最期の夜月
- カテゴリ:自作小説
- 2025/02/18 20:37:21
第二章
「ハジメ」さんを部屋へと迎え入れた私は、…「大丈夫ですか」と声を掛けつつ、取り敢えずソファへと横になって貰う事にした。フラフラと歩く「ハジメ」さんを見ながら、…「ゆっくり歩いて下さいね」と、傍に寄り添いつつ、ソファへとゆっくりと座って貰った。…「横になれるなら横になって居て下さい」そう彼へと伝えつつ、…「白湯入れるんで待ってて下さいね」と告げ、私も寒くなって来ていた為、暖房へと室温を上げた。「ハジメ」さんは…「ありがとうございます」と私へと感謝の言葉を小さく漏らし、ゆっくりではあるが、ソファへと横になってくれた。…「いえいえ」」と私は返事を返しつつ、ケトルでお湯を沸かしながら、解熱剤を準備し「ハジメ」さんに飲んで貰えるものと、簡単な食事…と言っても何もない気がしてならない儘、…あ、そうだ昼食にカロリーメイトを買っていた…と思い出し、…確か残ってたような気がしていて、通勤バックを確認した。通勤バックには2パック入っている残り物の、1パックを取り出し、出来上がってきた白湯と解熱剤とカロリーメイトを準備した。
…兎に角、温かいものを飲んで貰おうと思い、…「ハジメさん、白湯飲んで少し温まって下さい」…「あーありがとうごさいます」…とほんの少し身体を起こしてくれた「ハジメ」さんに、…「白湯です、どうぞ」と伝え渡すと、彼は白湯をゆっくりと飲み始めた。私は…「お腹空いてますか?」と尋ね、「んっと、お腹空いてるかは良く分からないです」と答えてくれた。…「もし良ければなんですけど、カロリーメイト位は食べれそうですか?」と尋ねた。彼はぼんやりと考えながら…「カロリーメイト…」と小さく呟きながら、「…それなら少しですけど、食べれそうな気がします」…と帰ってきた返事に安心感を抱いた私は、…「ハジメさんのペースで良いんで、ここに置いておくので、食べてから解熱剤飲みましょ」私は彼があまり動かなくても良い距離に白湯、解熱剤、カロリーメイトを置いた。
…「ありがとうございます…」…「いえいえ、とんでもないですよ」と、少しばかり彼を観察してみる事に専念した。私は煙草に火を点けキッチンで彼をぼんやりと眺めていた。彼は本当にゆっくりとゆっくりと白湯を飲み、…「頂いちゃっていいんですか?」とカロリーメイトの事を私へと尋ねた。
…「…勿論良いですよ、ゆっくり食べれるだけ食べてみてくださいね」と告げると、…「ありがとうごさいます…それじゃあ頂きます…」とすんなりと小さく小さく一口ずつしっかりと味わう様に食べ始めた。
…「美味しいです、ありがとうございます」と意識も朦朧としているであろう中、そう言った。
「それは良かったです」と答え、…「飲めそうなら解熱剤も飲んで下さいね」と私は伝え…「あ…はい、ありがとうございます」と返事を頂いた。