Nicotto Town



どう生きる?第二十五章 出国


第二十五章 出国


友達数人で集まった時、

友達の一人が聞いてきた。

「海斗、最近はどうなの?就職とか進路とかさ」

「あぁ、それな。俺、スウェーデンにワーキングホリデーで行くことにしたんだ」

微妙な表情を浮かべて、

「え、マジで?なんで急にそんなことになったの?」

驚いていた。

「まぁ、いろいろあってさ。でも、チャンスだからってことでね」

 私はマヤの ことは内緒にして こう言った。

「ふーん、そうなんだ。海斗らしいかもなあ」

それを聞いてみんなもうなずいた。

「そう?まぁ、北欧の暮らし楽しんでくるよ」

と、そう言って私は笑った。


準備が着々と進み、ビザの申請が3カ月後に降りた。

すぐに往復の航空チケットを購入し、

スウェーデンのストックホルム空港に向かうことになった。

母は見送りに行くと言ったが、

空港からの帰りが悲しくなるかもしれないと思い、

来なくてもいいと言って玄関先で別れた。

友達が父親の車を借りて空港まで送ってくれた。



「1年後を楽しみにしててよ。お土産を買って帰ってくるね。ありがとう」

と、友達にお礼を言って、

搭乗ゲートに向かい、飛行機に乗り込んだ。


シンガポール航空の便は17:00に出発し、

目的地のストックホルム・アーランダ空港へ

13:55に着陸する。

このフライトは総飛行時間が28時間55分で、

途中2回の乗り換えがある。



マヤにそのことを連絡すると、

彼女は喜んで「迎えに行くよ」と言ってくれた。

待ち合わせ場所を確認し、

約29時間後に彼女と再会できることを

心待ちにしている。


成田空港での別れから4カ月近く過ぎていた。

その間私たちは遠く離れて暮らしていた。

それでも、時間がたつにつれて彼女への思いは強くなり、

再び彼女の笑顔を見ることが待ち遠しく感じられた。





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