泉鏡花の『海神別荘』
- カテゴリ:日記
- 2024/05/02 11:24:34
今度のイベントは水族館なので、
泉鏡花の『海神別荘』のようなコーデに着替えてみました。
『海神別荘』は、
人里から美しき娘を迎えた海の公子のお話。
娘を迎える代わりに、
公子が娘の親に送った品々を、
公子に仕える僧都が読み上げていきます。
僧都:紺青、群青、白群、朱、碧の御蔵の中より、この度の儀につきまして、
先方にお遣わしになりました、品々の類と、数々を、
念のために申し上げとうござりまして…。
真鯛大小八千枚、鰤、鮪、ともに二万疋。鰹、真那鰹、各々一万本。
大比目魚五千枚。鱚、魴鮄、鯒、鰷身魚、目張魚、藻魚、合わせて七千籠。
若布のその幅六丈、長さ十五尋のもの、百枚一巻九千連。鮟鱇五十袋。
虎河豚一頭。大の蛸一番。
さて、別にまた、月の灘の桃色の枝珊瑚一株、丈八尺。
周囲三抱の分にござりまして。
ええ、月の真珠、花の真珠、雪の真珠、いずれも一寸の珠三十三粒…。
かように、泉鏡花の文章は、
タイやヒラメの舞い踊り~♪
といった竜宮城の描写とは、雲泥の差なのでございます。
しかし、漢字変換が大変だった~。
私もATOKを使用してますが、
たとえATOKであっても、泉鏡花の文章は当て字が多いため、
読みを入れただけでは、漢字が出てきません。
仕方がないので、手書き入力で漢字を探し当てました。
そして今、読み返してみると、
入力した自分でも漢字が読めない… ☆\(ーーメ)
そのためか、岩波文庫の『海神別荘』は、
ふりがなだらけです。
辞書を引きながら読む泉鏡花の一節…。これ変換が大変だったでしょうね。
目張魚と藻魚を別に書いているってことは、メバルは藻魚の中に含まないのか~とか、
1尋6尺(30㎝×6)×15の長さって相当立派なワカメよねとか。
調べながら読みました。私はATOKを入れていますが、それでも難儀です。
それでも意味が分かって口上として読むと、リズムがちゃんとあって読みやすい。
うん。読むほうの教養が足りないと反省しました。とほほ。