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宿川花梨
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ねえ。アレ持ってきてよ
カテゴリ:
自作小説
2024/09/03 18:53:56
読んでくれてありがとう
宿川花梨
2024/09/08 08:15
おおう。妻にとっては一番大事なのなのだ
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ふみの
2024/09/07 21:50
漆の指輪なんてあるんですね^ ^
時が経ってきっと輝いていたでしょうね。
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宿川花梨
2024/09/03 18:56
9
僕は漆の指輪を妻の元に持って行った。
僕は「漆の指輪持ってきたよ」
妻は今までで一番の笑顔を見せた。
了
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宿川花梨
2024/09/03 18:56
8
夢を見た。
瓦屋根の建物。和服の客が多い中。
僕は「これをプレゼントしたいんだ」
「何よ?薄汚れた指輪」
「漆の指輪だよ。確かに今は薄汚れているかもしれない。でも漆というのは年月を重ねると美しく光り輝く。老後になっても仲良く一緒にいたいからこれを渡したいんだ。
・・・結婚指輪は別に渡すよ。今綺麗な指輪も大事だから・・・」
・・・そんな事を言っていた。
起き上がると僕は漆の指輪を探す。
漆の指輪は年月を重ねれば美しく輝くがガラスのように割れやすい。
妻は箱に入れたまま漆の指輪を保存していた。
でも、自分で動けるときは時々指にはめていたらしい。
包装材はぐしゃぐしゃだった。
9
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宿川花梨
2024/09/03 18:55
7
・・・初めて会ったとき?
結婚指輪でもない・・・
テレビを付けてみた。
お笑い見たところでわからない。
・・・妻とデートした場所を思い浮かべた。
・・・あっ、確か僕と妻だけで何か約束した。
・・・その時、何か妻にプレゼントした。
・・・何だったかなー
8
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宿川花梨
2024/09/03 18:55
6
妻のところに朝食を持って行った。
妻は今日は何も言わない。
次の日も、ただ食べるだけで何も言わない。
・・・一週間たった。妻は何も言わなくなった。
7
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宿川花梨
2024/09/03 18:55
5
僕は「わからないよ。そんなお前の道楽に付き合ってられるか!」と叫ぶ。
妻のアレを持ってきてにストレスが溜まっていた。
妻は「・・・覚えていないの?はじめてあなたが付き合うって話した時、そのアレをくれたのよ」
僕は「わからないよ。僕は限界だ。・・・寝る」
妻は何も言わずに僕を見ていた。
6
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宿川花梨
2024/09/03 18:55
4
妻は変わらず「ねえ。アレ持ってきてよ」と言う。
僕は「わからんよ。アレって何だ?もしかしてからかっているのか?」
妻「今でも愛しているからアレを持ってきてって頼んでるの。
・・・ヒントはね。愛の記念・・・ね。それであなたはあたしに永遠に愛すと誓ったのよ」
・・・そうすると・・・あれかな?
妻の宝石箱を開けると結婚指輪を探す。
結婚指輪を持って行く。
妻は「違うわ。だいぶ近づいてきたけど・・・アレを見つけるまで続けるわよ?」と言う。
5
違反申告
宿川花梨
2024/09/03 18:54
3
妻「ねえ。アレ持ってきてよ」
僕は「ヒントくれよ」と言う。
妻は「愛し合う証明のような物よ」
・・・ああ、あれか・・・
僕は押し入れをひっくり返したりするかのように探し回った。
・・・ああ、机の一番下の奥に隠したままだった。
僕は妻に「これだろ?」と言ってそれを見せる。
妻は「・・・違うわよ。・・・でもよく残っていたわね」と冷静に返す。
それは散々愛し合うために使った大人の玩具だった。
「とにかく違うわ」
4
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宿川花梨
2024/09/03 18:54
2
昔を思い出した。
と言っても20年前だ。
今が還暦の60歳だから僕も妻も40歳の頃の話だ。
・・・子供が独り立ちして家を出た・・・
そうして妻が部屋の片付けをしていたら・・・階段から落ちて足の骨を折った。
妻はまた、「ねえ。アレ持ってきてよ」という。
アレがわからない。
子供たちの手紙だろうか?持って行ってみた。
妻は「違うわよ」と言う。
*
子供たちが大学を卒業し就職しても妻が怪我したときは帰ってきたが今は仕事が忙しく余裕が無いらしい。
子供たちは帰ってこない・・・
だいたい子供の事をアレという言い方はしないだろう。
3
違反申告
宿川花梨
2024/09/03 18:54
1
「ねえ。アレ持ってきてよ」
還暦を迎えた妻は今でもそういうことをいう。
だけど妻が言うアレの正体がわからない。
「ヒント。あなたがあたしにくれたものよ」
そうは言うがこれまで妻にプレゼントしたのは多くそれがどれだかわからない。
僕は「わからないよ。言ってくれよ。そのアレという名称を」と言う。
妻はぷいって後を向くと「もう知らない!」って言う。
*
部屋の掃除をしてみた。
妻が事故で寝たきりになってから掃除する者が自分以外にいないのだ。
・・・ああ、これか・・・
この前、還暦祝いに妻と温泉旅館に行った時の記念写真だ。
僕は妻のもとに駆け寄ると「これのことかい?」と言って記念写真を見せる。
妻は「違うわよ!!」と言って怒るのだ。
*
次の日。
妻は「ねえ。アレ持ってきてよ」と言う。
・・・また始まった。
僕は「わからないよ」と返す。
妻は「ヒント。それをくれたのはもっと昔」と言う。
僕は考える・・・
・・・ああ、そう言えば・・・
僕は健康食品の青汁を持ってきた。
妻は「違うわよ」と言う。
僕は「何時までも一緒に健康で居ようって持ってきたよ?」
妻は「それを貰ったのはもっと昔よ?」
2
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宿川花梨
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2020年04月 (21)
2020年03月 (127)
時が経ってきっと輝いていたでしょうね。
僕は漆の指輪を妻の元に持って行った。
僕は「漆の指輪持ってきたよ」
妻は今までで一番の笑顔を見せた。
了
夢を見た。
瓦屋根の建物。和服の客が多い中。
僕は「これをプレゼントしたいんだ」
「何よ?薄汚れた指輪」
「漆の指輪だよ。確かに今は薄汚れているかもしれない。でも漆というのは年月を重ねると美しく光り輝く。老後になっても仲良く一緒にいたいからこれを渡したいんだ。
・・・結婚指輪は別に渡すよ。今綺麗な指輪も大事だから・・・」
・・・そんな事を言っていた。
起き上がると僕は漆の指輪を探す。
漆の指輪は年月を重ねれば美しく輝くがガラスのように割れやすい。
妻は箱に入れたまま漆の指輪を保存していた。
でも、自分で動けるときは時々指にはめていたらしい。
包装材はぐしゃぐしゃだった。
9
・・・初めて会ったとき?
結婚指輪でもない・・・
テレビを付けてみた。
お笑い見たところでわからない。
・・・妻とデートした場所を思い浮かべた。
・・・あっ、確か僕と妻だけで何か約束した。
・・・その時、何か妻にプレゼントした。
・・・何だったかなー
8
妻のところに朝食を持って行った。
妻は今日は何も言わない。
次の日も、ただ食べるだけで何も言わない。
・・・一週間たった。妻は何も言わなくなった。
7
僕は「わからないよ。そんなお前の道楽に付き合ってられるか!」と叫ぶ。
妻のアレを持ってきてにストレスが溜まっていた。
妻は「・・・覚えていないの?はじめてあなたが付き合うって話した時、そのアレをくれたのよ」
僕は「わからないよ。僕は限界だ。・・・寝る」
妻は何も言わずに僕を見ていた。
6
妻は変わらず「ねえ。アレ持ってきてよ」と言う。
僕は「わからんよ。アレって何だ?もしかしてからかっているのか?」
妻「今でも愛しているからアレを持ってきてって頼んでるの。
・・・ヒントはね。愛の記念・・・ね。それであなたはあたしに永遠に愛すと誓ったのよ」
・・・そうすると・・・あれかな?
妻の宝石箱を開けると結婚指輪を探す。
結婚指輪を持って行く。
妻は「違うわ。だいぶ近づいてきたけど・・・アレを見つけるまで続けるわよ?」と言う。
5
妻「ねえ。アレ持ってきてよ」
僕は「ヒントくれよ」と言う。
妻は「愛し合う証明のような物よ」
・・・ああ、あれか・・・
僕は押し入れをひっくり返したりするかのように探し回った。
・・・ああ、机の一番下の奥に隠したままだった。
僕は妻に「これだろ?」と言ってそれを見せる。
妻は「・・・違うわよ。・・・でもよく残っていたわね」と冷静に返す。
それは散々愛し合うために使った大人の玩具だった。
「とにかく違うわ」
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昔を思い出した。
と言っても20年前だ。
今が還暦の60歳だから僕も妻も40歳の頃の話だ。
・・・子供が独り立ちして家を出た・・・
そうして妻が部屋の片付けをしていたら・・・階段から落ちて足の骨を折った。
妻はまた、「ねえ。アレ持ってきてよ」という。
アレがわからない。
子供たちの手紙だろうか?持って行ってみた。
妻は「違うわよ」と言う。
*
子供たちが大学を卒業し就職しても妻が怪我したときは帰ってきたが今は仕事が忙しく余裕が無いらしい。
子供たちは帰ってこない・・・
だいたい子供の事をアレという言い方はしないだろう。
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「ねえ。アレ持ってきてよ」
還暦を迎えた妻は今でもそういうことをいう。
だけど妻が言うアレの正体がわからない。
「ヒント。あなたがあたしにくれたものよ」
そうは言うがこれまで妻にプレゼントしたのは多くそれがどれだかわからない。
僕は「わからないよ。言ってくれよ。そのアレという名称を」と言う。
妻はぷいって後を向くと「もう知らない!」って言う。
*
部屋の掃除をしてみた。
妻が事故で寝たきりになってから掃除する者が自分以外にいないのだ。
・・・ああ、これか・・・
この前、還暦祝いに妻と温泉旅館に行った時の記念写真だ。
僕は妻のもとに駆け寄ると「これのことかい?」と言って記念写真を見せる。
妻は「違うわよ!!」と言って怒るのだ。
*
次の日。
妻は「ねえ。アレ持ってきてよ」と言う。
・・・また始まった。
僕は「わからないよ」と返す。
妻は「ヒント。それをくれたのはもっと昔」と言う。
僕は考える・・・
・・・ああ、そう言えば・・・
僕は健康食品の青汁を持ってきた。
妻は「違うわよ」と言う。
僕は「何時までも一緒に健康で居ようって持ってきたよ?」
妻は「それを貰ったのはもっと昔よ?」
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