Nicotto Town



【小説】浩平の恋 その⑤ 強迫性障害


大地は愛里ちゃんとやよいちゃんを連れて帰った。

「湖桃、、僕たちも帰ろうか?」
僕は出来る限り、優しく微笑んだ。
でも、湖桃は、下を向いたまま黙っていた。
僕はかがんで下から湖桃の顔を覗き込んだ。
「湖桃、ごめんな。看板係決める時、大地や浅倉さんのように助け舟出してやれなくって。」
湖桃は首を横に振って、
「私が断れなかったのが悪いの...」
どうして、湖桃はこんなに自分の意見を言えないんだろ...
転校して来たときも、普通の会話もできなくって、ひとりぼっちになった。
僕と話してくれるようになるまでも、時間がっかったな...
前の学校でもいじめにあって、それで転校して来たんだよな。
考え込んでいる僕をきにして、湖桃が声をかけてきた。
「浩平...?」
「ん?ごめん、ごめん。帰ろうか。」

――――帰り道

めすらしく湖桃が前の学校のこと話してきた。
「前の学校では友達がいたの...」
「私のこと気にかけてくれて、いつも、励ましてくれてたの。」
「でもね、ある日、私がいじめられてる人達に、お手洗いでホースで水かけられたことがあったの。」
「そのとき、その子もいたの...いじめてるグループの人のところに...」
「それから、誰も信じられなくなったの。」
「ドラマなんかよくある話よね。」
「新しい学校...S校に来ても、人が怖かったの。」
「なにもしゃべれないくらい...」
「おかしいよね。」
「浩平は、そんな私にずっと話かけてくれてた。」
「恐々、返事をしたら、浩平はとっても優しかった。」
湖桃はしばらく考え込んで、こう言った。
「私、強迫性障害なの。」
突然の告白に僕は驚いた。
精神的な病気だということはわかるけど、どんな症状なのか、どうしてあげたらいいのか、なんてわからなかった。
ただ黙って、湖桃の手を強く握りしめていた。

アバター
2025/02/28 19:56
> 裸の悪乃娘豚人間さん
どうなるんだろうね^^;;
アバター
2025/02/28 13:02
どうなるんだろう
どきどき



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