【小説】愛里の恋2 その⑨ 3年10組の教室2
- カテゴリ:自作小説
- 2025/02/17 15:47:24
ガラッ
私はいったん出た教室に戻った。
「平松!」
「愛里ちゃん」
「愛里ちゃん」
3人が私の方に振り向いた。
「平松、帰れって言ったよな!」
高橋先輩が冷たく言った。
「まって、私、愛里ちゃんにいて欲しい。」
湖桃先輩そう言ってくれたから、私も残る事が出来た。
「平松、残ってても気持ちのいい話じゃないぞ。」
私は黙ってうなずいた。
「梶、おまえ湖桃のこと守れないなら、別れろよ。」
高橋先輩の衝撃の一言だった。
でも...
「私もそう思います。梶先輩が湖桃先輩を悲しませてるように見えます。」
「ん?おまえ梶と湖桃別れさして自分が梶と付き合おうとか思ってないか?」
「高橋先輩。私、怒りますよ!」
「愛里ちゃん、それでも私は浩平が好きなの。」
胡桃先輩が祈るようにつぶやいた。
「湖桃先輩...」
「どうして、梶先輩は、湖桃先輩を守らないんですか?!」
梶先輩は黙ってうつむくだけだった。
「こいつ、自分が傷つきたくないだけなんだよ。」
「誰にも、嫌われたくないんだよ。」
友達とは思えない冷たい言葉だった。
「だから、誰に対しても怒れないんだよ。」
高橋先輩の言葉に湖桃先輩は必死に反論した。
「でも、私の机に落書きされたとき、落書きした人を怒鳴ってくれました!」
「あれで、怒鳴るのが怖くなったんだよな?梶は。」
「僕は...大地や愛里ちゃんのように人を怒鳴れないんだ。」
「怒鳴らない...それは、梶先輩のいいところだと思っています。」
「そんな梶先輩だから私も好きになりました。」
「でも、違うよな。」
高橋先輩はこれでもかっていうほど、梶先輩を追い詰める...
「湖桃をかばうと、さらに湖桃がいじめられる。」
「だからって、湖桃をいじめてる奴と、なかよくするか?!」
「高橋先輩、もしかして湖桃先輩のこと好きなんですか?」
「恋愛感情はないけど、ほっとけないだろ!」
湖桃先輩は、泣きながら、
「今のままでいいんです。二人でいる時の浩平は、本当に優しいんです。」
「湖桃...別れよう...」
梶先輩がぼそっと言った。
「浩平!どうして?私は今のままでいいのよ!」
湖桃先輩は半狂乱していた。
「悪い...そういうことだから、もう、送ってやれない。」
「大地、湖桃の事、頼んでいいか?」
「わかった。」
「平松、帰るぞ!」
高橋先輩が私のことを呼んだけど、
「私、梶先輩といます。」
「そうか。平松、梶の事、頼んだぞ。」
高橋先輩は湖桃先輩を連れて帰っていった。
教室には、私と梶先輩だけになった。
なんかね、考えてたお話と違うように進んでいっちゃってるの。
どうなるか、私も楽しみ♡
意外の発展だ!!!
次回もっと、もっと楽しみにします♡