旅先で見つけた贈り物~セバスと新人メイド~
- カテゴリ:自作小説
- 2023/06/06 07:38:18
↓前回のセバスと新人メイドのお話はこちらです。
温かな贈り物~セバスと新人メイド~
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1640941&aid=72122775
高原の別荘で、ほぼ全ての仕事をこなしていたセバスでしたが、お嬢さまがせっかくの連休なのに仕事で終わってしまうのはもったいないからと、一日は絶対にお休みするようにと命じられて、休日をとることになりました。
セバスは自分がいない間、本当に大丈夫だろうかと心配でしたが、何か意見を言ったところで、お嬢様はよほどのことがない限り気持ちを変えることはないと分かっていたので、諦めることにしたのでした。
その休日、セバスは午前中は高原の自然を楽しみ、午後は街に出て本屋さんや骨董屋さんを見て回りました。
旅先でも本屋さんに出かけることが彼のいつもの習慣でした。
探している本が見つかることがあったり、その地域にしかない本に出会えることが楽しみでもあったからでした。
何軒かの本屋さんを見た後、古本屋さんへも寄ってみると、
前から探していた小説を見つけました。
(ああ、良い出会いがあって良かった✨)
そして他のコーナーも見ていると・・・思いがけない本が見つかりました。
セバスは本で膨らんだ紙袋を持って気分良く店を後にしました。
車を降り別荘のドアの前にたどり着いたところで、ゆっくりドアが開きました。
「セバスおかえりなさい~。今日はどうだった?楽しかった?」車の音で帰ったのがわかったのか、お嬢様がドアからひょこっと顔を出して出迎えてくれました。
「ただいま戻りました。おかげ様で今日は良い時間を過ごせました。お休みを頂きありがとうございました」とセバスは答えました。
お嬢さまは彼の手元の重そうな荷物を見つめていますが、「お食事はもうなさいましたか?」とセバスは声をかけて、彼女の返事を聞くと何も語らずに自室へと向かったのでした。
そしてお屋敷に戻った次の日のこと、
学校から帰ったお嬢様は自分の部屋でのんびり過ごしていました。
そこにドアをノックする音がして
「お嬢様、よろしいでしょうか?」とセバスの声がしたので
「どうぞ~」と答えると、
「失礼致します」と声の後ドアが開いて、いつものあのおじぎ、まるで分度器で計りたくなるような90度に限りなく近いとしか思えないおじぎをしてから、セバスが入って来ました。
片手で美味しそうなプリンアラモードを支え、もう片方の手には紙袋を持っているセバス。
どうやってノックしたんだろう・・・とつい思ってしまうお嬢様でした。
それに普段紙袋をもってこの部屋に来ることはなかったので、ちょっと不思議に思っていると、
「こちらは別荘でチョコプリンをお召し上がりになっている時にプリンアラモードもお食べになりたいとおっしゃっていたので」とセバスはそう言い終えると、部屋のテーブルの上にそれを置きました。
そして紙袋に視線を落としながら「紙袋でお渡しするのも失礼かと思いますが、何しろ量が多かったもので。包装するよりも早くお渡しした方が良いかと思いましたので、お受け取り下さい」と言って、彼女の方へと紙袋差し出しました。
その紙袋を受け取るとずしっと結構な重みを感じて、
「お!かなり重さがあるわね。なんだろう~?」
袋の中をのぞいてみると、そこにはシャーロックホームズが好きな愛好家、歴代の『シャーロキアン』(熱狂的なホームズファンはこう呼ばれています)達によるホームズ作品の解説本や図録の本がたくさん詰まっていたのでした。
自らもシャーロキアンを名乗っているお嬢様は思わず
「きゃーーっ!!欲しかった本ばっかり~!」と大きな声で興奮気味に叫んでしまいました。
「これも、ああ!これも貴重な本じゃない!解説が一品だって評判なのよ✨絶対読みたいと思ってたけど大分昔に出版された物だったから、もう手に入らないかもって思ってたのよね。
セバスありがとう~♥」
「お嬢様は以前からこういった本をお探しと知っておりましたので・・・。この間お休みを頂いたときに、古書店に寄りましたら偶然にもホームズ関連の本をたくさん見かけましたので、お役に立てばと思いお持ちしました」
「どの本も状態がとっても良くて綺麗だわ✨
もしかしたらシャーロキアンの人が、大事にしていた自分のコレクションをまとめて手放したのかもしれない。
私の所に来てくれて嬉しいわ。
セバス本当にありがとう。一生の宝物だわ。大事にするね」とお嬢様は興奮気味に話した後、ベッドのサイドテーブルの引き出しからコサージュを取り出し、セバスに駆けよって胸元にその花をつけました。
「セバス、感謝の印に受け取ってね。
本当は別荘のタルトとチョコプリンを作ってくれたのだってあげたいくらいだけど、あそこではあの勝負しているメイドさんがいないからだめだっていうから。
でもこれは絶対に譲れないわよ。本当~に嬉しかったからね」
お嬢さまはプリンと本とに目移りしつつも、やっぱりどうしても本が気になるようで夢中で眺めています。
こうしてセバスはお嬢様の喜ぶ姿と二つ目のお花を受け取ることができたのでした。
つづく
セバスと新人メイドのお話、思いのほか長期になってきてしまっていて、作者もびっくりですが・・・
もう半年たっちゃいましたね(^-^;
メイドさんが賢くてそうそう動かないタイプなのかもしれないですが、作者も努力してお話のスピードを上げていこうと思います(*´з`)
出先でつい本屋さんや古本屋さんに行ってしまうセバスでしたが、実は私のくせでもあったりします(´艸`*)
同じ場所で連泊したり、学生時代は合宿などの自由時間につい行ってしまってましたね。
どれだけ本が好きなんだという(≧∇≦)
でも普段いく場所では見つからない自分にとって貴重な本を
見つけた経験も結構何度もあって、デビューから大分経ってから好きになった遠藤淑子さんの漫画本を帰省先の本屋さんで何冊も見つけることができたこともありました。
出版して時間が経っていたので、もう古書店でも手に入らない
と思っていたら、普通の本屋さんに置いてあったことが。
大分長い間本屋さんにあったようでしたが、状態もさほど悪くなく、喜んで買ってすぐに夢中で読みました。
まるでどうしても読みたい!欲しい!と強く思っていたから、見つけられたような・・・そんなちょっと運命の様な✨
私を待っていてくれたのかも~?なんて気分になってみたり(´艸`*)
運命の出会いは人だけじゃなくて、物との関係でもある気が時にはすることも✨(思い込みのこともあるかもしれないけれど)
見つけた時はすごくびっくりしましたが、嬉しくて今でも思い出すと幸せな気持ちになります♥
当時は文庫版なども出ていなかったから読みたくても読めなかった作品が、その本屋さんのおかげでだいぶ集まったんですよね。
物も人も、大事に思う人にとってもは特別ですね。
みんなそれぞれに特別があるから面白いのかも。
セバスもきっと古本屋さんで自分のほんとお嬢様の探している大事な本を見つけて大分嬉しかったんじゃないでしょうか(#^^#)
シャーロキアンとその方たちが書いた本が出てきましたが、それも私がいくつか持っていて、今も集めている最中だったりします。
お嬢さまの方がコンプリートするのは早そう・・・
セバスがいていいな~。
好きなことを書くとついながくなっちゃいますね~(≧∇≦)
ここまで読んで下さった方、どうもありがとうございました♥
書いているうちに、久々にホームズのドラマもムック本が読みたくなってしまった私でした(●´ω`●)
紙袋いっぱいの本、良かったですねお嬢様♪
ちなみに私も旅行先で古本屋だとか本屋に行きます。
毎回弟に呆れられますが、やめられませんよね~(´∀`*)
月の重力だとええのにね(ΦωΦ)フフフ…
台風3号の動きも東へ行くと思うけど
念のため 買出しをうまく調節せんとやね(=^・^=)
セバスのお話読みに伺いましたw
お嬢様のことは何でも知ってるセバスなんですね!
お嬢様こんなにセバスに想われて幸せ者ですね^^
セバスとお嬢様の話しはやはり楽しい♪
セバスとお嬢様の話しをこれからも楽しみにしてるね。
今日もありがとう♪
コーデから素敵なお話が出来ましたね。♪
お嬢様とセバスちゃんのお話、とっても楽しいっすね~(^_-)-☆
このまま、仲良しでずーーーっといて欲しいです^^
なんて優しいんだろう(^^)/
流石セバス お嬢様の喜ぶものよくわかってますね(^^♪
セバスのコーデ素敵です~(#^.^#)
ドラゴンボールのスカウターのようなもので
常にお嬢様のことを見守っているので
だいじぶでつ! ( `・ω・´ )b
お嬢様の喜ぶ顔が見れて良かったですね(๑•᎑•๑)♬
セバスもうれしそう