Nicotto Town



ナナイロ同窓会【2】ゲンサイ・ツェッペリン

「皆の衆、久しぶりじゃのぅ!ゲンサイ・ツェッペリンじゃ!」

横ピースで決めポーズを取るゲンサイおじいちゃん。
「トリオン。おぬしの父親で村長のマンサクに聞いたら、おぬしらは酒場にいるって言うから、来ちゃった♡」
「何の用だ?ゲンサイじじい」トリオンは険しい顔をしたままだ。
「ワシ、トルテに呼び戻されちゃったんじゃ。で、教員寮は満員で入れないし、住むトコ無いんじゃよぅ~」
トリオンはそこまで聞いた時点で、すでに嫌な予感しかしなかった。
「だ・か・ら…ワシをメンドーサ隊に入~れ~てっ♪」ウルウルお目目の上目遣いで懇願するゲンサイ。
「ゲンちゃんを入れてあげましょうよぉ~、トリオンしゃん」すでにろれつが回ってないマリア。
「マリア、ほどほどにしろよ!」酔っぱらったマリアに抱き着かれて、ホントは嬉しいトリオン。
「そうよぉ~、宿無しツェペりんを路頭に迷わせるつもりなの?トリオンたいちょ~!」酔いどれノエル。
「ノエル姉さん、飲みすぎだよ~。あ、ゲンサイ先生。お久しぶりです」ほろ酔いだがまだ素面なブラン。
「おお、海魔女の笛吹きプレイボーイ!懐かしいのぅ~!今でも女を引っ掛けてんのか?」
「それはもうやめました。
マリアが『笛の音でいくら心を奪っても本当の愛は得られない』と気付かせてくれたから…」
ブランは、トリオンに寄りかかって寝ているマリアを見やる。

一方その頃、メンドーサ隊事務所では…。
「ああ!ナナイロピーマンの選り分けが終わらへん!どんだけあるんや!」セリカは頭を抱える。
「ナナイロピーマンをもいだ後の枝は捨てないでね~。
その七色の枝は使い道がちゃんとあるから~」と、チュニス。
「七色の枝、キレイだよね。よく見ると模様とかそれぞれ違うし、ひとつとして同じものは無いね」
シャイナはナナイロピーマンをもぎながら、七色の枝を眺める。
「マリアちゃんが冒険者クラスの生徒の「レキ・レキシントン」のために、
って言って七色の枝をひとつ持っていったわね」と、ライム。
「たのも~!ゲンサイ・ツェッペリン師匠はご在宅か!?」
いきなり、事務所に上がり込んできた武闘家の男が声をかける。彼の後ろには3人の男たちが…。

ところ変わって、ナナイロ村の酒場「ほんにゃら亭」では…。
みんな酔いつぶれてしまい、同窓会はお開きになった。
「あらあら、イデオくんまで…。明日も店あるのに…しょうがないなぁ~」
と言いつつ、女性店員の『カーシャ・ミライ』はイデオにタオルケットを掛けてやる。
「あら、カーシャちゃん。優し~い」と、言いながらブランにタオルケットを掛ける女性店員『ナチ・チヤコ』。
「やめてよ、ナッチン。イデオくんとはただの幼馴染よ?」と、カーシャ。
「カーシャ、ナチ。今日はご苦労さん。もうあがっていいよ」店主のカリーアゲが二人に労いの言葉をかける。
「は~い、お疲れ様」寝ているみんなを起こさないように小声でハモるカーシャとナチであった。

ーつづくー




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