キラとニクラの大冒険 (15)
- カテゴリ:自作小説
- 2023/10/02 00:35:32
あのいきものたちはぼくたちの思ってることをなにも言わなくてもわかっていたみたいだね。
ニクラが言った。
うん、ふしぎないきものだわ。
キラもはじめて会ったいきものにおどろいていた。
でも、しんせつにふうせんばくだんのことを教えてくれたね。
頭のなかで写真をみてるときに、彼らの思ってることも一緒に伝わってきたね。
うん、わたしにも伝わってきたわ。
いちばんおおきないきものがふたりに伝えたことはこうだった。
わたしたちの部族は地球に生きづらくなったために、ほかのわくせいに移住することにしました。
そのために、地球の生き物にとって有害なものを使ってふうせんばくだんを作ってきました。
わくせいにわたしたちにとってひつような気体を作るためです。
でも、そのために地球のいきものたちがたくさん死んでいることを知りました。だから、わたしたち家族や少数のなかまたちはふうせんばくだんを作ることをやめました。
でも、みんなはふうせんばくだんを作るのをやめようとしませんでした。
だから、わたしたちは、みんなと離れて暮らしています。
わたしたちのちからではふうせんばくだんを作ることを止められません。
わたしたちと違ういきものでないとふうせんばくだんは止められないです。
この洞窟のなかでもふうせんばくだんを作っています。
どうかふうせんばくだんを止めてください。
ふうせんばくだんの機械を止めることのできる「わたしたちとは違ういきもの」というのは人間のことなのか、もっと別の生き物のことなのかはわからなかった。
でも、ふたりは白い毛のいきものと会ってから、なぜか今までの不安や恐れがなくなっていた。
キラが元気よく言った。
さあ、ニクラ、行きましょう!
ふたりは今度はひだりの方へ進んだ。
しばらく下っていくと、ざあざあと水の流れる音が聞こえてきた。
ほら穴は少しづつ広くなり、またふたつにわかれている場所へつきあたった。
火箱で照らしてみると、ひだりのほら穴からは川が流れてきているのがかすかに見えた。
せせらぎが地中を通って流れ込んできているのだろう。
みぎに進むと地面が続いていたけど、左手側が落ち込んでいて、そこが川になっていた。
地面の幅が狭く、ふたりは前後に並んで落ちないように気をつけて歩かなければいけなかった。
右の壁にときおり手をつきながら進んでいると、このほら穴の壁に見たことのない黒い石が埋れているのに気がついた。
その石はつやつやとしていて、中に水晶でもふくまれているのか、角度によってはキラキラと輝く小さな点がいくつか見えた。
そしてここまで進んでくると、なにやらつんと鼻につく匂いがしてきて、空気もしめっぽくてあたたかくなってきた。
ニクラの外套の内ポケットではあめしらずが放つ光がもっと濃く青くなっていた。
ほら穴はまた下り坂になり、横を流れる川もどうどうと勢いを増していた。
進んでいくと、川は滝になって崖になっている左下に流れ込んでいた。
ニクラたちのいる道も急な下りになっていて、縄はしごがかけてあるので、この先になにかあることは確かだった。
ふたりは慎重に縄はしごを降りて、すこし進んで角を曲がる。
つんとした匂いはそうとうにきつくなっていて、キラはすこし咳き込んだ。
角を曲がると、そこには巨大でまるい空洞が広がっていた。
ニクラたちはその巨大な空洞の真ん中くらいの高さの壁にある通路に出たのだ。
どんな仕組みがあるのか、巨大な空洞の丸い天井から光が差し込んで、空洞全体を照らしていた。
まるで、どこか違う星のように見えた。
さっき白いいきものたちから送られてきてふたりが頭の中の写真で見たのと同じ機械が、中央でもうもうと湯気をたててそびえ立っていた。
圧倒的に大きな機械だった。
ニクラとキラはほら穴の壁の陰に身を隠しながら、慎重に様子をうかがった。
機械のまわりには数人の白いいきものたちがいたけど、それほどたくさんではなかった。
ニクラとキラは、頭の中の写真で見たように、てっきり大勢のいきものたちがいるものだと思っていた。
ニクラたちがいるのは大きな空洞の中2階で、だいぶ高い位置だった。
機械は空洞の地面の真ん中に設置されていて、天井ぎりぎりまでそびえ立っている。
ニクラたちがいる道からぐるりと円を描いて空洞の壁沿いに道がつながっていた。
壁にはいくつかの穴があって、その道に出入りできるようになっていた。
それぞれの穴が他の部屋や通路につながっているのだろう。
中2階の道からはいくつかの縄はしごがぶら下がっていて、下に降りられるようだった。
ニクラはキラに小声で言った。
この機械でふうせんばくだんを作っているんだね。
きっとこのどこかに動かしたり止めたりするスイッチがあるはずだと思うんだ。
だけど、大事なのはどうやってこの機械が動いてるか、ってことだと思うんだ。
機械を動かすためのちからを止めなくちゃいけないはずだよ。
キラはニクラの目を見てうなずいた。
ふたりともさっき白いいきものたちの家族に出会ってから、怖い気持ちよりも、ふたりできっと機械を止めなくちゃ。という気持ちのほうがどんどん強くなっていた。
でも、いったいどうすればそのちからを止められるのか、見当もつかなかった。
数人の白いいきものたちは機械の足下に集まってなにかをしていた。
ニクラとキラはじっとその様子を見ていた。
いきものたちはなにも声を出さないけど、お互いの考えてることがわかっているようで、きびきびと動いている。
数えると、8人いた。
そのうちの1人のいきものが機械の横の地面に、自分の10倍ほどもあるとても長くて細い金属の棒をななめに差し込んだ。
すると、ほかの7人も集まってそれぞれが後ろに並んで金属の棒に取りついた。
棒のうしろのほうは地面からななめ上に上がっているので手が届かなくて、3人は棒の下で待っている。
棒をつかんでいる5人が体重をかけると、ずずずずず、と重い音がして地面がすこし開いた。
するとうしろの3人も飛び上がって棒に取りつく。
するとまた、ずずずずずーーーー!
と、大きな音がして、どんなカラクリなのか、地面の扉が大きく開いた。
1人のいきものが扉の裏側からつっかえ棒を出して地面に固定する。
扉が開いた地面の四角い穴は薄暗くてよく見えなかった。
中には地中に降りる階段があるようで、いきものたちはみんな穴の中へ入っていった。
ニクラとキラは緊張しながらその様子を見ていた。
ニクラは開きっぱなしの扉を見ながら頭の中で考えていた。
きっとあの奥には機械を動かすためのちからの元があるはずだけど、キラにはあぶないかもしれない。
と、迷っていると、キラが言った。
ニクラ、行こう!
あの奥にきっと機械のひみつがあるはずだわ。
ニクラは、キラがもう弱いだけの女の子じゃなくなっていることを思い出して、言った。
うん、今すぐに行かないと、扉が閉まってしまうかも知れないしね。
ふたりは決心して、素早く動いた。
そうなんですね(^-^)
おれはそこまでゲームしないのですが、最近、たまに携帯のゲームします(^-^)
はい、キラは不思議な力を持つ、面白い女の子ですね。
やっぱりいい機会と悪い機械がいて、悪い機械が全ての機械を操って人類を滅ぼすのを阻止するお話です・・・
それも主人公は女の子なんですが、キラちゃん見てると同じようにたくましくていいですね^^♪
すいません、全然まだ続くのです。
これがこの冒険で現れる最初の問題って感じです。
この後もどんどん続きます(^-^)
皆が平和に共生できる世界になるのは難しい気がしますね( ;∀;)