『光る君へ 第42回』を観つつ、日本シリーズも
- カテゴリ:テレビ
- 2024/11/03 20:46:43
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今週も日本シリーズで、大渋滞の日曜の夜は大変です。
明日1日で平地初雪の準備を完了しなければ大変だし。
厳しい3連休最終日です。
では「光る君へ 42回」の考察記録です。
- ・ちょっと今期、何度目の「お渡り」話なんだろうか・・・。種付けブリーダー物語かよーー!!
- ・ちら見した「雲隠」とは??源氏物語の章??なんの暗示か全くわからず・・・。
- ・道長の病の伏線は、今日の前段の「比叡山での云々~」の祟りってことか?
・まだ石野真子健在だったあー。すっげーーっ。
- ・百舌彦はご立派に、乙丸はおぶられる老人。でもそれもいいかも。
- ・怪文書の発信元は今後、肝心?尺、とってるからなあ。
・宇治十帖は光源氏の末裔の話では?後継がやはりいるということ?いったん光源氏逝去で終わった後<土御門邸に行ったことがきっかけで書き始めた、と言ってるのかなあ?
・うーーーー。道長号泣の意味をどう見るか??
この解釈、結構、肝のような気がする・・・。
・「来年、大宰府~」は刀伊の入寇か?
- 現時刻、日本シリーズは11-2でDeNAの大幅リード。しかしまだ7回なので「海に眠るダイヤモンド」もズレズレ。その後の3番組を今夜中に観れるのか???
- かな?
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さきほど帰宅いたしましたあーーーー!!
いやあ、今回は史実以上にはるかに多くの脚本解釈をお書きいただき、脚本解説本のようにじっくり読ませていただきましたっ!!
なるほどなあ。同じ会話のセリフでも、感じ方違うんだ―、と思いました。どうも裏、裏のウラを勘ぐって、史実をはめ込んじゃうと、目が曇っちゃったりしますね。
今夜中には録画消化は無理そうなので、じっくり明日帰宅後に考察させてくださーい。
それだけ深くお互いを愛していて、それを確認できた瞬間でもわるわけで。
だからこその道長の、というか三郎の号泣になるんです。
無理に無理を重ねてきた苦しみから解放され、まひろからの深い愛を確認し、色々なものが一気にこみ上げてきて爆発した結果の号泣です。
ドラマを見ていて涙腺が決壊したシーンでした。
次回予告で双寿丸が大宰府に行く、と言っていたのは「刀伊の入寇」に繋がるものだとは思いますが、まだ時期的には少し早いです。
藤原隆家が眼病(外傷性?)を患い、大宰府に名医がいると知って治療の為大宰権帥(だざいのごんのそち)として赴任するのですが、それに平為賢(たいらのためかた)も従軍しますので、為賢の配下である双寿丸もそれに従う、ということだろうと思います。
戦国舞台のものほどしっかりとした合戦になるとは思いませんが(そもそも敵は女真族の海賊の一種ですし)、「刀伊の入寇」が描かれること自体が多分テレビ史上初なのでその点は楽しみです。
ただ、派手な剣戟・殺陣は期待しない方がよろしいかと思います。
もともとNHKは民放時代劇の様な魅せる殺陣はしませんし。
普段着ている直衣や朝廷での正装の束帯は織がしっかりした堅物(かたもの)で、はっきり言って重いです。
別荘の宇治殿で静養中の道長は、百舌彦が差し出した薬(薬湯?)を認識しながら視線を逸らし飲もうとしませんでした。生きる事を諦めきっている感があります。
それが、百舌彦に縋られて宇治殿を訪れたまひろに名を呼ばれて目覚めたら、そこにまひろが居る事に驚愕しながらどこか顔色が明るくなるのですから、どれだけまひろを愛してるんだ、と少し突っ込みポイントでした。
ここで宇治川のほとりを二人で歩いて、号泣のシーンに繋がっていきます。
本当は逃げ出したいくらい辛いのに精いっぱい強がって恰好をつけていた道長が(この強がり格好つけが傍目には「闇落ち」に見えていたのかも)、ここでとうとう素の三郎としての弱音を吐くんですね。
「誰のことも信じられぬ、己のことも」と。
それを受けてまひろが、「もうよろしいのです、私との約束はお忘れくださいませ」、と道長(三郎)を呪縛し苦しめることにさえなってしまった若かりし頃の約束からの解放を告げるんです。
ただ道長も一途で頑固なので、「お前との約束を忘れたら俺の命は終わる」と答えてしまうわけです。
本来の気性とは真逆の生き方を長年続けてきたので、簡単には軌道修正は出来ないですよね。
それに対するまひろの答えが「ならわたしも一緒に参ります」です。
道長様が死ぬとおっしゃるなら私も一緒に参ります、一緒に死にましょう、とまひろは言ってるんですね。
自分との約束を守る為にずっと苦しんできた道長が死ぬというなら、自分も一緒に逝く、と。
「源氏の物語」も終わり、皇太后彰子は強く逞しくなられた、娘の賢子も好きな人が出来て自分の手を離れ、家のことももう心配はいらない、この世に私の役目はもう無いのだから、道長様が逝くというなら私も一緒に逝きます、と。
これに対し道長は「お前は死んではならぬ、死ぬな」です。
道長としては、自分が死んだとしてもまひろには死んでほしくないわけです。まひろが幸せに生きる事を心底願っているからこその「死んではならぬ、死ぬな」となるんですね。
それを受けてのまひろの「ならば道長様も生きてください、道長様が生きておられれば私も生きられます」という答えになるんですが、
道長の号泣ですが、まずあれは公卿の頂点に立つ左大臣道長ではなく、その仮面を外した三郎です。
思い返してみれば分かりますが、三郎の気性は政治の頂点に立つにはとことん向いていません。
彼本来の気性では、娘を入内させるのも、その娘に皇子を望んで自身が摂政に立とうとする事も嫌ですし向いていません。
民の事を思いられる他の誰かが居れば、そのサポートをする方がずっと彼の性分に合う筈。
しかし残念ながら、長兄道隆は父兼家同様に民に目を向けようとしませんでした。疫病が大流行した時も「放っておけ」でしたしね。
次兄の道兼は、長年目の敵にされていたものの漸く分かり合え、民の事も重やってくれる、と期待したらあっという間に病気で亡くなってしまう。
甥の伊周は兄を更に矮小化した様な人物で期待できない。
愛しいまひろとの約束(直秀の様な理不尽な目に合う人がいない世の中を作る)を叶える為には、向いていない事がわかっていても自分が頂点に立つしかない。
三郎が政治家道長になるしかなかった訳です。
幸いというべきか、仕える帝(一条帝)は聡明で民を思いやれる人(税の軽減を提案した一条帝に対し「流石、帝であられる」と感心してましたよね)、公卿の頂点として帝を支えて行けばいい、と思っていたら、その帝すら皇后定子を愛するあまりに政治を顧みなくなる始末(史実の一条帝はそんなことはありませんでしたが、ドラマでは政治をおざなりにしましたね)。
こうなってくると、いかなる帝であろうと自分たちで支えれば良いとはいかず(まひろとの約束を守れなくなる可能性があるので)、自分たちの意見を聞いてくれる最も近しい者が帝として即位してくれなければ、となって外孫である敦成親王を順番を飛び越えて東宮にする行為に繋がったのですね。
ただし、これらの事は三郎の気性とは全く合わない。
加えて新帝三条天皇とのかなり陰湿なパワーゲーム。これも三郎としては本当ならやりたくないことの筈。
公卿達、倫子と明子という妻たち、自身の子供たち、そしてまひろの前ですら本心を晒すことなく、言ってしまえば目一杯恰好をつけていたのが、左大臣道長の仮面をつけた三郎というわけです。
それが遂に限界を迎えてしまったのが、今回の病臥ですね。
貴族の普段着である直衣さえ身に着けず、柔物(やわらかもの/なえもの)と呼ばれる薄くて柔らかい
道長も道綱と実資が自身の病気を喜ぶ様な事はしない、二人を信じる、と日記に記しています。
藤原隆家に対しても、信用しているから大丈夫だ、と伝えたらしいです。こちらも日記に記載がある模様。
残る二人、藤原通任と藤原壊平(ふじわらのかねひら/実資の弟)については特に言及しておりません。
ただ壊平は温厚な人柄で道長ともそれなりに親しい間柄だったそうなので、特に疑ってはいなかったかもしれません。
道長の病気の原因は不明です。一か月程度で快復しているので脳腫瘍や脳出血・脳梗塞等の他の病気の症状として起きる二次性頭痛ではなく、頭痛自体が病気である一次性頭痛だと思われます。
ドラマの道長は、多分三条天皇との政争が原因の過剰なストレスから来る頭痛だと思われます。
史実のリアル道長の場合も三条天皇との対立は深刻化していた筈ですので、ドラマの道長ほどナイーブではなかったかもしれませんがストレスは相応に貯め込んでいたと思いますので、ドラマの道長同様にストレス性の頭痛だったかもしれません。
リアル道長はドラマと違ってかなり病気がちだったそうですし。
百舌彦と乙丸は、何時になってもやはり今作の癒し枠。今後もこのままであって欲しいです。
宇治十帖は、光る君の息子(実際は嫡妻女三宮(おんなさんのみや)と柏木(かしわぎ/光る君の親友で後の政敵頭中将(とうのちゅうじょう)の長男)との不義の子)である薫大将(かおるのたいしょう/薫の君(かおるのきみ)とも呼ばれます)と光る君の孫で薫の幼馴染である匂宮(におおうのみや)が中心人物。どちらかといえば薫が主人公っぽいかな? と思いますが、光る君と違って薫の恋はすべからく破れ叶いません。
光る君が主役の帖に較べると、宇治十帖は華やかさが乏しく悲恋が目立つ感じ…ですかね?
「源氏の物語」は終わった、と話していたまひろが、百舌彦の嘆願で宇治に出向き、宇治川のほとりで(ロケは栃木県の思川らしいです)呪縛になっていた若い頃の約束(道長様は偉くなって直秀の様な人を出さない世の中を作って、というまひろの純粋で世間知らずの理想が勝ちすぎた願い)を破棄して、互いに相手が生きてくれる事を願う新たな誓いを結んだ宇治を舞台に新たな「源氏の物語」が
摂関政治においては、娘を入内させて皇子(外孫)を産ませ、その皇子を天皇に即位させて摂政・関白になることが最重要ですので、天皇のお渡りは非常に重要な案件です。
まぁ、とても不安定なシステムなので成立しなくなっていくんですけどね。
実際、藤原良房が始めた摂関政治ですが、孫を即位させて摂政になったのは、良房・兼家・道長の三人しかいません。他は天皇の外伯父(叔父)なので外祖父の場合より結びつきが弱いです。
人間は基本的に多胎には殆どならないので、ペットブリーダーの様にはいきませんね。
雲隠の帖は、光る君の死を書いたとされる光る君主人公の最後の帖です。
ただし本文はありません。散逸したとも、最初から書かれていないとも説が分かれていますが、本作では書かれていない説を採用したのでタイトルのみを書いて終わっているわけです。
個人的にも、書かれていない説派です。
他の帖が揃っているのに、雲隠の帖だけ散逸して残っていないというのは不自然過ぎるでしょう。
光る君の実質的な最終の帖が、雲隠の前に書いていた幻です。
最愛の紫の上を亡くした光る君が、一年ほども時の流れも季節の移ろいにも気づかず呆然としたまま過ごし、ふと気が付いて人生の終わり(死を意識したのか出家を意図したのかは不明)を意識する、というもの。
道長の病気ですが、史実でもこの時期に重病にかかっています。
酷い頭痛が続く症状で、貴族たちの中には呪詛ではないか、と噂する者も少なくなかった様です。
呪詛をしたのは藤原通任(ふじわらのみちとう)ではないか、とされましたがあくまでも噂にすぎず通任が処罰された、という事もありません。
通任は三条天皇の皇后に立后された藤原娍子(ふじわらのすけこ)の弟で、娍子の身内を優遇する三条天皇の贔屓で蔵人頭任官から一カ月で参議に昇進した人物。道長の息子藤原顕信(ふじわらのあきのぶ)が出家した騒動の原因とも言える人物なので色々因縁がある、と貴族社会で思われていたのでしょうね。
道長の病気を喜んでいるものがいる、と出回った怪文書にも名前があげられてましたし。
史実では怪文書ではなく風評が流布した、とされています。内容は同じ。
ちなみに名前があがった5人は、いずれも三条天皇が自分の側に取り込もうとした者たちです。
その為、反道長派と思われたのかもしれません。