でも、くれぐれも内緒だぞ!」
念を押してくる先生、やっぱり、かわいい♡
私より10歳も年上に見えない(笑)
「ねえ、先生、このワンちゃん、名前あるんですか?」
「----北淀犬」
「えーーーーーっ!可愛くない!!」
私は仔犬を抱きながら、
「もっと、かわいい名前がいいよね。」
私は、はりきって名前を考えた。
「そうだ♡チョコちゃん♡茶色い仔だし、いいでしょ?」
先生はわらいながら、
「いいね。」
「おまえは、今日からチョコだぞ。」

水原先生と私のふたりだけの秘密♡




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