【第3話】シン・ラジオ・ガール
- カテゴリ:日記
- 2024/08/23 20:56:02
まあ 俺はそんな幼いような乱暴な、それでいて(ベビーフェイスっぽい。で、スタイルもけっこいい)案外男子生徒人気の高いマッキーとボヤボヤ過ごしてたんだ。
1週間のうち、最低3日は部室に行く。
もちろん、天文学の事なんて何も知らない。
部室で会えば、マッキーとケンカ半分で言い合いをする。
時にはクッションが飛んでくる。
そんな、異常で普通だとは思えない日常を過ごしてた。
そりゃ顧問だって何も知らないんだからまあいいだろう…て、のんびり思ってた。
そんな日々を過ごしてた、夏休み前のある日だ。
「せんせー もういいから真面目に指導してよ」
「お前が駄目だから指導も何もできねーんだよっ 反省しろっ!」
ある意味日常的ではあるけど、普通に考えたら異常な部活(と言えるのか?)やってた最中。
部室のドアが開いたんだ。
ワイワイやりあってた俺と先生は一瞬固まった。
「あのぉ… 入部したいんですけど…」
小さな声でそう宣言した、おそらく新入生であろう女子生徒が一人、ドアのところに立っていた。
ぇ?まぢ?
こんないい加減な文化部に、新入生が?
頭の中を「はてな?」がピコピコ点滅するのって、初めての経験だ。
しかも俺は女子慣れしていない、いわゆる暗い、ダーク系男子だ。
先生だって、俺とはやいのやいのってケンカはするが、俺はわかっていた。
先生もコミュ障なんだ。
それ言うと恐らく記憶無くなるくらいの延髄切りが来ることはわかってたので黙ってたけどね。
「あ…いいけど… てか君は?」
「私は1年の甲斐名都(かい なつ)です。星を見たこともない初心者ですけど、ご指導よろしくお願いします!」
元気な子だ。
ちょっと見には、美少女?
ま それは言いすぎかもだけどさ。
ぼーっとその女子見てたら、意表ついて俺の後頭部に衝撃が走った。
「なんでセンセー、蹴るんだよっ」
「うっさい!鼻の下伸ばしてるおめーがうざいんだよっ!」
抗議する俺に、目を吊り上げて、顔を赤くして、興奮してる様子の
凄い顔をして俺の方を睨むマッキーがいてさ。
「えっと…槇村先生(いや槇原だが…)ですよね? 3年の…(はっとした表情になり)天文学部の顧問だったんですね?」
甲斐女子は俺をチラッと見て、マッキーの方に話しかける。
こらこら 今のシチュ見て、そんな冷静な判断できるのか?って思ったりしてね。
でもマッキーはダメダメだった。
「顧問…そうそう 肛門じゃないよっ」
ギャグのつもりだったんだろうけど、一瞬部室の空気が氷点下100度まで下がった。
バカかこいつ。
でもこのままの状況ではヤバいっしょ。
この空気を一新させるように立ちあがる俺。
まさにヒーローだな(自分で言ってるだけだから許せw)
「あ、俺が部長だよ。
入部は無条件オッケー。でもさ、俺も顧問の先生も、星の事なんて全く分かんないんだけどなあ。それでもいいのかい?」
そう言いながら立ち上がるとさ、スマホからイヤフォンが外れてしまって。
以前ラジオから流れて、好きになった『ハッピーエンド』がスピーカーから流れちゃった。
”蒼いまま枯れてゆく あなたを好きなままで消えてゆく~…♪”
「お前は私と話してるのに、音楽聞いてたのか?」
マッキーの表情が険しくなる。何だこの大人は?って思うが早いか、頭をはたかれた。
この先生はいったい何考えてるんだ?
すると、表情を一気に柔らかく変えた甲斐が
「あ、バックナンバーですね。私もその曲好きなんですよ」
無邪気に笑う甲斐女子を見ては、俺も
「分かってるんだ?…」
そう声を絞り出すのがいっぱいいっぱいだった。
だってね。
俺はリア充とは程遠い、クラスのカースト下級の存在だ。
クラスでも友達もいない。ボッチ男子だったんだ。
部活もこのマッキーだけしかいない(しかも顧問)からね。
世間の評価基準から言って、かなりレベル高い女子と話すなんて。17年の人生でも初めてだったからね。
でも甲斐女子は、そんなことを意にも介さずに話しかけてきたんだ。
「部長さんですか。顧問の先生まで…よろしくお願いいたします」
「なあ オマエ。こんな文化部に、こんなかわいい女子を入部させるのか?
世間様になんと申し開きするんだ? 断れ
断れっ
何でマッキーこんな時に、俺の耳元で囁くんだ?(続く)
〇陰キャ
私の頃は、厳しい先生ばかりでした(^_^;)
思うまえに笑ってしまっていた。
先生「〇〇じゃないよっ」とか「断れ」とか偉大ですo(〃^▽^〃)oあははっ♪
少し違う感情もあるのかな?とか。
これは三角関係??どうなってくのかな。。。
次回待ってます