木曜日のパーコレーター(無口な二人)
- カテゴリ:日記
- 2023/11/25 21:25:53
(注 フィクションです)
彼女との待ち合わせにはまだ数時間あった
今日早めに仕事が終わったから
それで久し振りに藻岩山のロープウェイに乗った
日本三大夜景を確かめてから山を降りた
市電で数十分 待ち合わせの喫茶店がある狸小路に着いた
このあたりは数年前とは一変していた
彼女は先に来ていた
先にビールをやっていた
いつもの卓に座っている彼女の向かいに
いつものように座った
そしていつものように互いの瞳を見つめ合った
二人は何も言葉を発しない
その沈黙を埋めるかのようにアストラッド・ジルベルトが流れていた
先週のモダンシャンソンも良かった
二人は何も言葉を発しない
やがてピッチリ着込んだマスターが
トレンチに今宵の一式を載せてやってきた
まずトレンチの前方から各種のコーヒーの簡易パックを卓に置いた
次にミルクや各種のコーヒーシュガーが入ったポットを置いた
コーヒーカップとソーサーとスプーンをセットした
次に背の高いウォーターサーバーを置いた
最後から2番目に中型のアルコールランプを置いた
最後にパーコレーターを置いた
速やかにマスターは去っていった
この店では客が自分で自ら飲むコーヒーを自分で作るスタイルだ
アルコールランプの芯を引き出し 備え付けのマッチで火を点けた
サーバーからパーコレーターのボトムに軟水を注いでセットし ランプを添えた
さっき見たばっかりの札幌の夜景が 芯の炎に弾けながら溶けていくように見えた
思わず私はここで彼女に 今晩初めて話しかけた
「明日の金曜日に書類を出そうと思うんだ」
彼女は私の強張った指を見つめた後
今日2度目に目を合わせて やはり初めて今晩初めて言葉を発した
「今日は木曜日ね」
その頃私は東京にいたので 二人はすれ違いのクロスオーバーだったんですねw
あ お疲れ様でした
イスラエル人嘘つかない ← これが嘘だったというヲチw
昔親父が買ってきて珈琲いれてました
狸小路、、懐かしいです
二十歳の頃。路上でネックレスやら、針金で作るネームやら売ってた頃がありまする、、
イスラエル人が、これは売れるからって言ってたけど、全然売れなかった、、w
マキネッタ 知らなかったので検索しました ほとんどこれパーコレーターじゃん
札幌にも 本文中にあった狸小路の6丁目に名曲喫茶「ウィーン」がありました
あとで知ったのですが ハッテンバで有名なお店でしたw
>この店では客が自分で自ら飲むコーヒーを自分で作るスタイルだ
そんな店があるのだろうか?
個人的には、マキネッタで抽出したエスプレッソとは異なる濃厚なコーヒーが好みです!
www
それにしても、独特の世界観ですね!
昔、入った音を立ててはいけない!話すのも厳禁!注文は紙に書いて渡す
といった名曲喫茶「コンチェルト」を思い出しました!www