深淵の中の蝶
- カテゴリ:自作小説
- 2025/01/13 04:44:15
第二十四章
予約時間の5分程前に私は美容室へで待っていようと思い、車を降り初めての美容室へと向かった。店内はとても清潔感のある雰囲気の良い感じがしていた。「いらっしゃいませ」そう出迎えてくれた女性のスタッフさんに、「あ、こんにちは…あの予約している宮澤です」「ご予約頂いております、宮澤様ですね、少々お待ちください」…「あ、はい」と、働いているスタッフが全員見えるであろうソファへと案内された。そこにすぐに分かった悠さんがいた。私は一瞬で彼に釘付けになった。悠さんは楽しそうにお客さんと会話をしている様だった。私は何故か心の奥の方に痛みの様な物を感じたが、それがなんなのかまだ分からずに居た。笑顔でお客さんに接している悠さん…なんだろう…なんか心がモヤモヤする…どうしたんだろう、私…そんな事を考えながら過ごしている中で、悠さんは終わったであろうお客さんの会計をしていた。私に向けられることの無い目の動きや、お客さんへと誠実に笑顔で接しているのが分かる様な態度1つ1つが気になって仕方が無かった。会計を済ませた悠さんは「由佳里さん、お待たせしました」とにこやかな笑顔を私へと向けてくれる。正直、ホッとしたというのが本音だ。席へと案内された私に悠さんは「由佳里さんに職場で会うと何か…緊張と言うか…何でしょうね」と少しばかり照れ臭そうに笑う彼に安堵感さえ覚える。「今日はどうしますか?」「あ、えっとね髪も随分伸びたし、ボブ位にしてみようかなって思ってるんだけど、悠さんと相談しながら決めたくてね…私に似合うかな…?」…「おーすげー良いっすね!滅茶苦茶似合うと思いますよ!」…「そ、そうかな?」そんな会話から入って行った悠さんとの時間が始まる。「カラーもしたいんだよね」「お、いーっすね!何色系統が良いっすか?」…「うーん、どんな色合いが私に似合うかな?」と相談等したりしつつ、「んー…由佳里さん色白なんでパープルカラー似合いそうっすね!」「パープルかぁ、何か良いね、悠さんの美的感覚でお任せにしちゃおうかな」…「マジっすか!?」「うん」「それじゃあ、俺にドーンと任せちゃって下さい!絶対可愛くするんで!」…「私が可愛いって事はなかなかないかもしれないけど、お願いしちゃおうかな」「おす!それじゃあ、俺に任せてもらって良いっすか!?」「うん、お願いするね」…「よっしゃー由佳里さんの大イメチェンしちゃうっす!」「ふふ…楽しみ」「絶対可愛くしますんで!楽しみにしてて下さい!」「うん」そんな会話から始まり、私にとっては盛大なイメチェンが始まろうとしていた。「取り敢えず、シャンプーしましょ」とシャンプー台へと案内された。…さて、どんな私になるか楽しみだな、と思いつつ私はワクワクと心が躍る感覚でシャンプーをされ始めた。
それでも見知った仲 可愛くしてくれそうで羨ましいです
美容院 なかなかお任せってできないですよね
色々言っても 仕上がりは自分が思ったものと違ってて
でももう戻れないところまで来ていたりして
パープル きっと似合うのでしょうね
二人とも楽しそうなのが伝わってきます
いつもお話 ありがとうございます(*・ω・)*_ _)ペコリ