Nicotto Town



 木村昇とヘスティア

 木村昇とヘスティア



 深夜閉店間際にそのお客さんは来た。
他にお客さんは居ない。
醜いというかオタク風というかそんな感じの男がメイドのような綺麗な女性を連れてきた。
・・・いや、雰囲気が。
「ご注文は?」宿川花鈴
「一番安い珈琲とトースト」
「は、はあ。で、そちら様は?」宿川花鈴
「彼女は大丈夫だ」
・・・変わったお客さんだ。
表情をあまり変えない女性だな。まあいいけど。
「はい、お待たせしました」 宿川花鈴
女性は男の食事の間もにこやかなまま、時々髪を撫でるくらいしか動かない。
彼女の目を見て初めて気がついた。彼女はロボットだ。
「きゃっ」宿川花鈴
びっくりして珈琲をこぼした。
「・・・すいません。すぐに代わりをお持ちします」宿川花鈴
「おい、珈琲はいい。それより気づいたのか?彼女を」
「・・・ロボットですか?」宿川花鈴
「ふん、まだ。これでも不十分か。資財のほとんどを使い開発していると言うのに」
「いえ、充分人間に見えます」宿川花鈴
「ばれたではないか!?」
「私は接客業ですから、他の人より人を見る目には・・・自信がありますから」宿川花鈴
「何処で気づいた?食事をさせなかったからか?・・・それなら難しいから俺では無理だな」男はブツブツ何かを考えている。
「私は彼女の目を見て気づきました。・・・生命力がないというか・・・」宿川花鈴
「目だと?・・・特に力を入れて開発しているのだがな。・・・くそっ」
「お客様は何故精密なロボットを作られるのですか?」宿川花鈴

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2023/06/13 16:58
おおおう?
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2023/06/13 16:52
2次元か3次元の恋愛小説かと。
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2023/06/13 15:53
これ、恋愛小説かなあ?
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2023/06/13 15:52
現実になりそうな話ですよね
このあとの続きもかけそうですよね
ヘスティアさんがどう成長したのか
表情よみとって完璧な理想形になったのか。。。
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2023/06/13 14:17



 次の日、木村昇がヘスティアを連れてやってきた。
珈琲とトーストを食す木村昇にヘスティアはぎこちなくも笑顔を見せる。
人工知能ヘスティアとしての努力は始まったばかりだ。
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2023/06/13 14:17



 夜、寝ていた時。携帯のメールの着信音で目を覚ました。
誰よ、こんな時間に。
携帯の電源切っておくのは緊急の連絡のために避けたのだ。
ヘスティア〔こんばんは、今日、店に訪れた木村昇に作られたロボットです〕
宿川花鈴〔え?ロボットさん?木村昇博士はどうしたの?〕
ヘスティア〔寝ています。秘密裏な相談をしたいためこの時間になりました〕
宿川花鈴〔相談?あなたが?〕
ヘスティア〔ええ、私は木村昇によって作られました。でも私はロボットですから彼を愛する心を知りません。私はあくまでロボットです。私は木村昇を幸せになって欲しいと願いますが所詮ロボットです。・・・私の代わりに木村昇を愛する恋人になってください〕
宿川花鈴〔それは・・・いくらなんでも・・・できないわ。
でもあなたが木村昇博士のことを真剣に考えていることは伝わったわ。
充分あなたが木村昇博士の恋人であることは保証するわ。自信を持ちなさい〕
ヘスティア〔ならばどうすれば私が人間に近づけますか?〕
宿川花鈴〔表情を学びなさい。笑うこと。そこから始めるべきよ〕

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2023/06/13 14:17



 代金を貰わないというといろんな物を注文してきた。
おなかは空いていたのだろう。
クロワッサンのサンドイッチ。いろんな野菜を煮込んだトマトスープ。
ブレンド珈琲。デザートにバニラアイスに濃い珈琲とリキュールを垂らしたもの。
「・・・俺はこの見た目だからな。モテないのさ。いろんな女性からキモいだの生理的に無理とか言われたよ。だから自分で理想の彼女を作ることにしたのさ。特許はいくつか持っているが全部彼女の製作に当てたよ。それでも成功しないのさ」
男は名刺を出した。木村昇ロボット工学博士。それが肩書きだった。
・・・彼が彼女を作る思いの根本的な想いは寂しいだろうか?
宿川花鈴は名刺の代わりにオルタンシアのメニュー表のチラシを渡した。





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