【小説】 初恋 その⑧ 2学期
- カテゴリ:自作小説
- 2025/03/08 17:19:17
――――3年5組
今日から2学期だ。
「おはよう。星野。」
中山君が教室で挨拶してきたーーーーーーー
はじめてだったから、びっくりした。
「おはよう。中山君。」
私は思わず、じっと、中山君の顔を見てしまった。
「ねえ、熱でもあるの?教室で話しかけてくるなんて、はじめてじゃない?」
「別に挨拶くらいしてもいいだろ。」
少し赤くなって中山君が怒る。
「あっ、夏祭りのときのクマのぬいぐるみ!カバンにつけてるのか?」
なんか、中山君、嬉しそうだった。
「もしかして、俺のこと好きになったとか?」
私はぷいと横を向いて、
「クマのぬいぐるみが可愛いから、つけてるだけです。」
――――学級会
「そろそろ、修学旅行なので、部屋と飯盒炊飯のグループ分けと、キャンプファイヤーの出し物を決めたいと思います。」
部屋は人数の関係で、ちょっともめたけど、私とあっちんが、ちがうグループに入ることでおさまった。
飯盒炊飯のグループは、男女混合で作るように言われたので、中山君が、
「星野ーーー!俺らと組めへんか?」
って誘ってくれたので、一緒に飯盒炊飯することになった。
ラッキー♡
キャンプファイヤーの出し物は、中山君が
「絶対、西城秀樹のヤングマンがいい!」
って言って、
「古ーーーー」
とか言われたけど、中山君の人徳もあって、ヤングマンに決まった。
修学旅行楽しみ♡
――――修学旅行
あいにくの天気で飯盒炊飯は中止になった。
すごく、残念ーー;
すごく、楽しみにしてたのに...。
でも、夜には晴れて、キャンプファイヤーは無事出来た。
うれしそうに歌って踊っている中山君に私はくぎ付けだった。
夜のお土産買いタイム。
お店で中山君たちと遭遇して、一緒にお土産を選んだ。
「この日本人形どうや?」
って中山君が勧めてくる。
「なんか、星野に似てないか?」
嬉しいような嬉しくないような...。
「私、日本人形、なんか怖くて苦手なんだよね。」
「それより、このタヌキの置物、中山君にそっくり♡」
周りを見回すと友達たちがいなくなってた。
中山君は、私が勧めた(?)タヌキの置物を買っていた。
2泊3日の修学旅行、楽しく終わった。
帰り際、中山君が例のタヌキの置物を私にくれた。
修学旅行も終わり、次は文化祭だった。
――――文化祭の準備
私たちのクラスは出し物として、劇を希望したけど、舞台の時間の関係で展示になった。
みんな、やる気失くして、適当にイラスト展に決まった。
でも、イラストも集まらないし、部屋の装飾も決まらない...。
漫画描くのが趣味の私と、同じようにイラスト描くのが好きな友達とで、何枚かは描いたけど...。
イラストを描きながら、文化祭、私が何とかしなきゃって、へんな使命感を持ってしまった。
一緒にイラスト描いてくれた友達も協力してくれたけど、部屋の装飾が決まらない。
途方に暮れてると、中山君たちが、模造紙いっぱい持ってきた。
「俺らも手伝うからがんばろう^^」
手際よく壁に模造紙を張り付けていく中山君たち。
そこにイラストを貼っていく。
見栄えがよかった。
そうこうしてると、何人かの女子が来て、教室の空スペースにゲームコーナーを作ってくれた。
「中山君がうるさく言うから、仕方なく手伝ってあげる。」
文化祭前日は遅くまで、準備をした。
なんとか、かたちになった教室を見て、ホッとした。
なんか、いつも困ってると私のことを助けてくれる中山君。
クラス替えしたときに、一目惚れしたけど、今はあの時と比べものにならないくらい、大好き。
私みたいにさえない子のこと、構ってくれて、夏祭りのときなんて、デートしてるみたに接してくれて、飯盒炊爨誘ってくれたり、今日だって、文化祭の準備、助けてくれた。
私、うぬぼれてもいいのかな...。