レストラン (2)
- カテゴリ:自作小説
- 2023/09/11 06:01:50
カウンターに置かれている次の料理を見ると、海鮮サラダとスープだった。スープにはカゴに入ったバケットが山盛りに添えられている。
青々としたレタスと赤く熟したトマト。紫の刻み玉ねぎ、イカを輪切りにして茹でたもの。深緑のオリーブ、タコの茹でたもの、エビの茹でたものにキラリと輝くりんご酢とオリーブオイルのドレッシングがかけられたサラダと、こってりとしたカボチャのスープだった。
海鮮サラダとカボチャスープも、バケットもすこぶる美味しくて、ふたりともあっという間に平らげた。
こんなに素晴らしい料理はパリの高級レストランでも食べたことが無くて、ふたりとも次の料理が気になって、ちらちらとカウンターの向こうのキッチンを覗き見ながら落ち着きなく食べ終えた。
カウンターの差し出し口は壁を四角く切り取って作られていて、そんなに大きくない。目の前に大きな食器棚のようなものもあって、キッチンの中は見えにくく、たまに店主の背中は見えるけど、どんなふうに何の料理を作っているかはわからなかった。
それに、作っている音もあまりしなくて、たまにかちゃかちゃと器を置いたりする音しか聞こえてこないのが不思議だった。
海鮮サラダとカボチャスープをちょうど食べ終えたとき、また店主が次の料理をカウンターに置きながら言った。
次の料理です。
ふたりはわくわくしながらからになった皿を持ってカウンターへ行った。
カウンターには魚まるごとの見事な唐揚げ料理が大きな皿に盛られて、ひとり一皿ずつあった。
かさごのような魚で、からりと揚げられていて、その上にとろりとしたあんかけがかけられていた。
ふたりはこの国では馴染みのないあんかけ料理がわからなくて、身をかがめて差し出し口からキッチンをのぞいて店主に聞いた。
これは何という料理ですか?
店主はこちらに背を向けて何かをしていたが、振り向いて、
あんかけという中国でよく食べられている料理です。
ほっぺたが落ちますよ。
と言って笑った。
ふたりはテーブルに着くと早速そのあんかけ料理を食べてみた。
あんかけはあまじょっぱくて、からりと香ばしく揚がった魚ととてもよく合っていた。魚の白身はむちむちとした歯ごたえで、噛むほどにその旨味が口いっぱいにあふれた。ふたりははじめて食べるその味に夢中になって、皿も食べてしまいたいくらいだった。
ふたりはすでにたくさんの料理を平らげたのに、まだもっと食べたくなっていた。
あんかけ料理を食べ終えて、カウンターを見ると料理が置かれて湯気を立てていた。
また気が向いたら、読みに来てください〜(^-^)
今日はまた駆け足訪問なので、読むのが追いついてませんが、またちょこちょこ読書しに伺いますね♬