Nicotto Town


あなたに会えてよかった♪


【第1話】シン ラジオ・ガール


※これは数年前に書き上げた小説です。
自分自身でも結構気に入ってるんで… やや時間ができたので、過去の作品をブラッシュアップして(やっぱ、見直すと色々不具合があって)再アップって感じです。
ですんで…、まぁ、あんまり深く考えずに読んでいただければ幸いですよ(≧▽≦)

これは、高校生の頃の俺の話だ。
今でも忘れられない、苦しいけれどピカピカ輝いている、そんな話。
きっと一生忘れられないんだろうな、って思ってる。
他の人にはただのうざい思い出話かもしれないけど… まあいいさ。
そういうもんだって認識はしてる。
でもさ、ちょっと聞いて欲しい…って思ってね。
だから、のんびりと話し始めてみようかってさ(苦笑)


俺はラジオが好きだ。

ラジオが好きと言っても、特に何か贔屓の番組があるわけでもなく、ただ学校の課題をシコシコこなしたり、ちょっとした時間にスマホ弄ったりしながら流れてくるクルーのトークを聞いたり、音楽に合わせてちょっと体揺すったり。そんな事やってるってゆー、世間一般のリア充とは程遠い、まあ言わば「イタイ」奴だったわけだ。

クラスにも馴染めず、授業が終わると速攻で寮の部屋に戻る。
(あ、実は俺は寮生。割と進学校なので越境入学したんだ。中坊の頃はこれでも神童扱いに勉強できたんだけどな)
着なれない制服が何となく似合って来た頃、夏服に衣替え。
またまた一からやり直すのめんどくせーな なんて思ってたり。

友達もいないし、テレビは寮の規則で禁止されていたため、実家のオヤジがくれたラジオ(古いんだよ。デジタル表示なしってさw)を聞き始めたのがそもそもの始まりだ。

その日もいつものように漠然とチューニングダイヤルを回して適当な局を見つけ、それでも勉強だけは真面目にやろうと英語の問題集を開いたところだった。

流れてきた曲。
俺は音楽にはほとんど興味がなく、JPOPだロックだラップだと騒いでいる同級生のことを心の底で軽蔑していた…くらいのレベル。

聞いたこともない曲だったが、なぜか心惹かれた。
切ないメロディーに乗って、透明な男性の声。畳みかけるような切ない歌詞が容赦なく心に飛び込んでくる、そんな曲。
ぼんやり聞いていたため、ラジオクルーの曲名紹介を聞き逃していたのはやはり間抜けだったな。

俺は問題集に向けた意識をラジオに移していった。
意図していたわけではない。

その曲に没頭してしまったんだ。
いわゆる「ハマった」って感じだな。
『なんだなんだこの曲… めちゃいいじゃん!!』
そう思ったんで後悔したんだけど、DJクルーが曲終わりに曲名やアーチストの紹介をしてくれるかもって期待して。
聞き逃すまい、と耳をそばだてていた。

すると曲が終わって、クルーが話し始めた。
名前も知らない女性クルーの声が部屋に響き始めた。俺は息を飲んで聞き入った。

”リクエストしてくれたのは、○○県○○市のラジオネーム、ソニーさんです”

『へぇ、○○市って言えば、俺の実家と同じだな』
しかも俺が持っていたのはSONYのラジオ。妙な偶然ってあるもんだなって思って。

”ソニーさんからのリクエストメッセージです。
『私は○○市に住む17歳の女子です。
1年くらい付き合っていた彼に、突然、先週他に好きな人ができたって振られてしまいました。ボロボロ涙が溢れて仕方がなかった時、この曲を聞きました。

なんだ 私と同じじゃん?って思って。

最初は涙が出て止まらなかったけど、何度か聞いてるうちに元気が出てきて。
不思議ですよね。こんな悲しい切ない曲なのに、聞いてると少し元気が出たんです。

彼と同じ空気を吸って、彼と並んで歩いて、彼と向かい合ってお茶を飲んだり。遊園地で観覧車に乗ったりして、楽しかったこの1年が愛おしく思えて。

でもちょっとまだ引きずってるかな(笑)』”

17歳かあ 俺と同じ年だな。
俺なんて「彼女いない歴=年齢」だし、この子は俺より上行ってるんだな。なんて考えたりしていた。

クルーのトークが続く。

”ソニーさん。今は悲しいけどこれからまだまだ新しい出会いがいっぱいあるよ。いい思い出だって大事に心の中に仕舞っておいてね。
素敵な出会いを祈ってますよ”

と続けてCMに入った。

おいおい
曲名紹介なしかよっ!って

最初はこんな感じだった。

でも気になって仕方がない。この曲は何てタイトルなんだろう。
誰が歌ってるんだろう。
俺はやや焦り気味に、スマホ掴んで、このラジオ番組がたまたま生放送だったので、メールを送ってみた。 曲名とアーチストが知りたくて慌てていた。
普段の俺なら決してこんなことはしないけど、何か予感のようなものがあったんだろうな。

するとびっくり。
番組の最後、エンドテーマが流れるタイミングでこの女性クルーがラストメッセージを読み始めたんだ。

”えっと、最後のメッセージは、○○市のラジオネーム パナ さんです。
『私は○○市に住む17歳、高校生男子です。
さっきソニーさんがリクエストして流れた曲と、そのアーチストの名前が知りたいです。すっごいいい曲でしたよね。
ソニーさんの心が癒されたのが良く分かるいい曲でした。
よろしければ教えてください”

俺のメールメッセージだった。
ええええ?読まれた?まさか???

自分のメッセージが読まれたことが愕きで、テンパってしまったんだ。

”ソニーさん、きっといい出会いがありますよ。だから前向いていきましょうよ。
俺は彼女ができたことがない未熟者ですが、偉そうに言いますが、きっとそうですよ』
って いいメッセージですね。 パナさんありがとうございます。
この曲のタイトルとアーチストは…”

終了間際に 
バックナンバーの ハッピーエンド って曲だと紹介されたんだ。

これが、すべての始まりだった… (続く)

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2024/09/18 12:35
また読んでみる
新鮮♡♡
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2024/09/10 19:21
校正、しっかりしていますね。
頑張って下さいね♪
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2024/09/02 23:49
淡い感じの青春ストーリーの始まりという感じですね。
その後の出会いとかあるのか気になりました。
今日はここまで、1つ1つ読んでいきますね。

バックナンバーのハッピーエンドは大好きな曲なので、その曲がどう影響されてくのか
それも気になります。
もしかしたら全く関係ないのかもだけど。
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2024/08/26 18:31
こんばんは~お加減は如何ですか~
イベ達成して落ち着いたので読み始めましたよ(´艸`*)
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2024/08/24 01:44
バックナンバーのハッピーエンド聞いた事なかったから、さっそく聞いてみた☆感想はこっちの日記のコメントの方に書きますね☆
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2024/08/21 00:10
けーすけさん、久々のお話しですね♪
ブラッシュアップなら結構早く読めるのかな~??

楽しみに待ってますね
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2024/08/19 02:56
今日更新されてたけど、体調はいかがですか?
入院が長引きません様に♬♡

初めて読ませて頂きましたが、青春の思い出の素敵な物語ですね。
バックナンバー好きですよ(*^▽^*)




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