『光る君へ 第37回』の2度目を観終わりました。
- カテゴリ:テレビ
- 2024/09/29 21:09:12
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デーゲームの我が北海道日本ハムファイターズの「エスコンF」最終戦の敗戦でやや気落ちの日曜夜。
せめて「団地の二人」でほっこりしてから寝ます。
では「光る君へ 第37回」の考察記録です。
- ・脚本家の腕の見せ所。各回ごとの彰子覚醒を小出し小出しに見せますねえ。
- ・倫子バトルの伏線多数。どこかで爆発でしょう。
- ・その他、今回は通しでまひろを落とす回。「貧富感」「母娘関係」「姉弟関係」「ウイカ」等々。小爆発続いて、年末までにほぐしてくんだろうな。
- ・賢子がきれいに整理してぶっつけてくれて小気味良いね。
- ・赤染衛門の方向転換の仕方は、今年度もっともかっこいい!!
- ・さて、「覆面男」の正体は???キャスト見直したけど、頼通の役者がこの顔じゃなかったっけ。そうだったら、夜道で父親批判をしてたのか??あとに響そっ。
・道長が口を滑らせた「次の東宮」。では今の東宮を飛ばすということ?
・ロバートの「ゆとり」発言に深い意味ある?
・ウイカ宣戦布告の根拠と反撃策は全く予想できませーーん!!
毎熊の隠し子の義賊登場があれば、盛り上がるのにね。
今回休みの「明子」はきっと水面下暗躍中。予告の感じだと、伊周の最後がいよいよ観れそうか!!!
かな?
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今週も長文のご解説を頂き、どうもありがとうございました!!
道長がどうやって皇位継承順を覆すのか、見ものですねえ。
ウイカバトルはきっと架空なのでしょうから、ど派手にやって欲しいです。
ところが、明日は終日遅くまで「小樽」の隅々まで買い物と食べまくりに行きますので、大河は月曜に観ることになりそうです。
ただ、いまだ定子至上の清少納言ですので、素直に称賛するとは思えませんがどうなるんでしょう?
次回が楽しみというかドキドキです。
覆面男…ではなく、あれは方相氏という役割の人で、確証はありませんが庶民ではなく下級ではあっても官人ではないか、と思われます。
やっていたのは、大晦日に行われる邪気払いの追儺の儀式です。ドラマで「鬼遣/鬼儺(おにやらい)」と言ってましたけど。
現代の節分ですね。当時は2月ではなく大晦日に行っていました。
オリジナルキャラで、公式サイトによると名前は双寿丸。武者らしいです。
道長がつい言ってしまった(相手がまひろなので、つい警戒心が緩んだ?)、彰子が産んだ敦成親王(あつひらしんのう)を次の東宮に、というのは現東宮である居貞親王が即位した際に決める東宮の座を敦成親王に、という意味です。
本来なら、一条天皇の一の宮である敦康親王こそが次の東宮であるべき筈なのに、とまひろは驚いて言葉を失った訳です。
今回、道長と同じ正二位に上がった伊周ですが、ドラマでは昇進の御礼言上の場で「一之宮敦康親王、二之宮敦成親王」と道長を牽制というか煽っていましたが、史実では敦成親王の「百日祝い(ももかのいわい)」に呼ばれてもいないのに参加して同様の意味の漢詩を詠んで他の参加者から顰蹙を買ってます。詩の出来自体はとても素晴らしかったらしく、実資が「小右記」で絶賛しているらしいんですけど。
次回は、伊周の呪詛が遂にばれる感じですね。
史実では、今回発登場した叔母高階光子と妻の兄源方理(みなもとのかたまさ)が呪詛の依頼をした、と捕縛され伊周は連座で朝廷への出仕を止められてしまうのですが、今ドラマでは呪詛の首謀者ですからどうなりますことか…楽しみですね。
彰子の覚醒は…
もともと彰子と言う女性はとても聡明な人だったと思います。ですが、何しろ入内が12歳ですから、いくら賢くても経験不足は否めず、とにかく失敗を怖れ引っ込み思案になってしまっていた様です。
皇子を産んだ事で自信がつき、本来の聡明さを発揮し始めた、ということでしょう。
大晦日(おおつごもり)の夜に起きた二人の女房の引き剥ぎ事件は実際にあった事で、ドラマでは被害者の女房達は小袖を着ていましたが、実際は全裸だったらしいです(紫式部日記にはそう書いてあります)。
彰子が被害者の女房達に自身の袿(うちぎ)を下賜したのも事実。
ドラマでは省かれてしまいましたが、被害者の女房達を発見した紫式部は、宿直(とのい)に兵部丞(ひょうぶのじょう/藤原惟規のこと)を呼ぶように言ったのですが、惟規は既に帰宅していて別の人が駆けつけてきたので、式部は日記に「情けない」と愚痴を書いています。
宿下がりで久しぶりに帰った自宅を「みすぼらしい」と感じたまひろですが、それはまぁ、仕方がないなぁ、とは思います。
内裏や土御門殿と、中下級貴族の自分の実家では比べ物にならないのが当然。
都会(東京)に出た若者が、久しぶりに帰った故郷をド田舎と感じがちになる感覚に似ているかもしれません。
まぁ、久しぶりに帰ってきた実家に自分の居場所というものが無くなっていて、まひろも寂しく感じたのではないかなぁ、とは思います。
賢子の言い分は概ね正論ではありましたけど、賢子が最初に「おかえりなさい、母上」と抱き着いたりしていたら、まひろも内裏や土御門殿の事をペラペラ喋る事無く自分がいなかった間の事を色々と娘から聞いていたかもしれない、と思わなくもありません。
素直になれない似た者同士の、典型的なボタンの掛け違い、という感じに見えました。
ところで賢子の主張は概ね正しいと言いましたが、「母上が嫡妻ではないから私はこんな貧乏暮らし~」という言は根本的に違ってますよね。
まひろが嫡妻でなかったから貧乏なのではなく、貧乏だから嫡妻になれなかったのです。
また貧しさのレベルも、第1話の為時の妻ちやは生存時の貧しさや、為時が散位になってから越前守に任命されるまでの困窮に較べたら、賢子が感じる貧しさなど大したことはない筈。
あと8年ほどで賢子も内裏に出仕するので、その時になって母の苦労を知るのかも。
「光る君へ」の脚本大石氏の妙手には、毎回感嘆しております。
隙の無い脚本は、毎回お見事だと思います。
今回も、概ね「紫式部日記」の記載通りでした。
勿論アレンジされていたり、表現を膨らませたりしておりましたけど。
もし現物が残っていたら国宝間違いなしの、彰子が一条天皇に献上した「源氏物語」33帖。
各種の色紙や豪華な表紙などは、京都冷泉家時雨亭の保管されている「幻」の帖(現存する最古の写本で、藤原定家によるもので「定家本」として知られます)を参考にしたのかな、と思わされる豪華さです。
藤壺の女房達が、まるで同人のコピー誌を作っているかのごとく製本していたかどうかまでは式部の日記に記載はありませんが、当時の能書家達に「源氏物語」び清書を依頼する手紙を式部が書いたことは記載されています。
ちなみに「源氏物語」は三部構成と言われており、今回献上された1~33帖は光源氏の誕生から栄華を極める迄を描いた第1部で、光る君の「光」の部分。34~44帖が光源氏の晩年と彼の子供たちを描いた第2部。これは光る君の「影」の部分を描いており、光源氏は若かりし頃の藤壺の中宮との不義密通の報いを受けます。正にブーメランで、嫡妻とした女三宮に若い貴族柏木と不義を働かれて子供まで作られてしまうんですね。
実家に宿下がりをしたまひろが書いていたのが「若菜(上)」と呼ばれる帖で、女三宮の事が書き出されようとしてましたね。(個人的な事ですが、私は光源氏という男がハッキリ言って嫌いなので、「若菜」を読んで「ざまぁ」と思ったのは高校時代の思い出です)
45~54帖は宇治十帖とも呼ばれる第3部で、光源氏死後の話。主人公は第2部で女三宮が不義の末に産んだ薫。表向きは光源氏の子という事にはなっています。
藤壺で行われた「源氏物語」の朗読会については史実かどうかはっきりしませんが、可能性としては低くはありません。
また、一条天皇が「源氏物語」の作者が日本紀(日本書紀)をしっかり読み込んだ上で物語を書いている、と称賛した事は史実です。
朗読会で読まれていたのが「蛍」の帖であることも、心憎い脚本です。
光源氏に「物語は女子供が読むもの」と言わせながら「物語にこそ真実が秘められている」とも言わせているところが、物語作者である紫式部の矜持と言えるものだろうと思いますが、そこをドラマにしたところが