聞いて欲しいことは聞いてもらえない

　子供が近頃、寝る前に絵本を読んでと言うようになった。なので読んであげる。時々まだ習ってないだろう単語がでてくる。漢字で書くとこうだよ、と言いながら、意味も教える。ちょっと進んだ知識に触れて学べるなんて、すごく貴重なんだから、お前人の話ちゃんと聞いとけよと聞いて欲しい事は、子供にとってまったく興味がないみたいで、

「こうこうこういう漢字で書いて、こういう意味だよ、聞いてる？」

って聞いてちらっと子供のほう見たら、子供は爪が伸びてるか伸びてないかを気にしているみたいで、

「え、あ、ごめんごめん。はい。次」

という風に、知らない事を知ろうという意欲っていうのは、あまり無いほうみたい。これはもう、こんだけ知らずにいても堂々としてたら将来大物になる～と、私みたいな小心者の臆病者で将来の為に少しでも勉強しなくちゃとか不安が原動力で考えていた人種は、いいなぁこういうタイプのおおらかな人種。こういう勉強しない人が一番出世するからなぁ。将来有望だな～と、本一緒に読んでて、すごく子供の堂々とした態度に私は凄いな～と感動した。勉強なんて嫌だから嫌だと素直に自分の心に従ってやりたい様に生きてる人がなんだかんだで大成功してるような気がする。と、私みたいな人からすると、子供に勉強しろとか、とても言えません。そんなダメな親にならない為にも勉強するのがなぜいい事なのか、どうメリットがあるのか、勉強するとどういう風に人よりもより良い人生が送れるのか、どう素晴らしいのか、勉強すると、どれだけ人生が豊になるのか、しっかり説明できる大人として、勉強はしとくものなのかもしれません。私に勉強する理由を子供に説明する日は、どうも来ない気がする。子供にどう説明していいのか、私は自分の言葉で説明できない気がする。子供に教えたいけど教えるのが難しい事の一つな気がする。「なぜ勉強するのか」って。かなりきわどいとても大人びたテーマだと思う。