Nicotto Town



ケモナモフ地方の大モフモフまつり

メンドーサ隊事務所に帰ってきたら、お客さんが4人も来ていた。
「ミカルさん!タケルさん!」「こんにちは!」「よぉ!マリア!」
「この前、クォン・トワ桜で会って以来ですねぇ~」
マリアは、ミカルとタケルの二人の手を取り、再会を喜んでいた。

あともう二人のお客さんである虎人族の女の子「ハリマオ・コッカリル」と「ビャッコ・ヒトロク」は、
虎人族の双子の兄弟を見つけるなり、ハリマオは弟のラシードに、ビャッコは兄のバトラーに抱き着いた!
「ガオ~!ラシード!あたち、迎えにきたぞ~!」「ハリマオ・コッカリル!?どうして、ここに!?」
「ガオ~!ビャッコ・ヒトロク!久しぶりだな!」「バトラー!今から「モフモフまつり」に行くのにゃ~!」

「ビャッコさん、モフモフまつりって何ですかぁ?」マリアが質問する。
「モフモフまつりは、マカマカイにあるケモナモフ地方で、月に一度 満月の夜に行われるお祭りなのにゃ!」
「ケモナモフ地方?」と、マリア。
「ケモナモフ地方は、あたち達みたいな獣人族がいっぱい居て、ケモナーの聖地みたいな所なんだ~!」
「ケモナモフ地方は、私とハリマオの地元にゃ!ラシードとバトラーの生まれ故郷でもあるのにゃ!」
「オイラやイナリも、ケモナモフ地方の出身なんだよ」
タヌキ族の「バンブル・ムジーナ」が話に入ってきた。
「そっか、もうそんな時期だかぁ~。ラシードとバトラーは、ケモナモフに帰るんだか?」
キツネ族の「イナリ・コンボーイ」は、ラシードとバトラーに話を振った。
「ああ、もちろん。ハリマオが迎えに来てくれたことだしニャ」「えへへ…ラシード、くすぐったいぞ~」
ラシードがハリマオの頭を撫でてやると、ハリマオは嬉しそうにすり寄ってきた。

「ハロウィンのこの時期は、私達 マカマカイ人にとっては「お盆」にあたるのにゃ!
だから、モフモフまつりの中でも今月のモフモフまつりは、ちょっと特別なのにゃ!
今月は、秋の満月「ハーベストムーン」が出る夜だから『大モフモフまつり』になるのにゃ!」
ビャッコが説明した後、バトラーが続く。
「ガオ~!大モフモフまつりの時だけは、どんなに遠くにいても、ケモナモフ地方にみんな里帰りするんだ」
「大モフモフまつりというくらいだから、大勢 人が来て、賑やかで楽しそうですねぇ~!
私も「大モフモフまつり」に行ってみたいですぅ~!」
「おおっ!そうか!じゃあ、マリアも来い!お店もいっぱい出てるから楽しいぞ!
他に、大モフモフまつりに行きたい奴は…って、メンドーサ隊だけに考えるの面倒だから、みんな来い!」

ハリマオの一声で「大モフモフまつり」にミカルとタケルを含めた全員で参加することになった。
バンブルとイナリが空飛ぶ大型バスに化けてみんなを乗せて、マカマカイのケモナモフ地方までひとっ飛び。

大モフモフまつりに行く前に、ケモナモフ地方を治める長 ミケ猫人族の「モフ・ケモナモフ」にご挨拶。
「みんな、おかえりなさいモフ~!大モフモフまつり、楽しんでいってモフ!
あとで、モフも まつりの会場に行くモフ!ね?クタクタ!」
「……うん。モフちゃん…♡」
モフの彼氏であるカモノハシ族の「クタクタ・コーダック」は、少し間をおいて ゆっくりと返事をした。

大モフモフまつりの会場の中央にある特設リングでは、
「神々の黄昏パンチ」という必殺パンチを持つ
シルベスター・スタローン似のボクサー「ロッキー・ラグナロク」と
「黄金の野牛」というリングネームを持つ
アーノルド・シュワルツェネッガー似のプロレスラー「ゴルディ・アルデバラン」が
異種格闘技戦を繰り広げていた。
ロッキーとゴルディの熱闘を、実況アナウンサー「ウル・ムラカミ」の名調子が盛り上げる。
「スイスイ~!ゴルディ~!頑張れ~!」「ゴルディ!負けるなギュー!」「ゴルディくん…すごいなぁ」
ゴルディを応援する水牛のスイとギューのそばには、強面ホテルマンの幽霊「タウラス・マタドール」がいた。

中央特設リングをグルリと囲むように露店がズラリと並んでいる。
縁日の定番になっているものから飲食店の出張屋台まで、様々な店が軒を連ねている。
「バトラー!この指輪、買って~!」
ビャッコは、おもちゃのダイヤの指輪を指差しながら、バトラーにおねだりした。
「ビャッコ、これが欲しいのか?…親父!このダイヤの指輪をくれ!」「あいよ!」
ビャッコは早速、おもちゃの指輪を薬指につけて嬉しそうにしながら、バトラーと肩を組んで歩いていた。
「バトラー、ありがとな…。大事にするからな♡」

「おもちゃの指輪で結婚の約束を…か。そんなの漫画の世界の話だけだと思ったけど…」
フツツカ魔法学院の出戻り勇者「シオ・タイオー」は、彼の幼馴染である「クマ・タイヨウ」を見やる。
「シ~オ~ちゃん♡これでボクたち、いつでも結婚できるね♡」
クリーム色のクマっ娘「クマ・タイヨウ」の指には、おもちゃの指輪のトパーズがキラリと光っていた。
「クマ・タイヨウさんは、11月生まれですかぁ~。
私は12月生まれですから、ターコイズの指輪ですかねぇ~」
マリアはフフッと微笑みながら、おもちゃのターコイズの指輪を手に取った。
「マリア、おもちゃじゃなくて本物の指輪を…」
「あっ!「くまくまベーグル&ドーナツ」の屋台がありますぅ~!行きましょう!トリオンさん!」
マリアは指輪を元の場所に戻すと、トリオンの手を引いて屋台の方へ向かった。




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