最期の夜月
- カテゴリ:自作小説
- 2025/03/17 09:06:49
第十章
キッチンへと戻り、私も煙草でも吸おうと火を点け始めた頃、レンジから牛乳が温まった様子の音が鳴っていた。…あっという間に温まったのかと咥え煙草の私は、二人分のカフェオレを作り始めた。…私もコーヒーには砂糖入れないんだよな…と考えつつ、彼へと…「肇さん?コーヒーは何杯入れる?」と尋ねた。…「あ、僕コーヒー2杯位が好き」とふんわりと微笑む。…気を抜いたら彼に見惚れてしまいそうだ…なんて事を考えながら、…「りょーかい」…取り敢えずは、彼の分だけ作ってしまおう、とインスタントコーヒーを2杯入れ、温まった牛乳を注ぐ。そんな時に…「美月さんも一緒に飲みましょ」と彼からの提案を受け、…「そう?」と聞く。…「うん…僕の我儘かもしれないけど、美月さんと一緒に飲みたい…」そんな風に言ってくれた。私は、…「分かった、少し待っててね」と伝え、私の分のコーヒーも作り始めた。二人分のカフェオレを作り終え、ソファへと向かう。
私は…「どうぞ」と彼へとマグカップを渡す。…「ありがとうございます」とにこやかに笑う彼に対し、私も微笑んでみせた。私は彼と少しばかり距離を取り、私はソファの下へと座った。煙の中で、肇さんと二人の時間が流れ始める。…「ねぇ、美月さん…僕、この先どうしたら良いんだろう…」とぽつりと小さく彼は呟いた。…「そうだねぇ…肇さんは実家とかには戻れないの?」と私は彼へと問う。…「うーん…僕、家族からは嫌われてるんだよね…」と悲しそうな眼をしてベランダの方を見ていた。…「そっかぁ…辛いね…」彼の悲しそうな顔が数分続く中、私は…少し、居候でもして貰おうかな…とふんわりと考えていた。…「ちょっと失礼な事聞いちゃうけど、肇さんは一人で暮らせる経済的な面はある?」と尋ねる事にした。彼はほんの少し、眼の中に影を落としながら…「うん…一応、一人で暮らせる、かな…」と言葉を紡いでいた。…「そっか、それなら…肇さんが良ければ、だよ?…肇さんのお家が見つかる迄の間、私のお家に居候でも…どうかな?」と伝える事となった。…「えっ?…そんな迷惑掛けちゃうよ…」と彼は言っていた。…「そんな事ないよ」と私は笑ってみせた。…「…ほんと…?」と、とても申し訳なさそうに彼は私へと不安気な目を向けた。…「うん、全っ然大丈夫だよ、私はね」と彼へと伝えた。…「そ、それじゃあ…僕のお家が見つかる迄の間…美月さんが嫌じゃなければ家事とかしてても良い?」と彼は私へと聞く。…「嫌な事思い出させちゃうかもしれないけど、このマンションにいる事は、大丈夫そう…?」と私は聞く事にした。…「…うん、もう彼氏と会う事はないと思うから…」昨夜の事を思い出すかの様に、瞳に涙を溜め込み始めている彼がいた。…「大丈夫…?本当に?」と私は聞く。彼は抑える事の出来ない涙を流しながら、無理矢理な笑顔で…「うん」と答えてくれていた。
甘くない優しい癒しってありますよね
元彼にまだ気持ちが残ってる時でしょうし 辛いですよね
こんな時に力になれる美月さんほんとすごいです