【小説】 初恋 その⑤ タバコ
- カテゴリ:日記
- 2025/03/08 10:12:34
――――放課後遅く
私はいつものごとく、中山君とわちゃわちゃしてた。
そうしたら、中山君が思い出したように、
「今日の数学の宿題のプリント、7組、もう終わってたよな。答え写させて。」
って、7組の笹野君に言った。
「あーーーっ!」
私は思わず叫んだ。
「私、教室の机にプリント入れっぱなしだ。」
「取ってこなくっちゃ。」
私が教室に行こうとすると、中山君が、
「今から、行くのか?」
って声かけてきたけど、私はそのまま教室に急いだ。
教室のドアを開けると
「うっ、煙い!」
クラスメートの男子が教室でタバコを吸っていた。
やば!変なとこに出くわしちゃったよぉ(泣)
「あっ!星野!」
「やばっ!」
男子は私の前まで来て、
「俺らがタバコ吸ってたこと黙っとけよ!」
って言ってきた。
私も「はい」って答えとけばいいものを
「いけないんだ!タバコなんか吸って!」
「先生に報告するからね!」
って言っちゃったんだよね。
「なんだと!」
ひとりの男子がなぐりっかて来た!
やばい!
...ん?
いつ来たのか、中山君がその殴ろうとした手を止めてくれていた。
「おまえら、教室でタバコ吸って、見つかったからって、殴ろうとするなんて、最低だな!」
男子の一人が言った。
「げっ!中山だ。」
「こいつには、逆らわないのが賢明だ!」
「わかってんだった、さっさと帰れ!」
男子たちは、何も言わず、逃げるように帰って行った。
「あいつら、今くらいによく、教室でタバコ吸ってんだよ。」
「おまえが教室行くっていうから来てみて、正解だぜ。」
私はまだ、震えが止まらなかった。
「おまえ、弱いくせに、正義感だけは強いからな。」
中山君は私の顔を覗き込んで、
「もう、大丈夫だから、みんなとさっさと帰れ。」
「...ありがとう」
そう言うのが精一杯だった。
その次の日、タバコを吸っていた3人は3日間の停学処分になっていた。

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- るんるん
- 2025/03/08 11:35
- その5から始まったの??
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