【小説】愛里の恋2 その⑧ 3年10組の教室
- カテゴリ:自作小説
- 2025/02/17 15:38:38
――――3年10組の教室
「湖桃先輩!こんばんは。」
「あっ、愛里ちゃん。こんばんは。」
今日の湖桃先輩、笑ってる。よかった♡
「平松だ。様子見に来たのか?俺らちゃんとしてるぞ。」
クラスメートの看板係もちゃんと来てて一安心♡
「ん?3年生、湖桃先輩だけ?」
私が不振に思い聞くと、後ろから声がした。
「湖桃以外の3年生は看板係放棄したんだよ。」
「高橋先輩。」
「リーダーは伊藤真奈美だったんだけどな。」
ん?伊藤先輩って女性だったんだ。
あーーーーーーーーーっ!
「もしかして、伊藤先輩って湖桃先輩をいじめてたグループで梶先輩のこと好きだっていう人?」
私は小声で聞いた。
「平松、おまえ、勘いいな。」
「愛里ーーーーーー!」
やよいがやってきた。
「急いで帰るから、まさかと思ったけど、やっぱり、高橋先輩と3年10組の教室に来てたんだぁ!」
「やよい、ごめん。ごめん。別に一緒に来たわけじゃないんだよ(汗)」
「伊藤さん、役員でもないのに手伝ってくれて、悪いな。」
「これくらい、なんてことはないわよ。」
梶先輩と伊藤先輩が教室に来た。
「...高橋先輩、梶先輩のこと、叩いてもいいですか?」
私はひそひそ声で聞いた。
「いいよ。」
パシーン!
「愛里ちゃん?」
びっくりしている梶先輩に私は言った。
「それも、湖桃先輩を守るための行動ですか?なにか違うんじゃないですか?!」
「愛里ちゃん...」
伊藤先輩は私の事に気付いたみたいで高飛車に言ってきた。
「あなた、梶君のこと追いかけてた1年生ね。」
「3年の教室まで梶君の追いかけてきたのかしら?(笑)」
私は怒りが頂点まで達していた。
「伊藤先輩、看板係放棄して、梶先輩に媚び売って最低です!」
まわりは唖然と私のこと見てた。
「伊藤、おまえの負けだ。さっさとひとりで帰れ!」
高橋先輩が加勢してくれた。
伊藤先輩は無言でぷいとして帰って行った。
「愛里ちゃん、ごめん...」
梶先輩が私に謝ってきた。
「梶先輩、謝る相手が違うんじゃないですか?」
私は冷たくそう言った。
湖桃先輩のことは、やよいが守ってくれていた。
ナイス!やよい。
「今日は、看板係もここまでにして帰るか。」
高橋先輩は、今日のことは他言しないように言ってみんなを帰した。
「平松、やよいちゃん、今日は送ってやれないけど、気を付けて帰るんだよ。」
「梶、湖桃、ちょっと話がある。」
「やよい、ごめん、私も残る。」
「わかった。特別だよ。」
やよいは、クラスメートと帰って行った。