【小説】ガラスの少女 その⑥ 別れの予感
- カテゴリ:日記
- 2025/03/01 22:44:59
――――3年10組
今日も看板係しなきゃ...
伊藤さん、いないけど、どうしたのかしら?
浩平は生徒会の仕事だって言ってたし...
看板の方は、1年生が頑張ってくれてました。
6時過ぎたころ、応援団の練習が終わったみたいで、愛里ちゃんが様子を見に来てくれました。
「湖桃先輩、こんばんは♡」
「愛里ちゃん、こんばんは。」
看板係の1年生が愛里ちゃんに話しかけていました。
「平松だ。様子見に来たのか?俺らちゃんとしてるぞ。」
愛里ちゃんが不思議そうに聞いてきました。
「ん?3年生、湖桃先輩だけ?」
あとから、入ってきた大地君が、言いました。
「湖桃以外の3年生は看板係放棄したんだよ。」
「高橋先輩!」
「リーダーは伊藤真奈美だったんだけどな。」
「伊藤さんって女性だったんだ。」
「もしかして、伊藤さんって、湖桃先輩をいじめてたグループで梶先輩が好きだっていう人?」
「平松、おまえ、勘がいいな。」
大地君と愛里ちゃんがそんなことをひそひそ話をしていると、浩平が教室に戻ってきた。伊藤さんと仲良さそうに...
愛里ちゃんは大地君に浩平のこと叩いていいかきいて、
ためらいなく、浩平を叩きました。
「それも湖桃先輩を守るための行動ですか?なにか違うんじゃないですか!」
「愛里ちゃん...」
伊藤さんは愛里ちゃんのことを知ってたみたいで、嫌味を言ってきました。
「あなた、梶君のこと追いかけていた1年生ね。」
「こんなとこまで追いかけてきたのかしら(クスッ」
愛里ちゃんは負けることなく言い返していました。
「伊藤先輩、看板係放棄して、梶先輩に媚び売って最低です!」
「伊藤、おまえの負けだ。さっさとひとりで帰れ!」
大地君が助け舟を出していました。
伊藤さんは、ぷいとして無言で帰っていきました。
震えてた私を愛里ちゃんの友達が支えてくれてました。
「愛里ちゃん。ごめん。」
浩平が愛里ちゃんに謝っていました。
愛里ちゃんは冷たく浩平にこう言い返していました。
「謝る相手がちがうんじゃないですか?」
浩平は何もいいませんでした。
「今日は、看板係もこのへんにして帰るか。」
そうして。大地君は、私と浩平に話があるから残るように言って、みんなを帰しました。
伊藤さんに対して、新鮮な感想、ありがとうございます。
ただの悪役だと思っていたので反省、反省。
きちんとお話聞いて、負けたフリしてくれる伊藤さん、根はイイ人♡
私が伊藤さんの立場なら、腕組んで舌出して「べぇ」って遊んでそう笑
恋に恋してなければ、だけども…笑