Nicotto Town



都知事選が終わりました。

都知事選、どう思う?という質問をお友達にされたので、ちょっと考えてみました。珍しく真面目な日記だぞw


小池さん当選というのは、まあとりあえずは順当な結果、というところでしょうかね。

小池さんを何が何でも下ろすという強いネガティブ要因がない中で、現状維持バイアスがかかっていることは大きいと思います。
それから、投票者の約3割が重要課題としていたという子育て支援について、その内容の良否の細かい判断はともかく、現実的な成果を出して来たし、これからも続ける具体的な実施項目が挙がってきているわけで、23年度の東京都の合計特殊出生率が0.99になったことが6月に報じられたことのインパクトもあるでしょうし、こうなってくると小池さんは有利ですよね。

対抗馬の最有力候補の蓮舫さんは、結果的に石丸さんにも届かず3位に沈みましたが、実は論点は悪くなかったと思っています。小池さんが子育て支援なら、蓮舫さんは若者の収入UPを大きくフィーチャーしていた。それは妥当だろうと思います。

合計特殊出生率が0.99というのは、若年層人口の多い東京都では確かに低く出がちということはあれど、それにしても1を切るのかと捉えられたかと思います。しかし、確かに東京は既婚率や出生数が低い傾向にありますが、進学状況や就業状況など諸々を考えれば当たり前の話です。
そして、全国という事で言うと、実は「結婚している女性がどのくらい子供を産むのか」という数字は、実は何十年も前からそんなに変わっていないようです(この数の出し方にも、完結出生児数とか有配偶出生率とか色々あるのですが、総じての話です)。とある指標では、むしろ増加していたりもするようです。

つまり大雑把に言うと、結婚している女性は、今も昔もさほどは変わらず子供を産んでいる、ということ。裏を返すと、結婚していない男女=子供を授かっていない男女(結婚してなくても子供はもちろん産めますが)を減らすことを考えないと、子供は増えない、という事になります。
むろん結婚したくないからしない層が、昔よりも多いのは事実でしょうが、結婚したいのにしていない層も増えている。そしてその中心は、20~30代の収入の少ない層に集中しているのも事実。

なので、蓮舫さんが「小池行政をリセット」といって反感を買ったのは、実は第二子、第三子の出産費用の補助や、高校生の学費無償化のメリットを目先で受けられる、「結婚できて産めた」人たちからであり、そもそも結婚する、子供を作るという選択に乗れない=子供を増やすため本質的にどうにかしないとならない層ではない、という可能性が想定できると思います。

そういう意味では、蓮舫さんが「若者の収入UP」という論点を先頭に持ってきたことは、対症療法ではないところを優先させるということで、妥当だったのだと思っています。なのですが、じゃあどうやって?が出てこない。
これに対して、小池さんのあれこれ無料という施策は、乱暴に言えば都として財源が確保できさえすれば実施可能なわけで、非常に実効性が高い。そして実績もあるから、次の施策への期待感も上がる。
蓮舫さんが沈没した理由の、結構大きなポイントはここじゃないかと思います。

じゃあ石丸さんは?ということですが。

石丸さんは、地元の市町の任期を残し、辞職をして都知事選に出ました。
当人曰く、投げ出したわけではなく、長い意味での地方の活性化のためには、東京という首都との関係性の中での取り組みをせざるを得ないから、都知事選に出るのだ、という理由でした。具体的には、東京は過密と一極集中がこれからも進み、しかしその維持のための投資は遠くはない未来に人口減少の流れから無用になっていく。そうなる前に、地方と首都の役割分担を合理的に考え、必要な分散をしていく中で、余裕のある都市部と必要な機能を抱えて一定の存在意義を持つ地方のバランスが取るんだ、と。

言いたいことは理解します。
でも、いつも私はこの手の話が出ると、思うことがあります。

なぜ、地方を救わなくてはならないのか。
消滅可能性自治体は、なぜ消滅してはならないのか。

極論、その地域でどうしても行わなければならないような、例えば農業とか漁業のような産地が限定される第一次産業や、広大な土地が必要となる第二次産業などが必然性を持って残り、それを支えるために必要な範囲の自治体が必要になることは分かりますが、じゃあそれ以外の理由で地方は消えてなくなり、東京や大阪など大都市のみが残るという事では、なぜダメなのか。人口減少の流れの中で、コンパクトシティが語られる今、なぜコンパクトジャパンではダメなのか。
生まれ育った町を残したいとか、そういう感情論ではなく、経済的政治的な合理性としての説明を、あまり私は聞いたことがありません(ないとは言いません)。

そしてもう一つ。

大都市だけ残ったんじゃダメなの?という先ほどの話は置いておくとして、確かに地方分散という理屈は分かるのですが、そういったことだけが東京を語る切り口なのでしょうか。
過密では、なぜいけないのか。ある意味で、過密であること、過剰に中心的であることによって、都市は有機的な混沌や、そこから生まれる文化を作って来たとも言えます。都市部ゆえの貧困問題や、犯罪など、ネガティブな要素も山の様にあるでしょう。その価値判断を個別にここでしようとは思いません。でも、そもそも都市とは何なのか。政治家的な発想の外側にも、考えるべきことは色々とある。

いずれにしても、今回の石丸さんは情報発信の量や使い方が他の二人よりも功名だったようですし、やっぱりディベートの如く、ヨレヨレの地方議員のオッサンを論破しブッタ切っていく市長時代の姿からの、イメージ優先での得票が相当あったはずです。
ですが、小池さんや蓮舫さん(蓮 舫さんなので、ホントは蓮さんですよねw)の分かりやすい子供がどうとか言う話しに比べて、石丸さんの話は難易度が高い。無駄の排除とかいう論点もありましたが、善戦しつつ、しかし小池さんに迫るまでは行かなかったのは、そのへんかなとは思います。

ちなみに、わたしは石丸さんの、相手を論破すること、相手の口を封じることを目的にしたような典型的なディベートスタイルの議論の仕方や、立ち振る舞いは、ちょっと嫌いです。


ということで、話を冒頭に戻すと、まあ小池さんという結論は、順当だったんだろうなと思います。
思いますが、じゃあ小池さんがブッチギリで誰もついてこられなかったのかと言えば、ほぼ半数の得票で蓮舫さんと石丸さんが続いていた。つまり、仮に蓮舫+石丸陣営というものが成立していたら、小池さんは辛くも当選、という状況です。もちろん現実的に蓮舫+石丸陣営なんてものは成立しないでしょうが、単純に数の話だけで言えば、そこまで小池ブッチギリではなかったという事は、留意しておくべきだろうなと思いますけどね。




思いついたことをダラダラ書いただけなので、これといった結論も起承転結もなくてすみません。

てなことで。
ではでは。

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2024/07/15 10:53
日本の経済低迷の原因は、アベノミクスだと言われてますよね。
デフレ不況の時の国の経済対策は、中央銀行が金利を下げて、財政出動することだと思いますが
アベノミクスは、金融緩和は実行したけど肝心の財政出動をしなかった。それが大失敗だと思います。
金利下げて、消費税率2回も上げて、アクセルとブレーキを同時に踏んでいました。
金利上げただけで、減税もせず増税までやって、社会にお金を投入せずデフレ脱却できるわけないですよね…
その反面、アメリカはコロナ騒動以後、大胆に財政出動して景気回復させました。遅れを取った日本は金利を上げられず、日米の金利差が開いて円安に苦しんでいます。
結局、財務省と自民党のタッグの結果だと思います。
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2024/07/13 23:11
>小泉内閣の時に、非正規雇用が拡大された影響
それは原因の一端として確実にあると思いますが、アベノミクスの影響が大きいかなと思います。一般体にも、そう言われることは多いと思います。2010年前後で、グローバルな日本の立ち位置は、ずいぶんと変わってしまったと思います。
ちなみにビックマック指数というのがあるのですが、非常に面白いけど、悲しくもなります。マクロな意味での経済ではなく、個人消費レベルでは、日本の経済力は東南アジア以下まで落ちてしまっている現実を突きつけられます。もっとも国内にいると実感がわかないので、データで見れば、という感じ鳴ってしまうのですが。。。
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2024/07/13 20:14
小泉内閣の時に、非正規雇用が拡大された影響ではないでしょうか?人を安く雇い、大企業や資本家が肥え太るシステム。
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2024/07/12 15:25
税金が高いことよりも、なんでこんなにも日本は給与水準がグローバルに見て低いのか、です。たぶん。
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2024/07/12 11:41
政治の質は国民の(政治への関心度合の)質、という事ですね。
私自身も少し前までは関心ない層だったので;
昔と違って今はネットも普及して、情報を自分で取りに行ける環境があるので、変わっていっていると信じたいですね。
(共和制はよく知らないので調べてみます)
貨幣価値…確かに40年前に比べて物価は上がってますが、実質賃金は下がり続け、GDPも上がらず、貧困化し続けている中の70兆超えは、税金取り過ぎです。ただの虐待です。
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2024/07/11 12:45
>とんとんさん
そうですね。石丸さんは政策や主義主張の良し悪しではなく、人物的に厳しいですね。
蓮舫さんの「ユメも希望もむしり取られそう」っていうのは、なんか分からんではない気がする。むかし話題になった、スパコンの「なんで1位じゃないとダメ?2位じゃダメなの?」っていうのがありましたが、ああこれはダメだなって、あの時思いましたけどね。それが分からないんだ、この人はっていうのは、結構致命的だと思った。
ていうか、あの人が首長になる姿が、なんだかイメージ湧かないんですよね。。。
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2024/07/11 11:06
>かなぶんさん
かなぶんさんのところで何度か書きましたが、民主主義とは歴史的には愚集政治と実質同義に扱われてきたこともあります。政治家を選び、選んだ人の為政をジャッジ出来るという事は、それをキチンと理解できるスキルがあるということで、要するに自分自身が為政の側にまわれるだけの能力のある人たちが民衆の大半を構成していない集団における民主主義は愚集政治だ、と言えてしまうという事です。だからこそ、裏を返せば「国民はその民度に応じた政府しか持てない」という話になるわけです。我が身を振り返ると、肩身の狭い気分になりますが。。。
余談ですが、わたしは民主主義というよりは、共和制という言葉の方がしっくりきますけどね。もっとも共和制の行きつく先はアナキズムになると思うので、現実的に実現できるのかというのはありますが。

税収70兆円は物凄いですが、貨幣価値は時代のよって違う事には留意ですけどね。たとえば昭和が終わる頃の物価で考えると、大雑把に言えば現在の半分強というところではないかと思いますなので。現状の70兆円とは、40年前の35兆から40兆円、ということですね~。
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2024/07/10 21:50
もえーんさん、コメント読みましたよー!ありがとうございます。
無党派や浮動票の人達の多くが政治に関心がないと、イメージだけ、snsでよく目にしていて、何となくやってくれそうという雰囲気で決めて正しい判断ができなくなる、今回の選挙結果でそれが現れたと思います。
民主主義って…良い面もあるけど、悪い面もあると、考えさせられました。

あと所得のことですね。都知事選とはちょっと離れますが…
お金が不足していると、当然お金を使う事をためらいます。
需要が減ると、当然企業の利益は減り、所得も下がります。
国民が貧困化しているのに、今年の税収が70兆超えて過去最高って、異常です。
搾取し続けるのにストップをかけて、みんなが使えるお金を増やしていかないと、所得も上がらないです。
消費税は減税もしくは廃止して、社会保険料は減額必須です。
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2024/07/10 17:55
東京都知事選は、現職が立候補したら当選する、という法則がずっと続いているんですよね。
とりあえず、私は百合子ちゃんがまた東京都知事で嬉しい。
あの堂々とした雰囲気、そして上手に「女」を使って可愛い雰囲気も出す。
あんなふうにはなかなか成れないものです。

石丸さんのことはYouTubeで割と観ていて都知事選に出る以前から知っていたけれど
あのまんまじゃ誰もついてこないなと思う。

蓮舫さんは・・・ユメも希望もむしり取られそうで好きじゃない。

そりゃ選挙は好き嫌いだけで判断したらいけないけれど、
嫌だと思う人には自分の一票を託したくないですからね。
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2024/07/10 17:12
あれ、コメント消えたな。。
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2024/07/09 23:44
たくさん評論ありがとうございます!
やっぱり…小池さんは選挙を勝ち抜くのが上手かったという事ですね~…
候補者同士のテレビ討論会を拒否したり、
都合悪い事には、逃げて逃げて上手くやって、また都知事の椅子を獲ったという印象です。
蓮舫さんは、少子化の原因は理解していたけど
若者の所得を上げる、具体的な対策を上げなかったのが響かなかったのもあるのかもしれないですね。
でも小池さんの独裁都政を終わらせてくれる人だと思っていたので、残念です。。
衝撃だったのは、石丸さんていう人が、蓮舫さんの票を抜いて2位だった事ですね;
しかも10代20代の得票が多い…
私もこの人は、常にマウントを取ろうとして、人間的に嫌いです。。
(私は東京の一極集中じゃなく、地方に分散させるという考えは、同意しますが)

今回の都知事選挙の結果は、日本の現実を突きつけられました。。






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