Nicotto Town



【小説】浩平の恋 その⑦ 別れ



大地の言葉が頭から離れない。
『おまえには、荷が重いだろう。』

――――3年10組放課後

湖桃は1年生たちと上手く看板係をしている。
僕は安心して、生徒会室に仕事をしに行った。

――――生徒会室

生徒会室に伊藤さんが来て言った。
「梶君、お仕事手伝うわ。」
僕は、湖桃のところで、看板係をしてもらうより、湖桃に近づけないようにしたほうが、いいと思ったし、僕が断ると、また、湖桃に何かするのではないかと心配で、手伝ってもらうことにした。

――――3年10組

僕と伊藤さんが一緒に教室に戻ると、大地と愛里ちゃんたちが居た。
愛里ちゃんはいきなり僕のほほを叩いた。
「それも、湖桃先輩を守るための行動ですか?何か違うんじゃないですか?!」
愛里ちゃんと伊藤さんが言い合いになったけど、大地の一言で、伊藤さんは帰って行った。

大地は何かを決心したように、僕と湖桃に話があるっていって引き留めた。
愛里ちゃんも戻ってきて4人で話すことになった。
大地の一言は衝撃的な言葉だった。

「梶、おまえ、湖桃のこと守れないなら、別れろよ。」

「私も梶先輩が湖桃先輩を悲しませてるように見えます。」
愛里ちゃんの追い打ちをかける言葉だった。

泣いて別れを嫌がる湖桃...

大地の屋上での言葉が頭をよぎる
『おまえには、荷が重いだろ。』

僕では湖桃守ってやれない...
湖桃を笑顔にしてやれない...


「湖桃...別れよう...」
僕はぼそっと言った。

泣き叫ぶ湖桃...

「もう、湖桃のことを送ってやれない。」
「大地、湖桃のことを頼んでもいいか?」

「わかった。」




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