おそロシア
- カテゴリ:日記
- 2024/03/15 22:08:41
本日、毎日新聞の主催の講演会をオンラインで見ていました。
「ロシアとウクライナ 終わらない戦争の行方は」というタイトルで、この戦争の開戦以降にメディアにもよく出てくる小泉悠さんをゲストで迎えたものです。
まあ色々な話もあり、各論としては興味深い部分もたくさんあったのですが、結局この戦争はどう終わるのか、終われるのかという核心部分は、そうは明確に言ってはいないものの、暗には ”ウクライナや西欧諸国が納得できるような落としどころでは終われない” という流れになってしまう。
いや、そこは普通に考えたらそうだろうなんてことは視聴している側だって分かっちゃいるけど、じゃあそれを少しでもマシな落としどころにするにはどうしたらいいのかというアイデア的な部分をロシア専門家としてもう少し突っ込んで欲しかったけど、状況分析以上の話には展開しきらず、モヤッとして終わってしまいました。。。
こういう条件で終わらせなきゃいけない、という話にはなるんですが、いやだからその落としどころを実現するアイデアですよ、皆が困っているのはってことです。
まあでも難しいことはわかる。素人が考えても。
「核によるパワーバランス」という話が途中にあって。それは、ロシアには大量の核があるので、結局それを恐れてNATOやアメリカは具体的な軍事行動はもとより、武器供与ですら二の足を踏んでいる状況で、やっぱり核の威力はあるよね、と言う話なんですけど。
いや、ちょっと違うだろうと。
話の中でも、核のパワーバランスは大国間での戦争しかスコープに入っていないという指摘があって、実際たしかに大国と小国が戦争になることに関しては全然役に立たない、つまり核なんて使う必要そもそもないしって話になるわけですが。
でも今回ロシアがウクライナに攻め入って、それを武力で止めることが直接は出来ない原因は、実は核兵器があることが話の本質なのではなくて、実は「相手がロシア」ってことが本質的な問題なんじゃないかなと思うのです。これが、例えばフランスがウクライナに攻め込んだってなったら、もちろん協議解決を徹底的にやるとは思うものの、でもフランスはNATOの構成メンバーという話を横に置いておけば、NATOもアメリカも直接的な軍事行動に出る可能性は否定しないと思うんですよね。なぜなら「いくらなんでもフランスは核を使わない」という性善説的な判断をする余地が十分にあるから。
でも今回はロシア。
「いくらなんでもロシアは核を使わない」という性善説的な判断を安易に出来るような国では到底ない。つまり、性善説を期待できない国が核を持ったら、同じく核を持つ国には手出しをしにくいかもしれないが=核によるパワーバランスは発揮されるかもしれないけど、核を持たない小国には好き勝手やり放題が許されるということが露わになってしまった。仮に、今回で味をしめたロシアが、例えばNATO加盟をしていないジョージアみたいな旧ソ連邦国に何だかんだと理屈をつけて次々と攻め入っても、やっぱり西側は手が出せない、おそらく。
切り札は核ではなく、ロシアという国家の性質そのものであり、言ってしまえば今もってしてあの国がソビエト社会主義共和国連邦から変わっていないということそのものなんだという事なのでしょう。
でも自分で言っておいてなんですが、フランスがウクライナに攻め入ったら西側は武力介入する可能性は否定しないってことになったら、本来的な核抑止の目的もパーですね。
ほんとにそうだとしたら、核は無法国家の専売特許にしかならんってことになる。
これがほんとの、おそロシアw
笑い事じゃない。
もっとも、ロシアにもロシアの言い分があるという話もあるにはあるが。
91年にソ連が解体する際に、西側は旧ソ連国をNATOに引き込んでNATOを拡大させないよね? ECはロシアを仲間外れにしないよね? と確認されて、「しないよ、そんなこと」とアメリカは言ったのに、ぜんぶ嘘じゃん、これでウクライナ取られたら、もう俺たち丸裸じゃん、ていう話は、まあそれはそうで、そこをどうにかしてあげないと、ロシアだって振り上げた拳を下ろせないよね、と。わたしも、そうは思うところはある。
でも今回のゲストの小泉さんも言ってたけど、「別にNATOが旧ソ連の国に来てくださいと頼んだわけじゃないし」っていうのはその通りで、旧ソ連の国がドッと西側に流れて行ったのは誰のせいですか?と言う話なわけです。
ただ、これもやはり講演の中で触れられていた通り、西側が冷戦に負けた国として、ロシアの事を見下し過ぎたという部分は否めない。要するに、冷静以降の対ロシア政策を西側がしくじった、ロシアをなめ過ぎたということ。
でも今回のゲストの小泉さんも言ってたけど、「別にNATOが旧ソ連の国に来てくださいと頼んだわけじゃないし」っていうのはその通りで、旧ソ連の国がドッと西側に流れて行ったのは誰のせいですか?と言う話なわけです。
ただ、これもやはり講演の中で触れられていた通り、西側が冷戦に負けた国として、ロシアの事を見下し過ぎたという部分は否めない。要するに、冷静以降の対ロシア政策を西側がしくじった、ロシアをなめ過ぎたということ。
ある意味、中国も似たようなロジックは多少なりともあるよなとも思う。そこは日本も同じで、あんな三流国なんかと、ほんの20年前、30年前までは普通に思っていた油断と慢心が、今の状況を生んでいるとも言えなくない。
まあいいや。
話が長くなるから、もうやめよう。
ではでは。。