ナローケイの逆襲
- カテゴリ:自作小説
- 2025/01/24 09:21:08
ジョーシュー・ミカヅキ王国は「春の七草隊」の給料でさえ満足に払えぬほど極貧の小国であった。
「春の七草隊のみなさんには、苦労をかけますねぇ~」と、コガラシ・マリアン王女。
「フハハハハ!金は用意できたか~?今日が返済期日なのだぁ~!
もし、返せないなら、借金のカタにマリアン王女を頂いちゃうのだぁ~!」
「強引にお金を貸し付けといてよく言うわ!
マリアン王女と結婚して自分が王様になりたいだけでしょ!? 魂胆見え見えよ!ドン・ブリカン・ジョー!」
マリアン王女と瓜二つの従女「ココア」が、ぽえ~っとしているマリアン王女に代わって返答する。
「マリアン王女もジョーシュー・ミカヅキ王国も、どっちも俺様のものにしたいのだぁ~!」
「本当に欲しいのはマリアン王女だけでしょ!?
ジョーシュー・ミカヅキ王国なんて安く買い叩いて分譲してバラバラにする気でしょ!?」
「ココア!俺様を何だと思っているのだぁ~!…あっ!そうか!その手があったのだぁ~!」
妙な所で納得し、ポンと手を打つドン・ブリカン・ジョー。
「帰られぃ!ドン・ブリカン・ジョー!」「ジョーシュー・ミカヅキ王国もマリアン王女も渡さぬぞ!」
マリアン王女の前に揃いのロビンフッド衣装を着た7人の兵士がズラリと並んだ。
「我ら『春の七草隊』が貴殿のお相手をする!」
「え~っ!? 何なのだ~!お前ら~!俺様の邪魔をするな~!こうなったら、実力行使なのだ~!
おいでませ!『異世界15人衆』!!」
ドン・ブリカン・ジョーは、カランカランとベルを鳴らす。すると、16人の人間が瞬時に姿を現した!
「ユーシャ・ダカラ!」「ヨテイ・チョーワ!」「ムソー・シマクル!」「オーレ・ツエー!」
「カンスト・レーベル!」「スキル・シダイ!」「チャーライ・チョウアイ!」「カチグミ・テンセイ!」
「ツイホー・サレテ!」「セレブレッド・オーヤガッチャ!」「パーペキ・チョージン!」
「アークジョ・フラグ・ヘシオル!」「ホーリー・リバイバル!」
「リーヴェ・スローライフ!」「エロス・タベルノ!」
「そして、私が「異世界15人衆」のリーダー『シンカミー・ニューワールド』だ!」
「久しぶりだな、マリア・アレックス…いや、今は「コガラシ・マリアン王女」か。
よもや、私たちのことを忘れたわけではあるまい?」
「え~っと…あの~、どちら様でしたっけ?」
開口一番、マリアン王女がボケ倒すので、異世界15人衆全員が、よしもと新喜劇みたいに盛大にズッコケた!
「そうやって、ウスラボケ~ッとしていられるのも今のうちだぞ…。
時期はずれの「春の七草隊」など私が手を下すまでもない。コイツ一人で十分だ。やれ!オーレ・ツエー!」
シンカミーは、オーレ・ツエーに攻撃するよう命令した。
「俺TUEEEEーーー!!!」
オーレ・ツエーは、まっすぐ「春の七草隊」に向かって突進し、アッサリと彼らを蹴散らしてしまった。
「競り負けた~!」「ペンペン草~!」「日日是好日~!」
「風と共に去りぬ~!」「里見八犬伝~!」「カブリバ~!」「また来週~!」
七人それぞれ何か叫びながら、遥か彼方にぶっ飛ばされ、お星様になった。キラーン☆
「忘れてた。春の七草隊は七草の日が一番強いけど、その日以外は貧弱なのよね…」
ココアは、こめかみを人差し指で抑えながら、顔をしかめた。
「まぁ、そうだったんですかぁ~。そういえば、もうとっくに七草を過ぎちゃいましたねぇ~。
オーレ・ツエーさん…ああ、思い出しましたぁ~!異世界クラスに居た問題児さんですぅ~!
道場破りと称して騎士系クラスの「アーサー・エンタク先生」に斬りかかって大ケガさせたんですよねぇ~」
「えっ?あの俺TUEEEE野郎、そんなことしてたの?」
「あの時はたしか、ティルトさんの転送魔法で…あっ!そうだ!今のティルトさんなら…!ティルトさ~ん!」
マリアの呼びかけに応えるかのように、ティルトが現れた!
「え?呼んだ?あれ?ここどこ?」
「何ィッ!?『ティルト・ウェイト』だとッ!?」シンカミーは、おどろきとまどっている!
「えっ!?…あの~、どちら様でしたっけ?」
ティルトはマリアと同じようにボケ倒す。ズッコケる異世界15人衆。