Nicotto Town


どんぐりやボタンとか


ことばのあみもの (8)

この曲はHusking Beeが日本語の歌詞で歌い出した頃の一曲。



欠けボタンの浜


月の色に似た ボタン拾いポケットに
いつだったか? あの人と見上げてた月の色に似てた

太陽の色に似た ボタン拾いポケットに
いつだったか? あの海に沈む太陽の色に似てた

おぼろげ黄色いボタンは
僕の夜が暗い時に
艶やかオレンジボタンは
もう朝のサイレン 鳴らない時に

流れ 流れてゆくなるか?
欠けボタンの浜で 波にたずね アデュー 空っぽは置いてきぼりだ そう 波つぶやいて 少し杜切れたよ



たぶん、中原中也の詩、「月夜の浜辺」のオマージュと思われる。
おれの好きな詩なので、初めて聞いた時にすぐにそう思ったの。



月夜の浜辺

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂(たもと)に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
月に向ってそれは抛(ほう)れず
浪に向ってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?



この詩、めっちゃ好き。


Huskin‘のこの歌はさ、Hi standard やアメリカのパンクに影響されてずっと英語で歌ってたハスキンが日本語で歌い始めた初めの頃の歌なんだよ。
ハスキンのWalkとか好きな曲はいくつかあるけど、日本語で歌い始めてからの方がよりのびのびしてるように思えるんだよな〜。

良い曲なので気が向いたらぜひ。

https://m.youtube.com/watch?v=_Wh1X-602FM




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