どう生きる?第二十五章 出国
- カテゴリ:自作小説
- 2024/03/09 14:09:49
第二十五章 出国 友達数人で集まった時、 友達の一人が聞いてきた。 「海斗、最近はどうなの?就職とか進路とかさ」 「あぁ、それな。俺、スウェーデンにワーキングホリデーで行くことにしたんだ」 微妙な表情を浮かべて、 「え、マジで?なんで急にそんなことになったの?」 驚いていた。 「まぁ、いろいろあってさ。でも、チャンスだからってことでね」 私はマヤの ことは内緒にして こう言った。 「ふーん、そうなんだ。海斗らしいかもなあ」 それを聞いてみんなもうなずいた。 「そう?まぁ、北欧の暮らし楽しんでくるよ」 と、そう言って私は笑った。 準備が着々と進み、ビザの申請が3カ月後に降りた。 すぐに往復の航空チケットを購入し、 スウェーデンのストックホルム空港に向かうことになった。 母は見送りに行くと言ったが、 空港からの帰りが悲しくなるかもしれないと思い、 来なくてもいいと言って玄関先で別れた。 友達が父親の車を借りて空港まで送ってくれた。 「1年後を楽しみにしててよ。お土産を買って帰ってくるね。ありがとう」 と、友達にお礼を言って、 搭乗ゲートに向かい、飛行機に乗り込んだ。 シンガポール航空の便は17:00に出発し、 目的地のストックホルム・アーランダ空港へ 13:55に着陸する。 このフライトは総飛行時間が28時間55分で、 途中2回の乗り換えがある。 マヤにそのことを連絡すると、 彼女は喜んで「迎えに行くよ」と言ってくれた。 待ち合わせ場所を確認し、 約29時間後に彼女と再会できることを 心待ちにしている。 成田空港での別れから4カ月近く過ぎていた。 その間私たちは遠く離れて暮らしていた。 それでも、時間がたつにつれて彼女への思いは強くなり、 再び彼女の笑顔を見ることが待ち遠しく感じられた。