【小説】浩平の恋 その⑤ 強迫性障害
- カテゴリ:自作小説
- 2025/02/27 20:59:49
大地は愛里ちゃんとやよいちゃんを連れて帰った。
「湖桃、、僕たちも帰ろうか?」
僕は出来る限り、優しく微笑んだ。
でも、湖桃は、下を向いたまま黙っていた。
僕はかがんで下から湖桃の顔を覗き込んだ。
「湖桃、ごめんな。看板係決める時、大地や浅倉さんのように助け舟出してやれなくって。」
湖桃は首を横に振って、
「私が断れなかったのが悪いの...」
どうして、湖桃はこんなに自分の意見を言えないんだろ...
転校して来たときも、普通の会話もできなくって、ひとりぼっちになった。
僕と話してくれるようになるまでも、時間がっかったな...
前の学校でもいじめにあって、それで転校して来たんだよな。
考え込んでいる僕をきにして、湖桃が声をかけてきた。
「浩平...?」
「ん?ごめん、ごめん。帰ろうか。」
――――帰り道
めすらしく湖桃が前の学校のこと話してきた。
「前の学校では友達がいたの...」
「私のこと気にかけてくれて、いつも、励ましてくれてたの。」
「でもね、ある日、私がいじめられてる人達に、お手洗いでホースで水かけられたことがあったの。」
「そのとき、その子もいたの...いじめてるグループの人のところに...」
「それから、誰も信じられなくなったの。」
「ドラマなんかよくある話よね。」
「新しい学校...S校に来ても、人が怖かったの。」
「なにもしゃべれないくらい...」
「おかしいよね。」
「浩平は、そんな私にずっと話かけてくれてた。」
「恐々、返事をしたら、浩平はとっても優しかった。」
湖桃はしばらく考え込んで、こう言った。
「私、強迫性障害なの。」
突然の告白に僕は驚いた。
精神的な病気だということはわかるけど、どんな症状なのか、どうしてあげたらいいのか、なんてわからなかった。
ただ黙って、湖桃の手を強く握りしめていた。
どうなるんだろうね^^;;
どきどき