Nicotto Town



【小説】愛里の恋2 その⑧ 3年10組の教室


――――3年10組の教室


「湖桃先輩!こんばんは。」

「あっ、愛里ちゃん。こんばんは。」

今日の湖桃先輩、笑ってる。よかった♡

「平松だ。様子見に来たのか?俺らちゃんとしてるぞ。」

クラスメートの看板係もちゃんと来てて一安心♡

「ん?3年生、湖桃先輩だけ?」

私が不振に思い聞くと、後ろから声がした。

「湖桃以外の3年生は看板係放棄したんだよ。」

「高橋先輩。」

「リーダーは伊藤真奈美だったんだけどな。」

ん?伊藤先輩って女性だったんだ。

あーーーーーーーーーっ!

「もしかして、伊藤先輩って湖桃先輩をいじめてたグループで梶先輩のこと好きだっていう人?」

私は小声で聞いた。

「平松、おまえ、勘いいな。」

「愛里ーーーーーー!」

やよいがやってきた。

「急いで帰るから、まさかと思ったけど、やっぱり、高橋先輩と3年10組の教室に来てたんだぁ!」

「やよい、ごめん。ごめん。別に一緒に来たわけじゃないんだよ(汗)」

 

「伊藤さん、役員でもないのに手伝ってくれて、悪いな。」

「これくらい、なんてことはないわよ。」

梶先輩と伊藤先輩が教室に来た。

 

「...高橋先輩、梶先輩のこと、叩いてもいいですか?」

私はひそひそ声で聞いた。

「いいよ。」

 

パシーン!

 

「愛里ちゃん?」

びっくりしている梶先輩に私は言った。

「それも、湖桃先輩を守るための行動ですか?なにか違うんじゃないですか?!」

「愛里ちゃん...」

 

伊藤先輩は私の事に気付いたみたいで高飛車に言ってきた。

「あなた、梶君のこと追いかけてた1年生ね。」

「3年の教室まで梶君の追いかけてきたのかしら?(笑)」

私は怒りが頂点まで達していた。

「伊藤先輩、看板係放棄して、梶先輩に媚び売って最低です!」

 

まわりは唖然と私のこと見てた。

 

「伊藤、おまえの負けだ。さっさとひとりで帰れ!」

高橋先輩が加勢してくれた。

伊藤先輩は無言でぷいとして帰って行った。

 

「愛里ちゃん、ごめん...」

梶先輩が私に謝ってきた。

「梶先輩、謝る相手が違うんじゃないですか?」

私は冷たくそう言った。

 

湖桃先輩のことは、やよいが守ってくれていた。

ナイス!やよい。

 

「今日は、看板係もここまでにして帰るか。」

高橋先輩は、今日のことは他言しないように言ってみんなを帰した。

 

「平松、やよいちゃん、今日は送ってやれないけど、気を付けて帰るんだよ。」

「梶、湖桃、ちょっと話がある。」

 

「やよい、ごめん、私も残る。」

「わかった。特別だよ。」

やよいは、クラスメートと帰って行った。





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