【小説】愛里の恋2 その㉒ 愛里
- カテゴリ:自作小説
- 2025/02/24 17:27:22
――――次の日
――――愛里の家
「ねえ、ねえ、ママ。先輩のお見舞いに行くの。こんな格好でいいのかな?」
ママは上着と同じ色の帽子をかぶらせながら、
「かわいいわよ。まるでデートに行くみたいね(クスッ)。」
ママに、ちょっとからかわれちゃった。
1時半、高橋先輩が迎えに来てくれた。
「こんにちは。」
高橋先輩の私服姿、はじめて見る。
かっこいい♡
「こんにちは。高橋先輩♡」
「平松、制服姿もかわいいけど、私服姿は一段とかわいいな。」
なんか高橋先輩の言いそうにない、歯の浮く台詞だった。
「じゃ、ママ。行ってきます。」
――――行き道
「あっ、高橋先輩。お花買って行こう♡」
「カスミソウとピンクのバラください。」
高橋先輩は、何か言いたげに、私の顔を覗き込んだ。
「どうかしたんですか?高橋先輩。」
高橋先輩は、はにかみながら、
「なあ、俺たち付き合ってるんだよな?」
そういって、手をつないできた。
私はびっくりしたけど、嬉しかった。
でも、やっぱり、高橋先輩のキャラじゃないって思って笑ちゃった。
「なに笑ってるんだよ。(テレ)」
私たちは、手をつないだまま病室までいっちゃった。
――――病室
「こんにちは。湖桃先輩♡」
「湖桃、調子はどうだ?」
「あら、愛里ちゃん、大地君、いらっしゃい。」
とても穏やかな顔の湖桃先輩私たちを迎えてくれた。
梶先輩もお見舞いに来てた。
梶先輩は、目ざとく、私と高橋先輩が手を繋いでるのを見つけた。
「大地、いつの間に愛里ちゃんと手をつなぐ仲になったんだ?」
私は慌てて高橋先輩の手を離した。
「愛里ちゃん、おめでとう。」
「大地君、よかったわね。」
「内緒だけど、大地君、ずっと、愛里ちゃんのこと好きだったのよ。」
私は高橋先輩の顔を見直した。
高橋先輩は赤くなって、横を向いた。
「大地君、愛里ちゃん、私、来週退院することになったの。」
「わあ。おめでとうございます。」
湖桃先輩は話を続けた。
「それでね、お父さんとお母さんと浩平と何回も話し合って、退院後はね...」
「今の学校に戻ることにしたの。」
「湖桃、大丈夫なのか?」
高橋先輩が心配して聞いた。
「どこに行っても、ついて回ると思うの。」
そういいながら、切った手首を見つめる湖桃先輩...
「今度こそ、僕が湖桃を守るって約束したんだ。」
梶先輩が真剣な顔で言った。
「浩平と居たいって言うわがままを聞いてもらったの。」
湖桃先輩は、嬉しそうに言った。
「頑張れよ!湖桃。梶。」
「なあ、ところで大地は、愛里ちゃんのこと、なんて呼んでるんだ?」
「まさか、まだ、平松呼びじゃないよな。」
梶先輩が冷やかすように言ってきた。
「呼び方なんて、なんだっていいだろ!」
高橋先輩は、ちょっとむすっとした。
湖桃先輩が私に聞いてきた。
「まさか、愛里ちゃんも高橋先輩呼び?」
私は無言でうなずいた。
「あらら。」
「愛里ちゃん。大地君、私お見舞いに二人が名前で呼び合ってるとも見たい♡」
えーーーーーーーーーーーっ!
高橋先輩は目をそらしながら
「愛里」
って呼んでくれた。
「ダメダメ、ちゃんと愛里ちゃんの顔見て呼んで。」
楽しんでません?湖桃先輩。
高橋先輩は、今度は私の顔を見て
「愛里」って呼んでくれた。
私は、真っ赤になって、泣いちゃった。
私は高橋先輩の袖をつまんで、小声で、
「大地君」
って呼んだ。
END
やっぱり、ハッピーエンドがいいよね(ू•ᴗ•ू❁)
ハッピーエンドの好きな夢香です(ू•ᴗ•ू❁)