2024年10期ドラマ総決算・やや簡易版
- カテゴリ:テレビ
- 2024/12/23 15:30:07
2024年10月期のドラマ総決算です。
ドロップアウト組
なし
佳作ショートドラマ
なし
●6位
ザ・トラベルナース テレビ朝日 木曜夜9時~
前シーズンを見た時も思ったのだけど、看護婦から看護師呼びになれどまだまだ女性が多い看護師を主役に据えながら、何故2人とも男性なのかがとても不思議。まぁどちらか女性にすると今は冗談ですんでいる恋愛沙汰が冗談ではなくなってしまうからなのか。ドクターXのスタッフが手掛けているから内容は間違いないと思うが、安定感がすぎてシーズン2にしてパターン化が顕著。あと中井貴一の広島弁はやっぱりちょっとぎこちない。生きた広島弁ではなく映画やドラマの真似なのかな。
●5位
オクラ 迷宮入り事件捜査 フジテレビ 火曜夜11時~
断罪のためなら手段を選ばないという実に武藤将吾らしいテーマのドラマだった。一見して単なる刑事ドラマかと思いきや、主人公が捏造やら殺人やら犯してしまうという、ドラマの禁忌を犯したストーリー。ラストが首都圏爆破テロを未然に防いだだけで終わってしまい、ハイド&シークの実態にはほぼ触れられず終わってしまったのも、武藤らしいと言えば武藤らしい。終わり方が終わり方だけに、恐らく続編はないと思う。何だかいろいろと残念な感じだった。
●4位
民王R テレビ朝日 火曜夜9時~
相変わらず面白かったのだが、菅田と高橋が抜けた穴が大きすぎて、あのちゃんと大橋では埋め切れてなかったのが残念。1話完結型はストーリーをパターン化させ、シーズン1のような展開が読めない魅力が失われていた。入れ替わりドラマは双方の演技力が肝心なのに、エンケンは頑張っていたが、初回のあのちゃんで視聴者をだいぶ逃したと思う。あのちゃんは後回しにして、初回はもっと演技力に定評がある魅力的なキャストにした方がよかったのではないか。コメディ好きな私は楽しく見ていたが、シーズン1のファンとしてはいろいろ残念な要素が多かった。
※コメディー賞
●3位
全領域異常解決室 フジテレビ 水曜夜10時~
非現実的な事件を理屈で解決していく刑事ドラマ…かと思いきや、日本神話をベースにした完全なるファンタジードラマだった。好みは分かれそうだが下手なテロやカルト集団が出てくるよりはだいぶマシ。前半は1話完結タイプだったが後半は敵との全面戦争に突入し、その中でも興玉と雨野の関係が今時の言い方をするならエモかった。雨野の正体が分かってからもう1度第1回から見てみたくなってしまうし、最終回、雨野が記憶を失った理由も切なかった。事象のみならず神々の心まで描けていたのがこのドラマの成功の1つの理由だと思う。
※助演女優賞(広瀬アリス)
●2位
光る君へ NHK 日曜夜8時~
平安時代という大河ドラマとしては珍しい時代設定で、最後まで興味深く見ることができた。紫式部と藤原道長が幼馴染で恋仲だったという大胆な仮説を元にしており、オープニングから実に女性的でロマンチックで、他の大河と一線を画していた。年代がさかのぼるごとに史料の数が減るので、平安時代の史料はかなり少なく、特に女性となると高貴な人物でも本名すら残されていなかったりするのだが、その空白を想像力で埋めるだけでなく、自由に羽ばたかせていたと思う。
※特別賞/時代劇・歴史ドラマ賞/主演女優賞/音楽賞
●1位
嘘解きレトリック フジテレビ 月曜夜9時~
昭和初期のセットや衣装・小道具などがしっかり作り込んであって、まずはそれにびっくり。そしてキャストが月9にしては少し弱いなと思っていたのだけれど、適材適所で無理なく見ることができた。原作が少女漫画なので多分に少女趣味な内容ではあったが、その分ミステリーの比重もあまり大きくなく、誰にでもとっつきやすいドラマだったと思う。ただタイトルから時代が感じられず、時代物好きの視聴者を逃したのではと思われたのが残念。
※大賞/特別賞/ミステリードラマ賞
今期は当たりのシーズンで、面白いドラマが数多くあった上、大河も最終回を迎えたため、少し賑やかなランキングとなりました。最下位まで内容の充実した面白いドラマとなっています。いつも書いてますが、ランクインしただけで完走したということなので、一定水準以上を満たしているということなのです。
そんな中でも初回の最初数分を見ただけで、これは1位かもと思ってしまえるくらい映像に力があったのが嘘解きレトリック。後から映画化でもするのかな?と邪推してしまったくらいです。光る君へもなかなかよかったのですが、長丁場ですから終わり頃、見てるこっちが多少息切れしてしまったかなと。全決も光る君へとどちらを上にしようか悩むくらい出来がよかったです。ああいったオカルト系ファンタジーはともするとうさんくさいだけのドラマになりがちなんですけど、視聴者を無理なく惹きつけた後にネタバラシをして怒涛の如くメインストーリーを進ませるという構造が成功していたと思います。
全部面白かったと言っても、やはり3位以上と4位以下には明確な差があって、民王Rは前作民王ファンの私としては、少し残念な出来と言わざるを得ません。何しろ2010年代で1位に選んだドラマだったわけですから…。Rの方も笑わせてもらいましたが、晩節を汚さず前作のみですっぱり終わってくれてもよかったように思います。オクラもセンセーショナルな題材のわりに残念な終わり方でした。結局風呂敷を広げるだけ広げただけの内容にとどまったのは、堺雅人主演のジョーカーと同じ感じでしたわ…。
さて全体的に見ると、いつも好調な日9が平均10%の大台を切ってしまい、トラベルナースだけが11%超えという、実に低調なシーズンとなりました。私は見ていなかったので、日9の低調の理由が分かりませんが、内容からして中高年向けなのに、テレビ好きの中高年からそっぽを向かれた感じですねぇ。もっとそっぽを向かれてしまったのは民王R。平均視聴率7%超えれば御の字、5~6%でも恥ずべき数字ではない昨今ですが、GP帯で3%はさすがに物足りない…。初回はそれでも8%近くあって、それが2回目で3%台に落ちてますから、初回で引いた視聴者が多かったってことだと思います…。一方で数字こそ目立ちませんが、ライオンの隠れ家の視聴率は初回<平均<最終回の神推移でした。これも見てなかったのですが、地味に評判がよかったようですね。