農家人口は毎年減少する
- カテゴリ:日記
- 2025/05/14 09:50:25
農家人口を2000年を基準にしてみると、現在はその3分の1ほどまで激減している。なお農家は、稲作、畑作、野菜、果樹類、畜産となっているが、米に注目してみると生産額は農家総額の15%ほどである。どう考えても親が子どもに後を継いでくれとは言い難い数値だ。自分も親から後を継いでくれとも言われなかったし、米作りでは小遣いにもならなかったので、会社に就職して給料をもらっていたが、親の晩年には自分の給料で税金を払うことになっていた。おそらく就職しなかったら、税金が払えなかったことは確かだ。そして今は、厚生年金で農地の固定資産税を引き続き払う羽目になっている。農地は、要らないのだが農地法で手放すことが出来ないのも最悪である。
ここで近い将来に起きるであろう大問題が見える。今の農家人口で縁の下の力持ちになってくれているのは、70代の団塊の世代だろう。80才を過ぎて田んぼの仕事ができる人はほとんどいないはずだ。その代わりに子どもが引き継いで行けるなら心配もないが、子どもはほとんど会社員となっていると推測する。つまり数年後には、米の生産量が激減すると予想できる。主食米を飼料米や他作物への転作を勧めるのも良いが、現状を把握していかないと近い将来は大変なことになる。結局輸入米の促進になることは明白だが、それで良いのだろうか。
我が地元の田んぼの持ち主たちは、親がすでに他界しているのだが、米作りを引き継いた者は一人もいないのであるが、全国的にも廃業傾向は変わらないと考える。
それからコメ不足を現役農家へ生産拡大を求めるのも無理がある。当然に人手は減るのだが、空いている田んぼがたくさんあるわけではない、常に水を入れておいた田んぼでしか翌年も生産は出来ない。たとえば休耕田があったとしても、田植えが出来るまでには3~5年はかかると考える。ただ休耕田もそんなに余っているはずが無いだろう、少なくともこれからの農家人口で将来2~3倍の生産なんて不可能だ。備蓄米なんかでは焼け石に水の時代がやって来る。
さて最近は、米の値段ばかり気になるが、米には飼料用もあり、農家は主食用に切り替えているという話がある。そうすると家畜のエサの飼料米が高騰して、肉や卵の値段に影響が出ないとも限らない。おそらくトウモロコシや飼料米は輸入に頼っていると思われるが、関税がかかれば安くすることにも限界があると考える。だから飲食店で食べ放題や大盛りのメニューが目を引くが、その反面倒産件数も増えているという現状もある。
ところで、ここにきてコメの平均価格が19円下がったと喜んでいるが、少し安い備蓄米が並び始めたということだろう。平均価格とは、売れたコメの価格だろうから、安い備蓄米は売れやすいということかもしれない。だから高いコメは高いまま並んでいるのではないだろうか。微々たる備蓄米が売り切れれば、自然と平均価格は上がるだろう。決して高いコメを安くすることはプライドが許さない。物価高の折、消費者は高いものを敬遠するだけである、だから安いものは売り切れるということだ。
今日は、早朝から薪回収に行ってきたり、サクランボの収穫をしたり、1日外仕事で喉が渇いたので、缶ビールと冷奴を買いにスーパーへ行った。コメコーナーを見ると備蓄米が完璧に売り切れていて無くなっていた、下の棚には税込み5,000円超のあきたこまちが横いっぱいに並んでいた。要するに安いコメは売り切れるのである、だから備蓄米が底を突けば高いコメだけが店頭に残ると言うことだ。そして今後の心配は、備蓄米の買戻しをしない方針なので、裏を返せば今年の新米が買い占めされれば、安くなることは無いということだ。結局輸入米に頼るしかなくなる。